令嬢は、冒険を所望します

尾藤イレット

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十七話 生還

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 お風呂を借りた私は、湯桶に溜まったお湯を、まずは頭に掛けて擦る。
 それだけで砂や木の葉混じりの真っ黒なお湯が、風呂場の床を流れて行く。
 テレサさんたちと合流するまでは、気にする余裕も無かったが、こんな汚ない格好でウィルと一緒にいたのだと思って恥ずかしくなった。

 何度も湯桶から湯を掬って、必死に身体を流す。
 やっと湯が黒くならなくなってから石鹸を使うと、今度は泡が黒くなってしまって、思わずため息が出る。

───今回は、一度くらい野営に挑戦してみたいと思ってたけど、まさかこんな事になるなんて…。

 この初めての冒険は、私の一生の中で、決して忘れられないものになるだろうと、私はその時確信していた。

 冒険の途中あった事をぼーっとした頭で考えていると、風呂場の壁に貼られた、磨かれた金属の板に私の姿がぼんやりと映っているのが見えた。

 私は、ちゃんと身体を洗えたかどうかと、気になっていたことを確認しようと、曇った板に湯を掛け、全身を映した。

「あちゃー…。やっぱり残っちゃってたか…。」

 私の背中には、テレサさんに言われて覚悟はしていたが、放射状に肌がひきつった、大きな傷痕が残っていた。
 ショックを覚えなかった訳ではない。
 だが、冒険者を目指すと決めた時に、こうした怪我を負う事は覚悟していた。

「背中が大きく空いたドレスが着れないくらいだし…大したことないよね。」

 皆に悟られないように、目から溢れ落ちる涙を隠そうと、私は顔にお湯を掛けた。



 お風呂から上がると、脱衣室には真っ白なブラウスとロングスカートに肌着が用意されていた。
 エシュタルの街を出てからずっと着たきりだった私の服は、どこにも見当たらない。 

「テレサさ…。」

 私は脱衣室の外に向かって声を掛けようとして、くぐもって聞こえる声にハッと気が付いた。

 裸で出る訳にも行かないので、私はタオルで身体を拭いて、用意された服を身につけて行く。
 少しでも早く彼の無事を確かめたかった。
 気ばかりが焦り、なかなか乾かない髪がもどかしい。
 絞るようにして髪に残った水を切り、タオルで包んで残った水を吸わせる。
 結局、完全には乾かなさそうだったので、諦めて置いてあった髪留めで、後ろに垂らした髪を一つに纏める。

 逸る気持ちを何とか鎮めながら、肌着を身につけて、ブラウスに袖を通してスカートを履く。

 ドタンと大きな音が、脱衣室に響く。
 慌てるあまり、転びそうになってしまった事に気が付かれていなければ良いのだけれど。
 スカートは腰のあたりがちょっとキツいのに、どこがとは言わないが、ブラウスはぶかぶかだ。
 これは何とかせねばと私は気合いを入れる。

 どこにもおかしなところが無いと、もう一度だけくるりと回って確認してから、私は飛び上がりそうな心臓を悟られないように、静かに扉を開いた。

「上がったのか。そうしてると、まるでどこかのお嬢様みたいだな。」

 私に気が付いたマークスさんが、声を掛けて来てくれた。
 慌てて濡れ髪のまま飛び出して来なくて、本当に良かったと思う。

「あら? マークス。あれは私の普段着なんだけど、そんな言い方したこと無かったわよね? 」

「…あ…。いや…。テレサはほら、そういう可愛らしいって感じとは違うって言うか…。」

 テレサさんをチラリと見れば、顔はいつものように女神さまを思わせるような微笑みを湛えているのに、何故かとんでもない威圧感を覚えた。
 私には、二人の関係がなんだかピンと来て、少しだけ安心した。

「そういう格好も似合うのだな。セリナ。君が無事で良かった。」

 私は、その声の主を見て息を飲む。
 ソファーに掛けていたその人は、今までの革鎧姿ではなく、白いシャツに濃紺のパンツと言ったシンプルな格好だったが、私にはまるでおとぎ話に出て来る貴公子さまのように見えた。

「…はい。ありがとうございます。ウィルも無事でよかった…。」

 元気そうなウィルの顔を見て、私がやっと言えたのは、それだけだった。
 彼に答える私の声が震えてしまったのは、仕方がないだろう。



 遅めの昼食は、マークスさんが腕によりを掛けたと言うだけあって、彩りも鮮やかで、とても美味しかった。
 スープに入れられた野菜は、細やかな細工がしてあり、星形に切られた人参には、私も驚いた。
 武骨な武人と言った風貌のマークスさんのどこに、こんな繊細さが潜んでいるのか不思議に思う。

 久しぶりの落ち着いた食事の時間は、マークスさんが作ってくれた美味しい料理もあって、とても満ち足りた気分になった。

「さて、これからの予定についてだが…。」

 食後にお茶が出てきたタイミングで、ウィルが口を開く。
 私は、マークスさんが淹れてくれたお茶に口をつけながら、その美味しさに、今度、茶葉と淹れかたを教えてもらおうと心の中で決意していた。

「今晩はここに泊まらせてもらう事にして、明日カーマインまで戻る。冒険者組合ギルドには、全員で行って、異常無しだったと答えれば依頼完了となる手筈になっているそうだ。冒険者組合ギルドで報酬を受け取ったら、皆で打ち上げにしよう。」

 ウィルが一人一人を見ながら、今後の行動について、簡潔に説明する。

「待ってました! カーマインならあの店だな! 」

 マークスさんが手を叩いて喜ぶ。
 私もまたあのお店で皆で食事が出来るかと思うと、期待に胸が膨らむ。 

「本当、フェルミさんには頭が下がるわね。もし、彼が居なかったら、今回の事だって、どう報告したら良いか解らないもの。」

 テレサさんが、ふうと息を吐き出しながら言う。
 先ほども感じたが、あのフェルミさんと言う騎士と皆は、大分以前からの知り合いのように聞こえる。

「あの…フェルミさんとは、皆さんどんな関係なんですか? 」

「…あー。何と言えばいいか…。」

 私の単刀直入な質問に、マークスさんが困ったように眉根を寄せながら答えを濁す。

「昔、ある依頼をこなしている時に知り合った。今はその縁で色々と助けてもらってる。」

 ウィルが答えてくれるが、どこか肝心な事はボカしているように感じられた。

「そ…そうだな。何故か俺たちが向かう所で、"封印指定"に掛かるものが見つかる事が多くてな。」

「ちょっと。マークス。」

 続いて答えたマークスさんの言葉に、テレサさんから叱責が飛ぶ。

「"封印指定"ですか? 初めて聞きました。"封印"が、瘴気の濃くて立ち入り禁止になっている場所だって事は知ってますけど。」

 私はもちろん、その聞き慣れない単語に食いついた。

「あー…。」

「…仕方ない。セリナも実際に目にしてるんだから良いだろう。本当はあまり関わるべき事では無いんだが。」

 マークスさんは額に手を当てて、失敗したと天を仰ぎ、ウィルは諦めたように肩を竦めてから話す。

「実際に目にした…とは? 」

「エシュタルへの入り口みたいなものの事よ。古王国時代の兵器だとか研究所だとか…。そう言った人の手に余る危険なものだと判断されると、"封印指定"されて、王家の直接管理になるの。」

 私の質問に、今度はテレサさんが答えてくれた。
 そこで、私は先日見たばかりの物の名前を出す事にした。

「例えば守護者ガーディアン…いや狂戦士バーサーカーみたいなものの事ですか? 」

「そうだ。ただ、王都のダンジョンの立ち入り禁止区域も、"封印指定"されている。あそこはただ瘴気が濃いだけだが、他の冒険者には、封印とは瘴気が濃いために立ち入りが出来なくなった場所だと説明する為、わざとそうしてある。」

「なるほど…。」

 私はウィルの説明を聞いて、封印についての認識が間違っていた事に気が付いた。
 わざと王都近くのダンジョンで、瘴気が濃い場所を『封印のため立ち入り禁止』としておけば、周りは勝手に封印とは瘴気が危険なレベルであるだけだと考えるようになる。
 当然、一攫千金を求める冒険者は、王都に集まり、中にはその立ち入り禁止の指定を無視して先に進む者が出て来ても、その先はただ瘴気が濃いだけのダンジョンだ。
 そうなれば、高価で使い捨ての瘴気避けの魔道具を使ってまで、地方にある"封印"されたダンジョンに潜ろうなどとは思わないだろう。

「ただ、中には今回のように、本当に古王国時代の遺物に触れてしまう場合がある。そう言った時に出て来るのが
、フェルミたちの第四騎士団だ。彼らは王家の勅命を受けて、そう言った遺跡を"封印"するスペシャリストだ。」

 それで、第四騎士団を私が知らなかったのかと、やっと合点がいった。
 ただ、ウィルたちは今回だけではなくて、今までにも何度か古王国の遺物に触れた事があるような口ぶりだ。

「では…以前にもこんな事があったんですか…? 」

「ああ。星に向かう船だとか、一発で街を消し去る魔道具を見つけたりした。」

「冒険者冥利に尽きるが、結果が公表出来ないってのは、なんだかモヤモヤするがな。」

 ウィルから告げられた、あまりにも衝撃的な発見の話に、開いた口が塞がらない私に、マークスさんが畳み掛ける。
 もし、そんな発見があったなんて事が公になっていれば、ウィルたちトップクラスの冒険者として地位も名声も欲しいままにしていただろう。

「もし、冒険者がそう言ったものを見つけて、勝手に使っていたらどうなるんです? 」

「冒険者になる時に、『発見したものは種類を問わずに冒険者組合ギルドに報告することって誓約書にサインしたろ? 」

「はい。確かにそんな話をされました。」

「それを無視して、何か使ったり研究したりすれば、古王国時代の探知機を使ってあっという間にフェルミさんたちに拘束されるの。場合によっては、本人含めて"封印"されちゃうわね。」

