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4、全力自己紹介・山田さんへの愛

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ロデューサーはサスケ君について、このように説明しました。

「サスケ君こと森本君は、大阪のオーディションには、よく見学に来てくれます。
参加者から刺激を受けるということです。
しかし、オーラがないというか、みなさんあまり気付いておられないですね」

その後、サスケ君は、テレビで見るのと変わらないさわやかな笑顔で、ぼくらに激励の言葉をかけてくれました。


続いて、プロデューサーはオーディションの選考方法について、説明します。

「まず、各自、カメラの前で、30秒の自己紹介をお願いします。
その後、腕立て伏せを100回してもらいます。

ちなみにですねー。
腕立て伏せとSASUKEは何の関係があるんだ?と、よくツイッターで叩かれています」

参加者は無言で聞いていると…

プロデューサーはこうつっこみます。
「今のとこ、笑うところですよ~?」

そして、参加者も笑みをこぼして、和やかな雰囲気になりました。

プロデューサーが言うところには、

腕立て伏せ100回は、できるかできないかが合格の判定基準ではない。

かつてオーディション参加者が本番で、そりたつ壁を登り切れず、諦めてしまう人がいた。

そういう絵面は求めていない。

諦めない気持ちをみたい!

とのことなのです。



そういった趣旨の説明を受けたあと、自己紹介の時間が始まります。

カメラマンが参加者の前に移動して、カメラを回します。

そして、30秒の自己紹介をするというのです。

これを参加者全員が行います。


自己紹介のトップバッターは、背の高く筋肉質な青年でした。

彼は、カメラが回るやいなや、
振り付けを交えながらこう叫びました。

「腹筋!背筋!ぼく○○!」

一瞬、空気が凍る会議室。しかし、彼はインパクトを残すという意味では正解でした。


その後も、個性的な面々の自己紹介は続きます。

スパイダーマンの服を着たUSJのスタントマン

毎朝20キロ走って、昼と夜はジムのプログラムをこなすパワフルな女性。

弟の結婚式を断ってまで、今回のオーディションに参加した人。

子供からの直筆メッセージが書かれたシャツを着ているお父さん。


そして、ぼくの自己紹介の時間がやってきました。

ぼくは、ここで、尊敬する山田勝己さんへの思いを熱く叫びました。

小学校の頃、グリーンスタジアム(現ほっともっとフィールド神戸)で、
大好きなSASUKEのヒーロー・山田勝己さんに会ったこと

ビールを売っていた山田さんに、ぼくは大興奮で近づいて握手をしてもらったこと

その後も山田さんへの愛はおさまらず、ついにグーグルマップのストリートビューを駆使して、加古川にある山田さんの練習場を探し出し、実際に訪れて対面したこと…

情熱が伝わったかはわかりませんが、とにかく叫びました。
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