59 / 61
059:全滅?
しおりを挟む
空中に投げ出されたのは一瞬だけだった。すぐにドプンと液体の中に落ちた感触が。ゴポゴポと不明瞭な音。上も下も分からない。体がキリモミしながら引っ掻き回される。
何がどうなっているのか。自分の状態がどうなっているのかさえ分からない。とにかく空気を。呼吸をしなくては!
「ごぼぼ!」
呼吸を吐き出すと泡が上へと登っていった。パニック状態の中。それでも目に入ったのは空気の泡。それが上を示してくれる。
あっちが上か。
泡が上った先を見ると、そこには明かりがあった。松明のオレンジ色の光だ。泳ごうと体を動かすが、ねっとりと体を覆う液体に阻まれて思うように体が動かない。
何だ?
何が、どうなって……!
天井にある松明に照らされた明かりのお陰で自分がどういう状態にあるのか分かった。
ブラックスライム!
どうやら俺は今。ブラックスライムに飲み込まれていたようだ。それも、ひと部屋分もある大きさのブラックスライムに!
最悪の状況だ。
他の皆は。オレは辺りを見回すと、そこには藻掻き足掻く皆の姿があった。
全滅の文字が頭に浮かぶ。
嘘だろ。
こんな所で終わるのか?
サリナの顔が浮かぶ。エステラに村の皆の顔も。走馬灯? 死?
い、嫌だ。死にたくない!
まだ、死にたくない。
始まったばかりじゃないか!
まだやりたい事が沢山ある!
夢だってあるんだ!
まだ、死ねない!
腕の中にあるのは魔導書が一冊。どうせこのままじゃ全滅だ。なら試そう。イチかバチかだ。
オレはブラックスライムの核へ向かって泳ぐ。そして最も近づいた所で魔導書を開く。腰に刺したスティックも取り出した。スティックで魔導書の魔法陣をなぞっていく。魔力が魔法陣に満たされる。使う魔法はファイアーボールだ。ブラックスライムの核は天井の松明の火に照らされてはっきりと見える。
食らいやがれ!
頭の中で発動のためのキーワードを詠唱する。
『圧縮されし炎よ、豪快に弾け全てを吹きとばせ! ファイアーボール』
言葉が喋れないためにスティックで任意の場所を指定した。
すると辺り一帯が光り輝いた。その光量にオレは目を閉じた。続いて体が吹き飛ばされる感触の後。意識が闇の中に飲み込まれたのだった。
何がどうなっているのか。自分の状態がどうなっているのかさえ分からない。とにかく空気を。呼吸をしなくては!
「ごぼぼ!」
呼吸を吐き出すと泡が上へと登っていった。パニック状態の中。それでも目に入ったのは空気の泡。それが上を示してくれる。
あっちが上か。
泡が上った先を見ると、そこには明かりがあった。松明のオレンジ色の光だ。泳ごうと体を動かすが、ねっとりと体を覆う液体に阻まれて思うように体が動かない。
何だ?
何が、どうなって……!
天井にある松明に照らされた明かりのお陰で自分がどういう状態にあるのか分かった。
ブラックスライム!
どうやら俺は今。ブラックスライムに飲み込まれていたようだ。それも、ひと部屋分もある大きさのブラックスライムに!
最悪の状況だ。
他の皆は。オレは辺りを見回すと、そこには藻掻き足掻く皆の姿があった。
全滅の文字が頭に浮かぶ。
嘘だろ。
こんな所で終わるのか?
サリナの顔が浮かぶ。エステラに村の皆の顔も。走馬灯? 死?
い、嫌だ。死にたくない!
まだ、死にたくない。
始まったばかりじゃないか!
まだやりたい事が沢山ある!
夢だってあるんだ!
まだ、死ねない!
腕の中にあるのは魔導書が一冊。どうせこのままじゃ全滅だ。なら試そう。イチかバチかだ。
オレはブラックスライムの核へ向かって泳ぐ。そして最も近づいた所で魔導書を開く。腰に刺したスティックも取り出した。スティックで魔導書の魔法陣をなぞっていく。魔力が魔法陣に満たされる。使う魔法はファイアーボールだ。ブラックスライムの核は天井の松明の火に照らされてはっきりと見える。
食らいやがれ!
頭の中で発動のためのキーワードを詠唱する。
『圧縮されし炎よ、豪快に弾け全てを吹きとばせ! ファイアーボール』
言葉が喋れないためにスティックで任意の場所を指定した。
すると辺り一帯が光り輝いた。その光量にオレは目を閉じた。続いて体が吹き飛ばされる感触の後。意識が闇の中に飲み込まれたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる