出戻り国家錬金術師は村でスローライフを送りたい

新川キナ

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025:あれ、忙しい。だと!

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 雪景色の中を難儀しながら歩く。向かうは行商人がいる宿屋だ。彼らはどんな悪天候でも町と村を行き来する商魂たくましい人種だ。もちろん。過酷な思いをしている分。料金は割増だが、購入する価値はある。特にお客様からの注文ならばなおさらだ。確実に売買できるからな。

 到着したと同時に宿の人に行商人が居ないかを尋ねる。すると一人いるとの事だ。良しツイてる!。

 さっそく呼んでもらうと直ぐに部屋から出てきた。

「ご注文ですか?」

 うん。話が早くて助かる。

「そうです。錬金素材やアイテムを幾つか欲しくて」

 すると商人の目が光った。

「ほぉ。それはまた……」

 かなりの高額の売買になる。商人にとっては稼ぎ時だろう。そりゃ目だって光る。

「まずは魔紙。魔筆。魔法のインク」

 行商人が紙に書き付けていく。

「それらの品質は如何ようにしますか?」
「上から3つ目の普通の品質で揃えてほしいです。それ以下は駄目」
「量は?」
「そうですね。魔紙は最低でも10枚は欲しい。あれば20枚までなら買い取ります。魔筆は大中小と三種類を。魔法のインクは大金貨2枚分まで」

 俺はどんどん追加の注文をしていく。

「属性の魔石を各種小さいのでいいので5つづつ購入してきてほしいです」

 そこまで聞いて商人の顔が引きつり出す。

「他にもあって、そうですね岩塩を──」
「ちょ、ちょちょっと待ってください」

 そう言って俺の注文をストップした。どうしたんだ?

「物の大きさは小物ですが、かなりの値段になります。大丈夫なんですか?」
「これが半金です」

 そう言って今までの稼ぎをドンッと置く。

 商人がそれを1枚1枚確かめて納得してくれた。

「確かに」

 その後も俺はいろんな素材を追加注文していくのだった。すると商人がポツリと言った。

「う~ん。こうやって行商人をしていると魔法のカバンが欲しくなりますね」

 さもありなん。魔法のカバンとはカバンの見た目以上の量の物を出し入れできるカバンのことだ。カバンによっては入れた物の重量を軽減したり、時の加速を遅くしたりと効用は様々だ。とある領主一族と賢者の塔によってほぼほぼ独占販売されている。作り方は公開されているが創作難易度が桁外れに高いのだ。

 その領主一族でも賢者の塔でも、なかなか作れる人がいない品らしく、需要に対して流通量が桁外れに低い。

 そのほとんどが国の軍で使用されているとか。一般の人に流れてくるのはボロボロになった品ばかり。それでも欲しい人が沢山いるのだから、その期待が、どれくらい高いかは言わずもがな。

 俺も、いずれは挑戦してみたい品だ。

 ってか挑戦しちゃうか?

 素材を購入する資金が厳しいか。厳しいな。次回にするか。よし。次回に挑戦しよう。とりあえずトイレ作りからだな。

 その合間に日用品を作って稼いでだな……

 あれ?

 田舎の生活って忙しくね?
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