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Scene.EX01 華沢香奈と俺のいない夜の屋上
第36話
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EX EPISODE 07
「噛まれちまった、ヤツらによ」
柔道男はカッコ良かった。
あの女子にしたことは許せないし、許すべきじゃないと思う。
僕だってお腹を殴られた。
あの時はとんでもないヤツだと思った。
だけど助けられた。
僕と香奈さんが生きてるのは間違いなく、彼が助けてくれたお陰だ。
彼は最後にズボンを脱いだ。
「餞別ってヤツだ」
僕は香奈さんにズボンを貸してる。
下半身ヌード、コートで隠してる状態。
柔道男は僕にズボンをくれるつもりらしい。
「ここから飛び降りたら、体もグシャグシャだよな。
なら、ヤツらの仲間にならずに済むな」
彼は屋上の外を見ながら言う。
「お前ら、俺が助けてやったんだ。
最後まで生き延びろよ」
彼はそのまま、金網の外にダイブして行った。
柔道男は本当にカッコ良かった。
僕と香奈さんは虚脱状態。
しばらく、そのまま金網の外をボーッと見ていた。
何と言うか、昨夜から今朝に掛けて起きてる事が多すぎて。
僕の精神の許容量を越えてる。
徐々に太陽が昇って、屋上が明るくなってくる。
僕はそんな光景をただボーっと眺めてた。
香奈さんはそんな僕に寄り添ってくれた。
そうだ。
朝になったら脱出方法を探ろうと思ってたんだ。
僕はやっと正気に戻る。
どこかに非常用ハシゴが無いか探す。
けど何処にも無い。
本来人が立ち入らない前提の場所だからか。
4階の教室に下りれば、緊急用脱出袋が有る。
袋を滑り降りて校庭に出られる。
校庭にパッと見たとこ、ゾンビはいない。
多分暗いところに隠れてる。
だけど鉄扉から階段を下りて行くのは無理なんだ。
鉄扉がたまに叩かれる。
ヤツらがいる。
校舎の中はうす暗い。
屋上の扉の外は窓も無い。
暗くてゾンビが好みそうな場所なんだ。
駄目だ。
脱出方法が無い。
香奈さんが言う。
「これを振れば、SOSだって誰か気付いてくれないかしら」
屋上校舎に取り付けられた旗、金色のモールが付いてる校旗。
何もしないよりいい。
その時だ。
金網に音がした。
これはロープ!?
鉤爪を括りつけたロープが金網に引っかかってる。
何処から?
これはいったい。
すぐに分かった。
ロープを登って人が現れる。
トレーニングウェアみたいな服装の少年。
何故か背中にメイド服を着た人を担いでる。
屋上の金網の先に人間が二人いる。
一瞬、メイド服に唖然としちゃったけど。
これは助けだ。
救助してくれるのかも。
とてもそうは見えないけど自衛隊の人?
「おーい、助けてください」
「助けて。私達この学校の生徒です」
僕も香奈さんも精一杯手を振る。
やった。
遂に助かったんだ。
「どうだ、生きてる人の気配がすると言った俺の勘に間違いなかったろ」
「フーン、それはそうですが。
駄目です。円花お嬢様はいません」
「チッ、外れかよ。
やっぱり七鮎川のお嬢様、もう死んでるか奴らの仲間入りしてるんじゃないの」
「そんな筈はありません。いいから次です、次の場所を探しなさい」
登って来た人が姿を消す。
ロープを伝って滑り降りて行った。
なんで。
なんで。
「ちょっと待って!」
「待ってください!」
僕らは取り残された。
そんな。
助かったと思ったのに。
「噛まれちまった、ヤツらによ」
柔道男はカッコ良かった。
あの女子にしたことは許せないし、許すべきじゃないと思う。
僕だってお腹を殴られた。
あの時はとんでもないヤツだと思った。
だけど助けられた。
僕と香奈さんが生きてるのは間違いなく、彼が助けてくれたお陰だ。
彼は最後にズボンを脱いだ。
「餞別ってヤツだ」
僕は香奈さんにズボンを貸してる。
下半身ヌード、コートで隠してる状態。
柔道男は僕にズボンをくれるつもりらしい。
「ここから飛び降りたら、体もグシャグシャだよな。
なら、ヤツらの仲間にならずに済むな」
彼は屋上の外を見ながら言う。
「お前ら、俺が助けてやったんだ。
最後まで生き延びろよ」
彼はそのまま、金網の外にダイブして行った。
柔道男は本当にカッコ良かった。
僕と香奈さんは虚脱状態。
しばらく、そのまま金網の外をボーッと見ていた。
何と言うか、昨夜から今朝に掛けて起きてる事が多すぎて。
僕の精神の許容量を越えてる。
徐々に太陽が昇って、屋上が明るくなってくる。
僕はそんな光景をただボーっと眺めてた。
香奈さんはそんな僕に寄り添ってくれた。
そうだ。
朝になったら脱出方法を探ろうと思ってたんだ。
僕はやっと正気に戻る。
どこかに非常用ハシゴが無いか探す。
けど何処にも無い。
本来人が立ち入らない前提の場所だからか。
4階の教室に下りれば、緊急用脱出袋が有る。
袋を滑り降りて校庭に出られる。
校庭にパッと見たとこ、ゾンビはいない。
多分暗いところに隠れてる。
だけど鉄扉から階段を下りて行くのは無理なんだ。
鉄扉がたまに叩かれる。
ヤツらがいる。
校舎の中はうす暗い。
屋上の扉の外は窓も無い。
暗くてゾンビが好みそうな場所なんだ。
駄目だ。
脱出方法が無い。
香奈さんが言う。
「これを振れば、SOSだって誰か気付いてくれないかしら」
屋上校舎に取り付けられた旗、金色のモールが付いてる校旗。
何もしないよりいい。
その時だ。
金網に音がした。
これはロープ!?
鉤爪を括りつけたロープが金網に引っかかってる。
何処から?
これはいったい。
すぐに分かった。
ロープを登って人が現れる。
トレーニングウェアみたいな服装の少年。
何故か背中にメイド服を着た人を担いでる。
屋上の金網の先に人間が二人いる。
一瞬、メイド服に唖然としちゃったけど。
これは助けだ。
救助してくれるのかも。
とてもそうは見えないけど自衛隊の人?
「おーい、助けてください」
「助けて。私達この学校の生徒です」
僕も香奈さんも精一杯手を振る。
やった。
遂に助かったんだ。
「どうだ、生きてる人の気配がすると言った俺の勘に間違いなかったろ」
「フーン、それはそうですが。
駄目です。円花お嬢様はいません」
「チッ、外れかよ。
やっぱり七鮎川のお嬢様、もう死んでるか奴らの仲間入りしてるんじゃないの」
「そんな筈はありません。いいから次です、次の場所を探しなさい」
登って来た人が姿を消す。
ロープを伝って滑り降りて行った。
なんで。
なんで。
「ちょっと待って!」
「待ってください!」
僕らは取り残された。
そんな。
助かったと思ったのに。
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