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018:シャッターチャンス
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さぁってっとぉ。羊皮紙作りをやるぞぉ!
そう意気込んで起きた私を持っていたのは、まずは朝食だった。近場にある絶対に閉まらない食堂で朝食を摂り、少し休憩してから作業に取り掛かった。
まずは水洗いだそうだ。昨日は付けただけだからな。さて録画をはじめよう。
「土やら木の葉やら。他にも……ダニやらノミやら皮に残った肉も全部洗い流せ。とにかくこの工程で、完全にとは言わないが、かなり時間を掛けて、ある程度やっておかないと後工程で困ったことになる」
「困ったこと?」
「あぁ。付着物が腐ったり革に染みができたりな。大変じゃが仕上がりの品質に差が出るので面倒臭くても頑張るのじゃ」
言われた通り作業を始める。最初こそ良かったが……だんだん地味に腰や腕の筋肉が、いだだだだ。
くぅ。この洗う作業を水が透明になるまで続けたのだが。
こ、これは大変な作業だ……
早朝から始めた作業は二時間ぐらい掛かってようやく終わった。
「ふひぃ」
「さて。水槽に水と消石灰を入れて、よく混ぜて白濁液を作るんじゃ」
「はい」
私はぐぅるぐぅると混ぜ棒で混ぜ始める。
「この消石灰には毛穴を緩めて毛を除去し、表面の必要な部分以外の組織を分解するために行う。ちなみに漬け込む際には毛が付いた方を上にして溶液に浸すんじゃ。そして一日に二、三回混ぜ棒で皮を動かし、かき混ぜる。これは反応に偏りを出さないためじゃ。怠るなよ? 付ける期間は季節によって違う。春の今の時期なら八日じゃな。ちなみに夏場なら三日から四日ほど。冬場は一六日ほどになる」
おおぅ。八日も漬け置き。それも一日に二、三回は混ぜないといけない。ということはその間はダンジョンにも入れないのか。
「開いた時間の多くは次の工程の準備。それから自分が使う魔法具の作成や整備などをやる感じじゃ」
道具の作製からか……先は長いな。そう思っていたら少し内情が違った。
「しかし最近は魔法具屋という物が出来ていて、道具を購入はできるがな」
「魔法具屋?」
「そうじゃ。魔法具ギルドに加入して扱えるようになるな。マジックスクロールで使う消費アイテムや道具。そしてマジックスクロールから魔導書まで売っておる」
「へぇ。具体的には何が売っているんですか?」
「例えば魔法のインクや魔筆じゃな。他にも彫刻刀だったり魔糸だったりと多岐にわたる。ただし品質は高くない。だいたい三級品ぐらいじゃな。一級品や特級品もあるにはあるが、そっちは値段が高すぎる。そこで自作じゃ。自作できるなら自作した方が良い。自分のためだけの道具はやっぱり違うぞ。ちなみに魔法具ギルドへはリサも加入してもらう。まぁ見習いとしてな。今日はこの後に魔法具屋の見学をしに行こうか。その後にギルドに寄って登録じゃ」
ふへぇ……
冒険者ギルドに魔法具ギルド。
加入するギルドはそれぐらいだけど、やることが多岐に渡るから、もう目がグルグルだよ。
そんな私の心情を読み取ったのか師匠。
「大変だと言ったじゃろ? じゃが出来て困ることはない。なんでも挑戦してみなさい。やって駄目なら別の方法を一緒に考えるから。そのための先達じゃ。師匠を顎で使いこなすぐらいになってみせろ。そうすれば儂は安心して逝ける」
そう言って笑ってみせた。なんか格好良いことを言われて悔しいから、私はその時の笑顔をデジカメで収めたのだった。
そう意気込んで起きた私を持っていたのは、まずは朝食だった。近場にある絶対に閉まらない食堂で朝食を摂り、少し休憩してから作業に取り掛かった。
まずは水洗いだそうだ。昨日は付けただけだからな。さて録画をはじめよう。
「土やら木の葉やら。他にも……ダニやらノミやら皮に残った肉も全部洗い流せ。とにかくこの工程で、完全にとは言わないが、かなり時間を掛けて、ある程度やっておかないと後工程で困ったことになる」
「困ったこと?」
「あぁ。付着物が腐ったり革に染みができたりな。大変じゃが仕上がりの品質に差が出るので面倒臭くても頑張るのじゃ」
言われた通り作業を始める。最初こそ良かったが……だんだん地味に腰や腕の筋肉が、いだだだだ。
くぅ。この洗う作業を水が透明になるまで続けたのだが。
こ、これは大変な作業だ……
早朝から始めた作業は二時間ぐらい掛かってようやく終わった。
「ふひぃ」
「さて。水槽に水と消石灰を入れて、よく混ぜて白濁液を作るんじゃ」
「はい」
私はぐぅるぐぅると混ぜ棒で混ぜ始める。
「この消石灰には毛穴を緩めて毛を除去し、表面の必要な部分以外の組織を分解するために行う。ちなみに漬け込む際には毛が付いた方を上にして溶液に浸すんじゃ。そして一日に二、三回混ぜ棒で皮を動かし、かき混ぜる。これは反応に偏りを出さないためじゃ。怠るなよ? 付ける期間は季節によって違う。春の今の時期なら八日じゃな。ちなみに夏場なら三日から四日ほど。冬場は一六日ほどになる」
おおぅ。八日も漬け置き。それも一日に二、三回は混ぜないといけない。ということはその間はダンジョンにも入れないのか。
「開いた時間の多くは次の工程の準備。それから自分が使う魔法具の作成や整備などをやる感じじゃ」
道具の作製からか……先は長いな。そう思っていたら少し内情が違った。
「しかし最近は魔法具屋という物が出来ていて、道具を購入はできるがな」
「魔法具屋?」
「そうじゃ。魔法具ギルドに加入して扱えるようになるな。マジックスクロールで使う消費アイテムや道具。そしてマジックスクロールから魔導書まで売っておる」
「へぇ。具体的には何が売っているんですか?」
「例えば魔法のインクや魔筆じゃな。他にも彫刻刀だったり魔糸だったりと多岐にわたる。ただし品質は高くない。だいたい三級品ぐらいじゃな。一級品や特級品もあるにはあるが、そっちは値段が高すぎる。そこで自作じゃ。自作できるなら自作した方が良い。自分のためだけの道具はやっぱり違うぞ。ちなみに魔法具ギルドへはリサも加入してもらう。まぁ見習いとしてな。今日はこの後に魔法具屋の見学をしに行こうか。その後にギルドに寄って登録じゃ」
ふへぇ……
冒険者ギルドに魔法具ギルド。
加入するギルドはそれぐらいだけど、やることが多岐に渡るから、もう目がグルグルだよ。
そんな私の心情を読み取ったのか師匠。
「大変だと言ったじゃろ? じゃが出来て困ることはない。なんでも挑戦してみなさい。やって駄目なら別の方法を一緒に考えるから。そのための先達じゃ。師匠を顎で使いこなすぐらいになってみせろ。そうすれば儂は安心して逝ける」
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