【誰も知らない拳で、世界をひっくり返す――最底辺高校生、無双ランクアップ物語】

あめかわしげる

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第5章「新たな戦士たち」

第7話「暗闇の先に」

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蓮はついに、次の試練に挑む時が来た。
闇の闘技場で数々の試合を乗り越え、
その実力を証明してきたが、
今回の相手はこれまでの試合とは全く異なっていた。

「次の相手は、どんな戦い方をしてくるんだ？」

蓮は黒岩亮に問いかけながら、その目を真剣に向けた。
これまでの試合は力と戦術で何とか乗り越えてきたが、
次はもっと深い闇が待っていることを感じていた。

黒岩は静かに答えた。

「相手の名は、
　『久保田浩一（くぼたこういち）』。
　彼は戦闘のプロフェッショナルだ。
　力だけでは決して勝てない」

その言葉に、蓮は一瞬、背筋が冷たくなるのを感じた。
プロフェッショナル――
その言葉が示す意味は明確だった。
これまでの試合のように単純な力比べではない。
戦術と経験、そして冷静さが求められる戦いが待っている。

「プロフェッショナルか…」

蓮はその言葉を心の中で反芻しながら、
試合の準備を整えた。

⸻

試合の時間が迫る中、
蓮は闇の闘技場のアリーナに足を踏み入れる。
その空気には、今まで以上の緊張感が漂っていた。
リングに上がると、
周りの観客たちの声が一層大きくなり、
そのプレッシャーを感じずにはいられなかった。

「お前が、神崎蓮か？」

その声に蓮は振り返った。
目の前には、長身で筋肉質な男が立っていた。
その顔に見覚えはなかったが、その目には鋭い光が宿っていた。

「久保田浩一か」

蓮は静かにその名前を口にした。
久保田は冷徹に微笑み、蓮を見下ろすように言った。

「お前、かなりやると聞いたが、
　俺のような相手にどれだけ通用するか、見物だな」

その冷ややかな言葉に、
蓮は少しだけ腹が立ったが、
それを表に出さずに答えた。

「俺は、必ずお前を倒す」

久保田はその言葉を聞いて、
少しだけ驚いたような表情を浮かべたが、
すぐに冷徹な顔に戻り、
蓮を睨みつけた。

「言うだけなら誰でもできる。
　それを証明してみろ」

⸻

アナウンスが響き渡り、
「試合開始！」の声が闇の闘技場に響く。
その瞬間、蓮は冷静に構えを取ると、
久保田が動き出すのを待った。

久保田は、まるで蓮の動きを予測しているかのように、
無駄な動き一つせず、
ゆっくりと蓮に接近してきた。
その動きには、まるで余裕が感じられなかった。

「――っ！」

その瞬間、久保田が一気に蓮に向かって突進してきた。
蓮はその動きを見逃すことなく、
すぐに反応したが、久保田の動きは素早く、
その拳が蓮の顔をかすめる。

「くっ！」

蓮はその一撃を避けながらも、
すぐに反撃をしようとしたが、
久保田はすでに次の攻撃を繰り出していた。

「遅い」

久保田は冷静に言うと、
蓮の反撃を簡単にかわし、
その腕で蓮の体を押さえつけようとした。

「――っ！」

蓮はその腕をかわし、
再び距離を取る。

「こいつ、
　思った以上に手強い」

蓮はその言葉を心の中でつぶやきながら、
次の手を考えた。
久保田の動きは、どこか計算されているようで、
その攻撃に隙がない。

「――っ！」

その瞬間、蓮は再度久保田に向かって走り出す。
その動きには、これまでの戦いで学んだことが活かされていた。
だが、久保田はその一撃を軽く避け、
そのまま蓮の背後に回り込んで、
蓮の肩を掴んだ。

「――っ！」

その力に蓮は一瞬体を崩されそうになるが、
すぐに冷静さを取り戻し、
その足元を狙って蹴りを放つ。

「くっ！」

久保田はその蹴りを受け、少し後退するが、
すぐにまたその場で冷静に立ち直り、
再び蓮に向かって攻撃を仕掛けてきた。

⸻

「お前、なかなかやるな」

久保田はその言葉を呟きながらも、
蓮の動きに興味深げに目を向けていた。

「でも、まだ俺の領域には届かない」

その言葉に、蓮はただ一言、
「それはどうだろう」と答える。

⸻

次の瞬間、蓮は自分の体を再び引き締め、
一気に反撃に転じた。

「――っ！」

その瞬間、
蓮の拳が久保田の顔に直撃し、
久保田はその衝撃に少し後退する。
その隙に、蓮はさらに攻撃を繰り出すが、
久保田はそれを見事にかわしてみせた。

「――まだ終わらない！」

蓮はその一言とともに、
再び久保田に向かって突進する。
その時、蓮は何かに気づいた。

（この戦い、
　ただ力ではなく、
　心と心のぶつかり合いだ）

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