貧乏貴族は婿入りしたい!

おもちDX

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感謝の番外編

1.アヴェンティーノ伯爵家の未来

いつもありがとうございます!
読んでいただいた読者さまへ深い感謝を。
番外編は3話完結です。楽しんでいただけますように!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ジューノは微睡んでいた。

お腹の上に温かい重みを感じる。この重さは……トゥーノの方だな。甘えたがりのトゥーノは、眠くなるとおれを探してくっついてくる。
その高い体温にほっこり、また夢の世界に飛び込もうとしたとき――トトトト……どすんっ。

「ゔッ」

もうひとつ、トゥーノよりひと回り大きな身体が乗っかってきた。ティティ、君まで乗ったら寝られないよぉ……

一年半とちょっと前、おれは双子の男の子を出産した。一足先に生まれたのがユースティス。ティティと呼んでいておれにそっくりの顔をしている。けれど、かなり成長が早く身体も大きい。将来はマウォルス様のような立派な体躯になりそうだ。
 
ティティに続いて生まれてきたのがフォルトゥーノ。トゥーノはマウォルス様に似た顔立ちだけど、小柄でまだ言葉も少ない。甘えん坊で、小さいマウォルス様みたいだからおれはトゥーノにめろめろだ。
 
もちろんティティも可愛いし大好きだけれど、お兄ちゃんの自覚があるのかティティも一緒になってトゥーノを可愛がっている。
 
双子だけど全然似ていない。でもとっても仲良しで、言葉がなくとも二人は意思疎通しているように感じることが多くある。お腹の中から一緒だったもんなぁ。そういうものなのかな?

結局うたた寝から引き戻されたまま、目を閉じて考え事をしていると、帰ってきた気配がしなかったのに愛しい人の声が聞こえてきた。

「……天使だ……」

感動してつい溢れ出てしまったような言葉。
わかるわかる。おれたちの子ってなんでこんなに可愛いんだろ? 天使と見紛うほど、毎日可愛いくて尊いを更新している。
 
そりゃ初めての子育て、しかもいきなり二人は大変だけど……楽しそうにふくふく笑う顔。安心して眠る顔を見ていると、この子たちに出会うためおれは生まれてきたのかなぁ。なんてしみじみ思うのだ。

お腹の上から重みがひょいっ。ひょいっと無くなって、一瞬だけど寒気がする。
しかしつぎの瞬間、それを忘れさせるくらい温かい、大きな身体にぎゅうっと抱き締められた。

「可愛すぎる……」
「えっ。おれ?」

ふいうちに素で聞き返してしまった。ぱちりと目を開くと、金色の鬣のような髪がふわふわ首元に埋まっている。

「ひゃ、あっ」
「!!」

くすぐったくて変な声がでてしまう。

子どもたちの自我が芽生え始めたころから、マウォルス様は子どもに対抗するように甘えてくることがたまにあった。あまりそういった面は見せない人だから、なんだか可愛くて、おれは嬉しい。
 
十も歳上なのに、マウォルス様もまるで大きな子どもみたいだ。

「……寝台へ」

前言撤回。
軽々と抱き上げて腰に手を添えられると、びくっと身体が震えた。昨晩の快感の記憶が、まだ……肌に残っている。

何度肌を重ねても、何年経っても、おれはマウォルス様に翻弄されてふにゃふにゃになってしまう。慣れるどころか、快感は増すばかり。
どこに触れられても気持ちいいなんて、とんだ淫乱だ。でもそれも、マウォルス様は喜んでくれるし……いっ、いいよね?
感想 2

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