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第12話 類友
ヘレンさん、私の目の前で言うセリフではないと思うのですが・・・。
隣のセドもヘレンさんを呆れて見ている、いや若干引いているかもしれない。
だけど私はヘレンさんの商売人としての腕は信用している。
付き合いは短いけれど、ヘレンさんはこの商品ならどこに売れば高く取引できるかわかっている人だと思う。
だってクラーケンとグロースシューレを真っ先に父上のところへ持っていく人だから。
ヘレンさんが落ち着いたところで私は口を開く。
「ヘレンさん、これでブローチか髪飾り作って貰えないかな」
「かしこまりました。腕利きの職人をご紹介します」
「デザインは可愛めで作って貰えると嬉しい」
「具体的にお渡しされるご令嬢の年齢を聞いてもよろしいですか?」
「11歳だよ。伯爵家の令嬢だ」
「ダルの婚約者だよ」セドが私の言葉につけ加える。
「それならばとびきり可愛いものを作らせますわ。お任せください」
「料金があまりかかるのは・・・・」
ヘレンさんはチエリ貝のアクセサリーはとても高価な物らしく、これだけの上物なら上位貴族の方のお買い上げで、完売するはずだから心配いりませんと言う。
「えっ、この貝が?」
「はい、これだけ綺麗な色合いだと最高ランクになりますから、料金を差し引いてもかなりの金額が手元に残りますよ」
あとヘレンさんから、たくさん市場に出すとチエリ貝の価値が下がるから、見つけてもしばらくは採らないほうがいいとアドバイスもくれた。
着実に開拓資金が溜まっているが、まだまだ足りないから、グロースシューレを頑張って探そう。
あと無人島で家を建ててくれる人が見つかったとのことで、明日魚やチエリ貝の買取手続きをする際に紹介してくれることになった。
今日の話は終わり、商業ギルドを出てそのまま白子熊の店にきた。
お店は昼食が終わり、夕食の仕込みをしていたようだ。
「アグネスさん、急に来てすみません」
アグネスさんが手を自分の首元付近で振る。
「いいですよ。ダニエル様たちは無人島にいるのだから、前もって連絡するのは難しいことを知っていますから」
「そう言ってもらえると助かる。以前お願いしていた料理なのだけれど・・・・」
「どんなお魚でしょうか。もしかして高級魚だったりします?」
「よくわからないけれど、商業ギルドでは高く買取してもらえるよ」
私の言葉でアグネスさんは早く見せてとは言わないけれど、ソワソワ?ウキウキ?体が揺れていた。
ヘレンさんの友だちだけある。
好きなことはとことん追求する人のようだ。
まさに類友だな。
お魚を入れる桶をヘレンさんが調理場から持ってきてくれたので、マジックバックから取り出し桶に入れる。
「まぁ、ブリーム、ハマー、カッツ、どれも高級魚で身には傷ひとつない。しかも大きく丸々としていてとても美味しそうだわ」
ヘレンさんは一匹一匹チェックし、いつまでに料理を用意したらいいですかと聞いてきた。
「明日も打ち合わせでこちらに泊まるので、明日の今ぐらいの時間にお邪魔してもいいですか?」
「それなら大丈夫ですよ。美味しい物たくさん作りますからりますから、楽しみにしていてくださいね」
また夜にも食べに来ると話して店を出た。
宿に戻っている途中で、騒ぎが起こっているところに出くわす。
「お前のスキルが獣語っていうから雇ったのに、全然馬たちが言うこと聞かねぇじゃねぇか!」
「俺のせいではない、あんたが勝手に動物と話せると勘違いしたんだ。それにこんなにこき使っていたら馬が言うことなんて聞かねぇよ」
「なんだと!」
「そうじゃねぇか、明らかに重たい荷物、許容オーバーなのに、馬に早く走れって言っても無理だ」
「お前は首だ、この役立たずめ!」
真っ赤な顔をして怒っている大人に向かって、僕たちと同年代の少年が言い合いをしていた。
確かに荷を付けられている馬にはたくさんの荷物が括りつけられていて苦しそうだった。
「辞めるのはいいが、働いた日数の金はくれ、もしかして踏み倒しか!」
大きな声で、しかも周りの野次馬に聞こえるように言ったので、さらに大人が怒りだす。
「誰が踏み倒すだと、ほれ金だ」
少年に向かってお金を投げ、そして馬を叩き去って行き、野次馬たちも散らばっていった。
お金を拾っていた少年が、怒りながらもお金を拾っていた。
「ちくしょー、やっぱ踏み倒していやがる、豪突ジジイだ」
お金を拾い終わると捨て台詞を吐いて、少年が去って行くのを見送りながらセドが私に話かけてくる。
「なんかすごいものを見たな」
「あぁ、でも獣語ってスキル聞いたことないね」
「ダル、自分とさっきの奴を重ねた?」
「ちょっとね。スキルのせいでいい仕事に就けないのかもと思ってしまった」
