ゾンビと魔法少女と外宇宙邪神と変身ヒーローと弩級ハッカー、あと俺。

くろねこ教授

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Scene21 キャンディーと俺の水が有る部屋

第122話

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「熱い熱い!
 熱いわよ!!」

キャンディーが言う。
深い水のある部屋。
水の中で水棲人と戦うのは無謀だ。
地の利が向こうに有り過ぎる。

シアカテルの技『ダークブラスト』で水を蒸発させた。
水位は現在膝下辺りまで。
Deep Onesどもも熱で倒れてる。
今なら部屋の中に入って行ける。
そう思ったのだが。

キャンディーはエイッと部屋に飛び込んだ。
水に足を浸けた途端、跳ねて戻ってきたのだ。
そりゃそうだ。
蒸発寸前の水。
摂氏100度前後。

キャンディーは足の先を真っ赤にさせてジタバタ藻掻いてる。
水着姿で仰向けに足を掴んで苦悶の表情。
沸騰寸前の熱湯にいきなり飛び込んだら誰でもそうなる。

「こりゃとても入って行けねーな。
 足だけ装備を着てみるか」

ゲンはメタリックなスーツを抱えていた。
壊れて使えないらしいが捨てていく訳にはいかないらしい。
身体に縛り付けてたのだ。
スーツには足の部分もある。
しかしそれで歩いて行けるのは一人だけだ。

しばらく冷めるのを待つ手も有る。
が、部屋の奥の方には水面から浮く場所が有った。
そこにおそらく円花と由羅が居る。

「わたしにお掴まりください。
 空中を行きましょう」

シアカテルは空中に浮きあがる。
普通に立ったまま、足元が地面を離れる。
数十センチ浮き上がった彼女が俺に近づく。

「疲れてるんじゃないのか」
「疲れてはいます。
 しかし単に移動するだけなら、それほど面倒な術でも有りません」

俺はシアカテルに抱き着く。
腰の辺りに両手を回し、俺の身体を持ち上げる。
彼女の美しい顔が正面に。
大きく膨らんだ胸が俺に当たる。

良い感触では有るが、正面から俺が抱きついていては彼女が移動し辛いだろう。
俺は彼女の背中側に回る。

「あっあぁあぁ」

艶っぽい声を出すシアカテル。
身体の向きを変えるのに少し色んな場所に触れただけ。
ワザとでは無いぞ。

「バカバカ、何やってんのよ」

ジト目でこちらを見てるキャンディー。
ゲンは涎を垂らしそうな顔。

「俺達も連れてってくれよ」
「女性を助けて来るだけです。
 待っていてください」

「出来ればDeep Onesどもの全滅を確認したいんだよ」

水のある部屋は広い。
奥の方にまだ生き延びてるDeep Onesがいるかもしれない。

「出来るか?」

俺はシアカテルに訊く。
シアカテルが杖をゲンとキャンディーに向ける。
二人は浮き上がった。

「うわっ、飛んでるぜ」
「ヤだ、コワイコワイ」

二人ともいきなり宙に飛んだ驚きでジタバタしてるな。

「暴れるな、
 下手に動くと落ちるぞ」

落っこちたら熱湯に真っ逆さま。
ゲンとキャンディーは姿勢を正してピクリともしなくなった。

「では進みます」

シアカテルが宙を飛びながら、部屋の中央へ進む。
その背中に俺は抱きついている。
一見バックハグに見えるかもしれないが、実際にはオンブして貰ってるのだ。

ゲンとキャンディーはその後を飛んでくる。
自分だけでなく、別の対象物も浮かせられるのなら俺がシアカテルに抱き着く必要は無かったんじゃ無いのか。
俺は賢明なのでその疑問は口に出さない。

彼女の背中に抱き着くのはなかなかの幸せな感触。
わざわざその幸せを手放す事も無い。
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