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「無自覚も可愛いんだけどな? やっぱり心配だしな……」
「???」
「紗夜、アプリはおれが初めてだったんだろ? じゃないと処女だったわけないしな。 ゲイバーとか行ったことある?」
「あ、あるよ! でも、誰にも声かけられなかったし……」
「どうせ緊張して誰とも目を合わせられなかったんだろ? それでこんだけ美人なら近寄りがたいって。おれと会ったときは妙に慣れた雰囲気出してたけど、触ると反応はウブで可愛いしさぁ……」
ゲイバーでの出会いはアイコンタクトから始まることが多いようだ。
俺はあのときガチガチに緊張して、グラスの酒しか見ていなかった。だからこそ声を掛けられなかったみたいだ。あと、隣の席に人が来たのにビビって滞在時間も短かったかも。
美人と言われてもピンと来ないが、他の男と出会う前に純希に会えたのだから結果オーライだ。
むしろ純希が俺に独占されてくれるという事実に気づき、歓喜で心が震えた。両手を純希の背中に回し、自分からもキュッと抱きしめてみる。俺よりも広い背中だ。
「純希も俺の……ってことだよな?」
「そうだよ」
勘違いの失恋で空虚だった身体が幸福感でいっぱいになる。香水など使っていない清潔な純希の匂いに包まれて、トクトクと鼓動の高鳴りを感じる。
「紗夜」
「んっ」
名前を呼ばれて顔を上げれば、柔らかく唇が重なった。さっきみたいに強引でも、ホテルみたいに性急でもない。
唇の表面同士をくっつけ合って、何度も何度も重ねる。そんな初めてみたいなキスが恥ずかしくて、嬉しい。
ぶつかりそうでぶつからない鼻を擦りつけ合って、くすくす笑いを零してしまう。こんな幸せなキス、あったんだ……
「あっ……」
唇の隙間を舌で辿られただけで声が出てしまった。同時に、純希の手が俺のスウェットの隙間から侵入してくる。腰を撫で、自然と下りた手は下着越しに俺の尻を撫でてきた。
「あぁっ……ま、んんっ……待って!」
「なんで?」
俺が制止の声を上げると、不服そうに純希が動きを止める。
いやまあ、完全にそういう雰囲気なんですけれども……ここで大問題に気づいてしまったのだ。
「シャワーさせて。いきなりは……ちょっと……」
「んー、でもおれ、紗夜さんの匂いいっぱい嗅ぎたい……」
「ひぁっ。だ、駄目だ! その、衛生的に……!」
純希の高い鼻梁が、俺の首筋にすり寄ってくる。首元の弱い俺は小さく悲鳴を上げて、尻で後ずさりながら純希から遠ざかった。
これまではセックスする前提で会っていたから、準備もできていたのだ。洗浄して、ローションで拡げて……しっかりやろうとすると三十分はかかってしまう。これでも慣れた方だ。
純希には申し訳ないけれど、これはセーフティセックスの大事な前提である。特に純希のはデカい(当社比)から、うっかりすると血塗れセックスになりかねない。久しぶりだし。
「……わかった。でも洗浄だけでいいからな? おれだって紗夜の身体準備したい」
「え、ええ~~……楽しくないよ? 時間かかるし」
「楽しいか楽しくないかはおれが決めるから」
そう言うならそうするしかないんだろう。でも恥ずかしい。ふて腐れた顔をしていると、近寄ってきた純希にちゅっと額へキスされる。
たちまち「まあこいつが望んでいるならいいか……」と絆されてしまって、惚れた弱みを実感した。あとシンプルに顔が良すぎ。
「十五分で戻ってきてね。おれはシャワー浴びてきたから」
「えーっと、ゴムを買ってきたりとかは……」
「持ってきた。ほら、早く。あと十分!」
「えー! そんな横暴な……」
無情な時間制限を設けられ、ワンチャン純希を買い物に出かけさせられないかと思ったが、抜かりなく準備してきたらしい。なんか悔しい。
十五分で、どこまでできるか、俺……!?
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