「スキルを活かせなくても、いい仕事についている人もいる。結局は本人がスキルに頼らず努力していたかではないか?」
「・・・・気にしてもしょうがないね。露店にいってお肉料理や店でパンを買おう」
隣のセドもヘレンさんを呆れて見ている、いや若干引いているかもしれない。
だけど私はヘレンさんの商売人としての腕は信用している。
付き合いは短いけれど、ヘレンさんはこの商品ならどこに売れば高く取引できるかわかっている人だと思う。
だってクラーケンとグロースシューレを真っ先に父上のところへ持っていく人だから。
ヘレンさんが落ち着いたところで私は口を開く。
「ヘレンさん、これでブローチか髪飾り作って貰えないかな」
「かしこまりました。腕利きの職人をご紹介します」
「デザインは可愛めで作って貰えると嬉しい」
「具体的にお渡しされるご令嬢の年齢を聞いてもよろしいですか?」
「11歳だよ。伯爵家の令嬢だ」
「ダルの婚約者だよ」セドが私の言葉につけ加える。
「それならばとびきり可愛いものを作らせますわ。お任せください」
「料金があまりかかるのは・・・・」
ヘレンさんはチエリ貝のアクセサリーはとても高価な物らしく、これだけの上物なら上位貴族の方のお買い上げで、完売するはずだから心配いりませんと言う。
「えっ、この貝が?」
「はい、これだけ綺麗な色合いだと最高ランクになりますから、料金を差し引いてもかなりの金額が手元に残りますよ」
あとヘレンさんから、たくさん市場に出すとチエリ貝の価値が下がるから、見つけてもしばらくは採らないほうがいいとアドバイスもくれた。
着実に開拓資金が溜まっているが、まだまだ足りないから、グロースシューレを頑張って探そう。
あと無人島で家を建ててくれる人が見つかったとのことで、明日魚やチエリ貝の買取手続きをする際に紹介してくれることになった。
今日の話は終わり、商業ギルドを出てそのまま白子熊の店にきた。
お店は昼食が終わり、夕食の仕込みをしていたようだ。
「アグネスさん、急に来てすみません」
アグネスさんが手を自分の首元付近で振る。
「いいですよ。ダニエル様たちは無人島にいるのだから、前もって連絡するのは難しいことを知っていますから」
「そう言ってもらえると助かる。以前お願いしていた料理なのだけれど・・・・」
「どんなお魚でしょうか。もしかして高級魚だったりします?」
「よくわからないけれど、商業ギルドでは高く買取してもらえるよ」
私の言葉でアグネスさんは早く見せてとは言わないけれど、ソワソワ?ウキウキ?体が揺れていた。
ヘレンさんの友だちだけある。
好きなことはとことん追求する人のようだ。
まさに類友だな。
お魚を入れる桶をヘレンさんが調理場から持ってきてくれたので、マジックバックから取り出し桶に入れる。
「まぁ、ブリーム、ハマー、カッツ、どれも高級魚で身には傷ひとつない。しかも大きく丸々としていてとても美味しそうだわ」
ヘレンさんは一匹一匹チェックし、いつまでに料理を用意したらいいですかと聞いてきた。
「明日も打ち合わせでこちらに泊まるので、明日の今ぐらいの時間にお邪魔してもいいですか?」
「それなら大丈夫ですよ。美味しい物たくさん作りますからりますから、楽しみにしていてくださいね」
また夜にも食べに来ると話して店を出た。
宿に戻っている途中で、騒ぎが起こっているところに出くわす。
「お前のスキルが獣語っていうから雇ったのに、全然馬たちが言うこと聞かねぇじゃねぇか!」
「俺のせいではない、あんたが勝手に動物と話せると勘違いしたんだ。それにこんなにこき使っていたら馬が言うことなんて聞かねぇよ」
「なんだと!」
「そうじゃねぇか、明らかに重たい荷物、許容オーバーなのに、馬に早く走れって言っても無理だ」
「お前は首だ、この役立たずめ!」
真っ赤な顔をして怒っている大人に向かって、僕たちと同年代の少年が言い合いをしていた。
確かに荷を付けられている馬にはたくさんの荷物が括りつけられていて苦しそうだった。
「辞めるのはいいが、働いた日数の金はくれ、もしかして踏み倒しか!」
大きな声で、しかも周りの野次馬に聞こえるように言ったので、さらに大人が怒りだす。
「誰が踏み倒すだと、ほれ金だ」
少年に向かってお金を投げ、そして馬を叩き去って行き、野次馬たちも散らばっていった。
お金を拾っていた少年が、怒りながらもお金を拾っていた。
「ちくしょー、やっぱ踏み倒していやがる、豪突ジジイだ」
お金を拾い終わると捨て台詞を吐いて、少年が去って行くのを見送りながらセドが私に話かけてくる。
「なんかすごいものを見たな」
「あぁ、でも獣語ってスキル聞いたことないね」
「ダル、自分とさっきの奴を重ねた?」
「ちょっとね。スキルのせいでいい仕事に就けないのかもと思ってしまった」
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