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第11話 依頼
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それから2日後、ハンスがやってきたので一緒に舟に乗り、商業ギルドに行くと笑顔でヘレンさんが出迎えてくれた。
「ハンスにダニエル様に会いたいと伝言を頼もうと思っていたところだったのです」
「まだ10日しか経ってないのに、無人島から撤退してきたのと思わないの?」
「そんなことはありません!」
とにかくヘレンさんは今日会ってからずっとテンションが高いままで、とても機嫌がいいのはわかった。
私たちがあっけにとられているのにきづいたヘレンさんは、私とセドにソファーに座るように勧めると話し出す。
「すみません、実はクラーケンとグロースシューレ、とても高く売れまして、あとでお約束していた上乗せ料金をお支払いいたします」
「それはうれしいのですが、いいのですか?」
「もちろんです。ただお願いがありまして、グロースシューレを最低2匹、できればそれ以上捕まえてほしいのです」
それは無理だと即座に断ろうとしたけれど、遠回しに言うことにする。
「ここずっと海に潜っていますけれど、まったく遭遇していませんよ」
「そこを何とかお願いします。実は国からの依頼なのです」
ヘレンさんは私たちの方に向かって深々と頭をさげた。
「「えっー」」セドと一緒に思わす叫んでしまった。
ヘレンさんは私たちの叫び声を気にせずに話をすすめる。
滅多に遭遇しないし、獲れるとは確約できないとお話ししたのですが・・・・といいながら、ヘレンさんは私に手紙を渡してきた。
受け取った手紙は父上からだった。
どうやらヘレンさんはクラーケンとグロースシューレを、私の父に売りに行ったみたいだ。
ギルド長がしていいのかと思ったけれど、最初から父上に売り込みに行く算段をしていたということかな。
詳細を聞くと、料理を一口食べた父上は、宰相様に会いに行き、3ヶ月後に行われる近隣の3か国と持ち回りで、2年ごとに定期的に集まる懇親会に出す料理の材料として提案したみたいだ。
ただ父上の誤算は、国側が1匹では足りないといいだしたことらしい。
クラーケンは無理だとしてもグロースシューレは、国としては料理にふんだんに使い、懇親会で近隣国に見せつけたい意向だそうだ。
まぁ、各国の王族も参加する会議だし、珍しいものを出せる機会だから乗り気だということみたい。
期限は2か月とみて1か月に1匹かぁー。
セドにも手紙を見せると、読み終えた手紙を私に返してくる。
「伯爵って冷たい人っていうか仕事人間のイメージあったけれど、ダルのこと大事に思っているようで安心したよ」
「はぁ?どこがだよ。滅多に遭遇しないグロースシューレを獲ってこいという人だよ」
「憶測だけど、ダルの素潜りスキルは社交界に広まっている。それがクラーケンを一人で倒し、幻といわれるグロースシューレを見つけたとなれば、ダルが馬鹿にされることはなくなるはずだ」
父上が私の名誉回復に動いたとセドは言いたいのだろうが、父上は伯爵家の名誉回復に動いたのだろう。
そちらの方がしっくりくる。
ただ前回と同じ大きさなら1匹250万レル、3匹以上なら1匹300万レルで買ってくれるそうだ。
「ヘレンさん、ぼったくりではないですか?」
グロースシューレ200万レルでも高いと思ったのに、もしかして最初は300万レルでふっかけたのか?
いや高く売れるのはすごく嬉しいのだけれど・・・・。
「おほほほ、今まで誰も食べたことがない幻の食材ですよ。安売りしたら簡単に獲れると思われるではないですか?」
それに誰も売ったことがないから、高く売れるのですと高笑いだ。
これが上機嫌の理由か!!
ヘレンさん商業ギルド長だよね、商人になっているけれどいいのかな?
今回は特別らしい。
「副ギルド長に怒られなかったの?」
「オリバーは文句たらたらでしたけれど、最初からご領主である伯爵様にお持ちする算段だったので。ついでに任期満了まで待たずに交代することも了承させ、引継ぎもほぼ終わりました」
これからは商人として、商業ギルドに卸す前に我がエクラ商会が買取をさせていただきますから、今後ともよろしくお願いいたしますとヘレンさんは笑顔のまま頭を下げてきた。
でも引継ぎ終わったっていうけれど、つい最近まで父上がいる王都に行っていたのではないか?
