ゾンビと魔法少女と外宇宙邪神と変身ヒーローと弩級ハッカー、あと俺。

くろねこ教授

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Scene27 魔術研究家シアカテルと俺の茶屋

第155話

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「千人分の魔力?
 魔力の存在って良く分からないけど。
 そんなのって、既に個人のレベルを越えてるんじゃないの。
 既に組織とか国家レベルの戦力になるでしょ」

「勿論、そうだ。
 だからその一族は代々……」

「サイツォン、何時からそんなおしゃべりになった」

いつの間にか獅子の頭部を持つ獣人の背後に美女が回り込んでいた。
獣人魔将サイツォンの後頭部に杖を向ける黒い肌の魔法使いシアカテル。
静かな殺気を放つ。

「そこの女は現在協力者だが、あのお方に忠誠を誓った存在では無い。
 無駄に情報を洩らして良いと誰が許可した」

「俺が女と話すのにお前の許可が要るとは知らなかったぜ。
 シアカテル。
 俺だって獣人の王。
 あの方の配下では有るがな。
 忠誠まで誓った訳じゃねえぞ。
 同盟者、協力者だぜ」

自分に殺気を向けられて、流すほど冷めた男じゃない。
サイツォンまで大柄な肉体から殺気を立ち昇らせる。

「待て!」

「シアカテル、気にする程の事では無い。
 サイツォンも、オマエは疲れているのだろう。
 イチイチ殺気立つな」

「はっ、失礼しました」
「チッ、分かってらーな」

サイツォンはそっぽを向く。
シアカテルは頭を下げる。

黒い肌の魔法使い。
上半身を下げるものだから露出度の高い胸当てから魅惑の谷間が丸見え。
男なら誰でも目を奪われる光景。

キャンディーは俺の方を見ている。
その口から独り言が漏れる。

「そうなんだ。
 何処かの王様みたい。
 そう思ったのは間違いじゃ無かったみたいね」


「なんとか、お望みの物が完成したかと」

シアカテルが俺に珈琲カップを差し出す。
既に時刻は夕方近い。
 
「水に呪いは残っていません。
 むしろ飲んだ者に呪いに抵抗する力を与える筈です」

「『Glaaki』の反応がさっきまで感じられた水なんだけど。
 今は全く感じられなくなってるわ」

キャンディーが保証してくれる。

「どの程度効力が強いモノかはさすがにまだ分かりません。
 実際の『Glaaki』の棘の犠牲者に試してみないと。
 棘の影響が弱い段階で有れば、間違いなく効くと思いますが。
 試しつつ調整しないと」
 
俺はもう一つ空の珈琲カップを持って湖に近づく。
湖から水を汲み、一気に飲み干す。

「何を!」
「バカバカ!
 気でも狂ったの。
 奥多摩湖の水を体内に入れたらゾンビ化するって言ってるじゃ無いの」

蒼褪めるシアカテル。
慌てるキャンディー。

グッ!

これか。
俺の身体を何かが駆けめぐる。
外宇宙邪神の呪い。
食堂から胃に入った水。
そこから何かが肉体に広がる。
生物の活動を汚す何か。
確かにこれは呪いと呼ぶべきもの。

俺は身体に力が入らない。
地面に膝をつく。
俺の身体を蝕む何かが頭部を目指す。
俺の脳味噌に集まって来る。
このままでは思考も出来なくなる。
身体の自由が効かない。

俺は珈琲カップに入っている水を飲み干す。
先程シアカテルから渡された物。
力が入らない身体。
それでもカップの水を飲み干す位は動いてくれた。
そのまま、俺の身体は地面に倒れる。
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