50 / 50
過去のお話 -夫婦編-
あの後(後編)
しおりを挟む車の中で秀一さんに抱き締めてもらい、安心したあの日の事は忘れないだろう。
ひとしきり秀一さんに甘やかされた私は身体を離し、助手席におとなしく座る。
次の秀一さんの行動は素早かった。
スマホを出したかと思えば、私の母に電話を掛け、縁をそのまま一晩預かってもらえる様にお願いした。
もちろんよ!という母の声が聞こえた。
次に電話を掛けた先は、お義母さんで、碧と遼哉を…以下同文。
「大歓迎よ!今から迎えに行くわね!」
すんなり了承した。
最後に、碧に電話を掛け。
「今日はおばあちゃんのお家にお泊りだ。明日迎えに行くから、それまで良い子にしてるんだぞ。」
素早く伝え、電話を切った。
一連の流れにぽかんと口を開けながら、事の流れを見ていた。
「久しぶりなんだ。ふたりっきりで過ごすのも良いだろう。」
秀一さんの我儘だが、ふたりっきりになるのは縁を出産する前以来だ。
久しぶりに夫婦で過ごすのも良いかもしれない、と結局私も同意した。
久しぶりのデートに楽しいと感じたのは多分、私だけじゃくて、和かに笑い掛けてくれる秀一さんもきっとそうだと思った。
夜、ベッドの上で秀一さんとキスを交わす。
秀一さんとは1週間振りの再会だ。
そして子供達のいない今…何も気にする必要が無い。
秀一さんの手つきはいやらしく、私の身体のラインに沿って触れられる。
いつもなら恥ずかしい気持ちの方が強いが、今日は違う。
今すぐ抱いて欲しい。
いつもとは違う反応を見せる私に秀一さんは気付いてか、私の口の中に舌を差し入れ、しゃぶり尽くす様な荒々しいキスをする。
「んんっ…。」
気持ちよくて、甘えたようないやらしい声が思わず漏れ出てしまう。
秀一さんからの愛撫は止まらず、私の身体はもう溶けきっていて…身体が秀一さんを求め、早く秀一さんに抱かれたくて疼いている。
そんな私に秀一さんも気付いて、どうしてほしい?と問いかけてきた。
そんなの答えは決まっていて。
「…大好きだから…抱いて、欲しい…です。」
恥ずかしくて言えない様な台詞をすんなり言った私に秀一さんは驚いた顔を見せ、固まった。
「中に…くだ、さい…。」
早くひとつになりたくて、恥ずかしいコトを口走っている自覚も有る。
だけど、動く気配の無い秀一さんに私の方が我慢出来なくて。
「秀一さんっ…大好き、です…っ。」
両手で秀一さんの身体に手を伸ばした。
「歩っ…。」
苛立った様な秀一さんの声が聞こえた直後、少し乱暴に私の両脚は掴まれ…望んだ秀一さん自身が私の中に入ってきた。
気持ちいい。
大好き、このままめちゃくちゃにされたい。
秀一さんの身体に必死にしがみ付き、望んだ快楽に身を委ねた。
中に熱い精を放たれた私は気持ちよくて、秀一さんに抱いてもらえ、満足した。
が、秀一さんは再び腰を浮かせた。
え、嘘?
驚く私とは反対に。
「…終わるわけないだろ。俺が満足するまで、付き合ってもらうからな。」
秀一さんのその言葉通り、秀一さんの瞳にはまだ欲情の色が残り、秀一さんのそれも元気なままだ。
「誘ってきたのは歩なんだ。」
歩が悪い。
なんとも理不尽な言われ様に、私は翌朝まで秀一さんに抱き潰される事になったのだった。
-おしまい-
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる
九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。
※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
いま一番更新を楽しみにしている作品でした。秀一さんsideを期待していましたが終わってしまったのですね…。残念ですがステキな作品ありがとうございました✨
そう言って頂けて、とても嬉しいです。
ありがとうございます!
秀一からの視点は反響があれば書こうと考えていて、今はまだ未定です。
-それぞれの-を今は更新中ですので、引き続き宜しくお願い致します。
楽しみに読ませてもらってます。
秀一さんが歩ちゃんをどう思ってるのかの話を読んでみたいなと思って楽しみにしてます。
楽しみにして頂きとっても嬉しいです!
ありがとうございます。
そうですね。反響があった場合には…秀一からの視点を書こうか考えていて、今はまだ迷い中です。
今は-それぞれの-を読んで頂きたいと思っています!
これからも宜しくお願い致します。
隠れ溺愛型の秀一さんとちょっと鈍い?鈍感?な歩さんのほのぼのな日常を毎回楽しく読ませて貰ってます。前回完結っぽかったので残念に思っていたら、過去編がーで楽しみが増えました!ありがとうございます。
ありがとうございます。
楽しみに読んで頂き、私自身も更新する楽しみが増えました。
返信機能があることに今日ようやく気付き、返信させて頂きました。
これからも歩と秀一、その他のキャラクターを宜しくお願い致します!