まぁいいか、ギルド内のことだから私が口出しすることではないし、私にはお金がたくさん入ってくる話だから気にしないでおこう。
ポケットに手が当たり、思いだしたのでヘレンさんに淡いピンク色の貝ひとつ見せる。
「これでアクセサリー作ったら可愛いのができると思うのだけれど、腕のいい職人さん教えてくれないかな?」
「ダニエル様、これをどこで、いえ、チリエ貝を見つけたのですか!!」
ヘレンさんが前のめりになって私に詰め寄るから、私は少し体を後ろに反らす。
「チエリ貝っていうんだ。海底で見つけてね、綺麗だったからポケットに入るだけ採ってきたんだ」
「今、お持ちですか?」
「あるよ」
私は残りのチエリ貝をマジックバックから取り出し、テーブルの上に置いた。
「こんなにたくさん・・・・」
ヘレンさんはチエリ貝をみて固まってしまった。
普通チエリ貝は片方、しかも割れているものが、砂浜にたまに打ちあがるらしいが、綺麗なので加工してアクセサリーとして人気だそうだ。
「どれも無傷で色もすばらしい淡いピンクです!」
ひとつひとつ手に取り確認をしているヘレンさんの頬が紅潮して、さらにテンションが上昇しているのがわかる。
「私の直感は当たったわ、ダニエル様について行けば、エクラ商会は王国一の商会になるはずよ!!」
「ハンスにダニエル様に会いたいと伝言を頼もうと思っていたところだったのです」
「まだ10日しか経ってないのに、無人島から撤退してきたのと思わないの?」
「そんなことはありません!」
とにかくヘレンさんは今日会ってからずっとテンションが高いままで、とても機嫌がいいのはわかった。
私たちがあっけにとられているのにきづいたヘレンさんは、私とセドにソファーに座るように勧めると話し出す。
「すみません、実はクラーケンとグロースシューレ、とても高く売れまして、あとでお約束していた上乗せ料金をお支払いいたします」
「それはうれしいのですが、いいのですか?」
「もちろんです。ただお願いがありまして、グロースシューレを最低2匹、できればそれ以上捕まえてほしいのです」
それは無理だと即座に断ろうとしたけれど、遠回しに言うことにする。
「ここずっと海に潜っていますけれど、まったく遭遇していませんよ」
「そこを何とかお願いします。実は国からの依頼なのです」
ヘレンさんは私たちの方に向かって深々と頭をさげた。
「「えっー」」セドと一緒に思わす叫んでしまった。
ヘレンさんは私たちの叫び声を気にせずに話をすすめる。
滅多に遭遇しないし、獲れるとは確約できないとお話ししたのですが・・・・といいながら、ヘレンさんは私に手紙を渡してきた。
受け取った手紙は父上からだった。
どうやらヘレンさんはクラーケンとグロースシューレを、私の父に売りに行ったみたいだ。
ギルド長がしていいのかと思ったけれど、最初から父上に売り込みに行く算段をしていたということかな。
詳細を聞くと、料理を一口食べた父上は、宰相様に会いに行き、3ヶ月後に行われる近隣の3か国と持ち回りで、2年ごとに定期的に集まる懇親会に出す料理の材料として提案したみたいだ。
ただ父上の誤算は、国側が1匹では足りないといいだしたことらしい。
クラーケンは無理だとしてもグロースシューレは、国としては料理にふんだんに使い、懇親会で近隣国に見せつけたい意向だそうだ。
まぁ、各国の王族も参加する会議だし、珍しいものを出せる機会だから乗り気だということみたい。
期限は2か月とみて1か月に1匹かぁー。
セドにも手紙を見せると、読み終えた手紙を私に返してくる。
「伯爵って冷たい人っていうか仕事人間のイメージあったけれど、ダルのこと大事に思っているようで安心したよ」
「はぁ?どこがだよ。滅多に遭遇しないグロースシューレを獲ってこいという人だよ」
「憶測だけど、ダルの素潜りスキルは社交界に広まっている。それがクラーケンを一人で倒し、幻といわれるグロースシューレを見つけたとなれば、ダルが馬鹿にされることはなくなるはずだ」
父上が私の名誉回復に動いたとセドは言いたいのだろうが、父上は伯爵家の名誉回復に動いたのだろう。
そちらの方がしっくりくる。
ただ前回と同じ大きさなら1匹250万レル、3匹以上なら1匹300万レルで買ってくれるそうだ。
「ヘレンさん、ぼったくりではないですか?」
グロースシューレ200万レルでも高いと思ったのに、もしかして最初は300万レルでふっかけたのか?
いや高く売れるのはすごく嬉しいのだけれど・・・・。
「おほほほ、今まで誰も食べたことがない幻の食材ですよ。安売りしたら簡単に獲れると思われるではないですか?」
それに誰も売ったことがないから、高く売れるのですと高笑いだ。
これが上機嫌の理由か!!
ヘレンさん商業ギルド長だよね、商人になっているけれどいいのかな?
今回は特別らしい。
「副ギルド長に怒られなかったの?」
「オリバーは文句たらたらでしたけれど、最初からご領主である伯爵様にお持ちする算段だったので。ついでに任期満了まで待たずに交代することも了承させ、引継ぎもほぼ終わりました」
これからは商人として、商業ギルドに卸す前に我がエクラ商会が買取をさせていただきますから、今後ともよろしくお願いいたしますとヘレンさんは笑顔のまま頭を下げてきた。
でも引継ぎ終わったっていうけれど、つい最近まで父上がいる王都に行っていたのではないか?
まぁいいか、ギルド内のことだから私が口出しすることではないし、私にはお金がたくさん入ってくる話だから気にしないでおこう。
ポケットに手が当たり、思いだしたのでヘレンさんに淡いピンク色の貝ひとつ見せる。
「これでアクセサリー作ったら可愛いのができると思うのだけれど、腕のいい職人さん教えてくれないかな?」
「ダニエル様、これをどこで、いえ、チリエ貝を見つけたのですか!!」
ヘレンさんが前のめりになって私に詰め寄るから、私は少し体を後ろに反らす。
「チエリ貝っていうんだ。海底で見つけてね、綺麗だったからポケットに入るだけ採ってきたんだ」
「今、お持ちですか?」
「あるよ」
私は残りのチエリ貝をマジックバックから取り出し、テーブルの上に置いた。
「こんなにたくさん・・・・」
ヘレンさんはチエリ貝をみて固まってしまった。
普通チエリ貝は片方、しかも割れているものが、砂浜にたまに打ちあがるらしいが、綺麗なので加工してアクセサリーとして人気だそうだ。
「どれも無傷で色もすばらしい淡いピンクです!」
ひとつひとつ手に取り確認をしているヘレンさんの頬が紅潮して、さらにテンションが上昇しているのがわかる。
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