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4. 友情の絆
しおりを挟む小さなキャンプファイヤーが燃え、その暖かい光が二人の周りを照らしていた。星空が美しく広がり、夜の静けさが二人を包み込んでいる。
陽彩はしばらく黙っていたが、深いため息を一度ついたあと言葉を続けた。
「なんか。こんなこと誰にも言えなくて今まで来たけど・・・昴君には言える気がしちゃって・・こんな話突然されても困るよね。ごめんね。今の話忘れていいから」
陽彩が無理やりいつもの笑顔でその場を取り繕うとしているのが分かった。
『ポンっ』
昴は優しく手を伸ばし、陽彩の頭を撫でながら静かに話しかけた。
「陽彩?まず言いづらい話なのに教えてくれてありがとう。俺の事信頼してくれたから話してくれたんだよな?めちゃくちゃうれしいよ。」
陽彩はうつむいていた。
「俺でよければ手助けするし。とか簡単に言える内容じゃないから今すぐには解決できないかもしれないけどちょっとこれから検索したりして・・・まぁ、きっといつかその悩みがなくなるまで最後まで付き合ってやるから安心しな」
星空が広がる夜の下、陽彩ははうなずきながら昴の言葉に耳を傾けた。
頭を撫でられながら陽彩はどこかほぐれていくような感覚を覚えた。昴の手は優しく心の奥底にある不安を包み込むようだった。
「俺はお前の同期で仲間だし、辛いときは支え合える。・・・まぁ彼女じゃないからそー言う事をしてやれないけどなw」
昴は自分の気持ちを隠すように茶化しながら言った。
「そういう事・・・・・・?」
そう言う・・・・って。それはつまり・・・・アレなのか・・・・昴君が僕の体をそういう風に扱うという事・・・・
男同士のアレ・・・
ちょっとだけ想像してみたけど全然嫌悪感ない自分に気付いた。
え。ちょっとまって。僕ってもしかして女性より男性を・・・?
僕の頭を撫でてくれている昴君の顔を確認した。
「ん?どうした?」
優しく微笑んでくれる彼の笑顔に引き込まれた。その瞬間僕の心がざわめいた。彼の言葉や表情がキラキラと夜空の星のように輝くものに見えて心の中で何かが揺れ動いていた。
陽彩の目には少しずつ輝きが戻り昴に感謝の微笑みを返した。
「ありがとう。昴くんのおかげで心が軽くなった気がする。」
昴は撫でていた手を陽彩の肩に置き優しく包み込んだ。
「ふっ。小さい肩だな。」
「わ 悪かったな!ちびで!」
「いやwちびってwあのさ、こんなこと言うと引くかもしれないけどこんなに夜空が綺麗で開放的なんだ。言っちゃおうかなー」
「な、何だよ?こえーよ・・・・。早く言えよ!」
昴は下から陽彩の顔を覗き込んだ。
「お前可愛いよ」
「はあっ!!!!!!!!!!!」
あははは!と隣で笑い転げてるアラサーおっさんの事を愛おしく感じてしまっている僕がいる。
『何だよ。馬鹿にして。でも・・・可愛い・・か。不思議と嫌な気持ちじゃない。こんな気持ち初めてだな・・・何だろう。心地いい。安心する。そしてすごくドキドキする。いいな。この空気間。すごく好きだな』
ミニキャンプファイヤーの明かりが陽彩の目に映え、昴の言葉に穏やかな温もりを感じていた。
「陽彩の瞳に中に炎が映ってる。綺麗だな」
「もう。見ないで。恥ずかしいから」
「はーい。分かりました。可愛い可愛い陽彩君w」
「もう!本気でグーパンするよ?」
「あははwはいはい。ごめんなさいw」
「ありがとう。昴君に聞いてもらったら心が少し軽くなった気がする」
「うん。またこのことで行き詰ったらいつでも聞くから頼ってくれていいよ。ご遠慮なくどうぞ」
二人は顔を見合わせて笑い合った。
静かな夜を共にしながらキャンプファイヤーの光と星々の輝きの下で陽彩の心に新たな希望の光が灯り始めた。
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