私の日常-それぞれの-

林原なぎさ

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愛歌から見たお話

ちょろい

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歩が妊娠した事で結婚すると言い出したらしい西園寺先輩。


歩の妊娠は間違いなく、西園寺先輩の確信犯だ。

コンドームを着けてくれないと、歩も言っていたのだ。


間違いない。



まぁ丸く収まり、私だけじゃなくて湊音もなんだかんだ安心したのだ。





彼氏もゲットし、私のプライベートも順調だ。



しかし夏になる、梅雨の季節。

付き合っていた彼氏が浮気していた事が判明し、ソッコーで別れた。


こんなじめじめした季節に、気持ちまでじめじめさせられるなんて、たまったもんじゃ無い。


湊音とふたりで、歩と西園寺先輩の住まうお宅へ遊びに行き、別れた事を伝えるも。


「また?」


湊音に興味無い、とばっさり切り捨てられた。


くっそ~。なんて冷たい奴なんだ。


若干いじけたが、私の長所であるポジティブシンキングの精神で乗り切った。




夏真っ盛りの蝉の鳴く声が響く8月。


「という訳で、愛歌もお祭りに行ってくれる?」


暇そうにしているのって、愛歌しか思い浮かばなくて。


最後のは要らない。

酷い!と伝えてもこの友人は、そうかなぁ?という反応だ。


こんな反応には慣れているし、せっかくのお誘いだ。

行く!と返事した。




当日の早い待ち合わせに疑問に思ったが、サロンをわざわざ予約していた事が判明。



髪のアレンジに着付けまでして頂けて、鏡に映る自分を見るが、なかなかイケてると自画自賛。

深緑色の大柄な百合の花の浴衣に焦げ茶帯。

髪には小さなパールを指して、全体的に上品な仕上がりだ。


対する歩は、藤の花をモチーフに白地の浴衣に黒紫色の帯。

髪型はお揃いで、同じくパールを指しているが、歩の顔立ちのせいか清楚で可憐な印象だ。





待ち合わせだという境内に着いた、は良いが。


「ね!一緒にお祭り行こうよ!」


「俺ら、もっと良い場所知ってるしさぁ。」


イケメンでも無い大学生に捕まった。

さっきから断っているのにしつこい!



「その子も一緒でいいからさぁ。」


イラッとした私は。


「旦那と子どもと待ち合わせなの!」


私じゃなくて、歩がね。


もちろん心の中で叫ぶ。


お呼びじゃないのよ!と手を振り払った。


しかしこの大学生から嘘だと笑われ、私も冷静になった。


まだ若いと判断される年齢の私達が結婚しているとは露ほども思わない様だ。


そうだよねぇ。

歩がまさかの人妻で子持ちだと…思う訳無い筈だわ。



マズイ。どうやって断ろう?

そう思った私の視界には西園寺先輩や宮園先輩の姿が。


絶妙なタイミングで現れ、絡んで来た大学生は西園寺先輩のドスの効いた声とオーラに逃げて行った。

宮園先輩は楽しそうに眺めていた。



歩は危機感が無い様で、居なくなったねぇ、と呑気だ。



先程までの不機嫌な態度から急に機嫌良くなった西園寺先輩に思わず視線をやる。


それを見ていた宮園先輩から。


「歩ちゃんにさ、言ってもらったんだよね。」


笑いを抑えきれないご様子で。


「'大好き'って言って抱き着くと良いよって。」


そしたら、秀一の奴…ぷっ。

あいつまじで歩ちゃんの事になると、ちょろ過ぎだろ。


宮園先輩は、お腹を抱えて笑い出した。


それで機嫌が良いのかと私も納得した。




西園寺先輩は歩の事に関するとちょろい。

それは私も同意見だ。





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