「……。」

 その"封印"がどのようなものかが想像出来てしまって、私の背中がぞくりと震えた。



 それからは、皆で今回の冒険について離れていた間や、気を失っていた時の情報交換が始まった。

「…そして私は気を失っていたウィルを抱えて、言われた通りに南へ二哩(3.2km)歩き、途中銀狼フェンリルとの戦闘を経て、何とか遺跡の近くまで着きました。後はご存知の通りです。」

 ウィルによって理想郷エシュタルで大魔導師から聞いたことや、帰りの道中であった事については、ほとんど説明されたので、私の話は、ウィルが気を失ってからだけで済んだ。

 まさかウィルが私を背負ってずっと歩き続けていたとは思わなかった。
 もし、彼が無理をしてくれなければ、私は間違いなくあの森の中で命を落としていただろう。

「じゃあ、次は私たちの番ね。」
 
 私たちが転送装置ポータルで飛ばされた後、テレサさんとマークスさんは、遺跡の通路を調べながら、私たちの帰りを待っていたらしい。

 その最中に、マークスさんが壁の一つが動く事に気が付いた。
 もしかしたら、その先に私たちが居るかもしれないと、マークスさんとテレサさんでその壁をこじあけると、中は小さな部屋になっていた。
 罠を警戒しながら、その部屋を調べたが、それより奥には部屋は無く、壁一面に並んだ古王国時代の機械は、既に活動を止めていた。

「多分、転送装置ポータルの管理室か何かだったんだろうな。」

 そうマークスさんは分析する。

 そして、マークスさんとテレサさんは、その部屋で一日を過ごし、次の日には騎士団への手紙を書いて、サデリア村へと戻り、ジョセフさんに手紙を託した。
 そして、それから三日間をその部屋で過ごし、フェルミさんが到着してからも、その場を動こうとはしなかった。

「一旦、村かカーマインまで戻ろうとは思わなかったんですか? 」

冒険者組合ギルドへもう報告はしていたから、他にも冒険者が来る可能性があったの。もし、他にも転送されてしまう人が出たらと思って、さすがに放ってはおけなかったわ。それに、あなたたちが怪我を負って転送装置ポータルから戻ってくるかもしれなかったし。」

 私の浅はかな質問にも、テレサさんはきちんと答えてくれた。
 それに、テレサさんたちが待っていてくれなければ、私たちが生還出来たかどうかも解らない。

「あのとき、俺はセリナが耳元でテレサを大声で呼ぶ声で目が覚めて、どうやら気が付いてないことが解ったから、少なくとも注意は引けるだろうと思って雷魔法を放ったんだ。あれだけの大声が聞こえなかったのか? 」

「え…。私はあの時に全然声が出なくて…。」

 私は、助けられた時の事を思い出す。
 カラカラになった喉は、まったく声を出す事が出来ず、掠れた音が出るだけだったはずだ。

「あなたたちがいたところから、大声で呼んでくれたなら、さすがに私だって気が付くわ。風だってそんなに吹いてなかったし。」
  
「そうだな。俺がテレサに呼ばれて駆けつけた時、ウィルたちが倒れてたのは、遺跡からそんなに離れてなかったからな。雷の音は、遺跡の中にいた俺にも聞こえたし。」

 二人の話を聞いて、やはり、私の声が出ていなかったのは間違いないみたいだと確信出来た。

「どういう事だ…? 」

「もしかしたら、セリナと意識疎通が出来るようになったのかもね。」

 不思議そうな顔をしているウィルに、テレサさんがニヤリと笑いながら答える。

「…………。」
 
「意識疎通ですか…? 」

 絶句しているウィルをよそに、私は初めて聞いた意識疎通との言葉の意味を聞いてみた。

「ええ。勇者さまと当時の聖女が使えた特殊技能スキルよ。お互いに考えている事を伝えられるようになるの。」

「ま、お互いに魔力の波長が合うことと…あともう一つ必要なものがあるけどな。」

「…え? 何が必要なんです? 」

 ニヤニヤと言った笑いを浮かべている、テレサさんとマークスさんに、私は尋ねた。

「お互いに愛し合ってるってことよ。」

「………。」

「………。」

 ニンマリと笑ったテレサさんの言葉に、絶句したままのウィルと一緒に、私も絶句しているするしかなかった。

 そして、ウィルと私は尋ねた顔を見合せてしまい、赤面してから同じタイミングで顔を伏せた。

「あと、ウィルに聞きたかったんだけど、ポーションはどうしたの? 」

「俺が預かってた分は、全てセリナに使った。」

「そう。だからある程度は傷が治っていたのね。ただ、飲ませないと効果が無い回復ポーションを、どうやってセリナに飲ませたのかしら? 」

「……。まあ、口に流し込んだら飲んだから…。」

「ふうん。ちゃんと責任は取らなきゃダメよ。ウィル。」

「……わかっている。」

「さて…それじゃ、晩メシの準備をするか。今日は村の皆でお祝いをしてくれるそうだ。」

「お祝い…? 」

 私は頭の中に沢山のクエスチョンマークが浮かんだまま、先に立った皆の後に続いた。
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