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32 幽霊とおじさんのベッドでエッチ。

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「ふぇん……ぁんっ……」
 イったというのにカーテンのなかに埋もれている俺のお尻は攻められつづける。カーテンを手繰り寄せて「ぷはっ」と顔を出した俺は、なんとか立ち上がろうとおじさんのベッドのフレームを掴んだ。

「いてっ、いてっ。ぃあんっ。ゆうくん、俺、膝いたいってば」
 首を捩じって後ろを見るとうっすら透けたゆうくんが腰を振っている。なんかさらに存在が濃くなってきてないか? カーテンは半分ほどレールから千切れていて宙ぶらりんに落ちていた。最悪だ、コレ、絶対に明日病院のひとに怒られる。でもギリギリ哲也くんからはこちらが見えないのでほっとした。

「うわっ⁉」
 膝が痛いって文句を云ったせいか、ふいに持ち上げられた右膝がおじさんのベッドの上に乗せられた。左の脚はまっすぐ床に伸びたままだ。このポーズ、なんかはずかしいんですけど!

「あん、あん、あん」
(でも気持ちいいよぉ…‥。あ、声おさえなきゃ……、あん)

 そのカッコウでふたたびお臍の下の大好きなスポットをズンズン攻められて、俺はお腹のなかをきゅんきゅんさせながらうっとりした。足の裏にじりじり快感がくすぶりはじめると、おじさんのベッドに体重を預けて左の足の指先で床を掻く。

 いい。とってもいい。だらしなく口をあけて、声を出さないように気をつけて喘いだ。零れた唾液で次第におじさんの布団がべとべとになっていく。

 俺のムスコはベッドマッドのへりに、胸は布団にぴったりくっついている。それでも体積のないゆうくんの手はどちらにも上手に愛撫を与えてくれるんだ。

(あ…‥、あぁ…‥、すごくいいよぉ……)
 なんかもうゆうくんがいてくれないと今後の性生活に支障をきたしそうだ。やばい。お尻、クセになる。ってか、もうなっている? 

 ベッドマットに押しつけられていた股間はまた復活して、これ以上にないくらいに張りつめてきていた。苦痛を感じてすこし腰を浮かしたら、そのタイミングを狙っていたかのようにしてゆうくんに左脚までベッドの上に乗せあげられた。両膝をダブリューの形に曲げられ腰を高く持ち上げられる。

「ああんっ!」
 胸はぺったり布団につけていた。だからめいいっぱい拡げた尻を高くつきあげるという、本当に変態じみた格好をとらされていて、頭のなかがどひゃーってなる。でも恥ずかしさにも引けをとらない快感とドキドキに俺の身体はますます熱くなっていき――、っていうか、このお尻を思い切り開くという開放感と、相手にそんなところを曝しているという羞恥がますます身体を興奮させていってるのだ。

「あぁんっ、ゆうくん、いいっ、いいっ、そこっ、やぁん」
 俺もちゃっかりと腰を振り、ゆうくんのソレの当たり具合によっては前のめりに身体を逃がしたりもして。気づけば布団越しにおじさんのお腹にすがりついている状態だった。俺の屹立からしたたり落ちた体液で、おじさんの布団のシーツはところどころ濡れて冷たくなっている。それってヤバい。

「ぅうんっ、だめぇ、俺いっぱい零しちゃってるぅっ! ゆうくん、シーツ汚れてるっ……からぁ! あんっ、んんっ、いいーっ」

 静かな夜の病室にはベッドの揺れるギシギシって音と、ベッドマッドの弾む音が響いていた。体液が零れないように鈴口を塞ごうと当てた俺の手が思惑とは反対に自分のそこを撫でさすりはじめると、ヌチャヌチャという水音がそれに加わった。竿の部分はずっとゆうくんが擦ってくれている。

 もうどこもかしこもよすぎて、頭が破裂しそうだった。いっぱいいっぱいになった俺は、だから病室のドアが開いた音も、だれかがあげた唸り声もまったく耳に入っていなくって――、

「ふっ、ふっ、ふじもりぃぃ⁉ おっ、おっ、お前、なにしてるんだぁだーっ!」

 突然現れた美濃が慌てふためきながら俺に近づいたことも、その瞬間彼が見えない力に跳ね返されて吹っ飛んだことも、はっきりと認識できなかった。背中からしたたかに壁にぶつかって「いってーっ」と美濃が悲鳴をあげたのも、誰かが「ゲホッゲホッ」と痰が絡んだような咳をしているのも、霞の向こう側の出来事だ。

(もうイちゃう。もう出ちゃうっ)

 クライマックスを迎える寸前に、布団を汚さないようにとなけなしの力を振り絞って気持ち腰を浮かせた俺は、そのままゆうくんにくるんとひっくり返されて仰向けになった。脚を抱えられて高くひっぱりあげられ、頭と肩甲骨くらいしか布団についていない状態になる。

 目のまえには中腰で俺の姿を見つめながら腰をふるゆうくんがいる。彼も限界のようだった。いっそう激しく彼のモノを出しれされると、俺のムスコもビュクビュク先走りを飛ばしはじめ…‥。

「ああっ、あああああああー」
「なっ、なっ」

 俺が背中を反らしてまき散らした体液は、大きく弧を描いて俺の腹と胸とそしておじさんの坊主頭に飛び散った。つるりとした頭からおでこへと白濁がトロッとしたたっていく。

「――っ! って!? へっ?」
(おじさんの顔が逆さまに見える、なぜに?)
 いつのまにかおじさんはベッドのうえで上体を起こしていた。

「なっ、なっ」
「は? あれ?」
 当然消えたゆうくんのせいで脚がバタッとおじさんの上に落ちる。
「ぐぇっ⁉」
 しばらく悶絶していたおじさんはつぎに顔をあげたときには、恐ろしい形相をしていた。

(ヒィィッ)
 
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