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二十四話 令嬢は冒険を所望します。

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「では……私と縁談をされる王太子さまって……ウィル……いやウィリアム殿下だったのですか? 」

 やっと落ち着いた私は、ウィリアム殿下の横に座らされていた。
 そして、テレサさん……いやテレジアさんがお茶を淹れてくれるのを待ってから、私は今回の件について質問をする。

「だから、君に会えるようになるには、もう少し時間が掛かると手紙に書いておいたではないか。私の立場上、婚約者でも無い令嬢に、おいそれと会いに行く訳にはいかないからな。」

「いや、まさかそんな意味だとは……。」

 私は、ウィルたちがてっきり冒険者としての仕事で、王都を離れがちなためだとと思っていた。
 だから、王都に戻ってくれば会えるのだと理解していたのだ。

「まさか……本当に俺が誰だか気が付いて無かったのか? 」

「……はい。まったく……。」

 今度は、私が消え入りそうな声で答える事になった。
 いくら私が社交界と離れた生活を送っていたとしても、自国の王族の顔を知らないなんて、常識はずれにもほどがある。

「……だから、もっと人前にでて顔を売らなきゃいけませんと言ったでしょうが。舞踏会も面倒だからと欠席ばかりで。」

 マークスさん……いや、マルクスさんが、ニヤニヤと笑いながら、ウィリアム殿下をからかう。

「うるさい!マルクス。冒険者活動をするには、あまり顔が売れていない方が良いと話し合って決めたのではないか! それに、俺がああいう女が苦手のは知ってるだろう!? 」

「……それでも、伯爵令嬢に顔が知られていないのは、ちょっと問題ではないかと思いますわ。」

「……いや、それは私が……。」

 さすがに、私が自国の王族の事を知らないのは、ウィリアム殿下のせいではないと、私は口を開きかけた。
 
「いいのよ。さすがに王太子としての仕事をサボりすぎなんだもの。」

 私に優しく笑いながら、テレジアさまが言う。

「……あんな連中を放置してちゃな。また部屋の前に来てたろ? 」

 マルクスさんは、苦々しい顔で扉の外を見やる。
 それで、私は談話室の前にたむろしていた上級生たちが、王太子殿下とはまったく関係が無かった事に気が付いた。

「あの人たちの狼藉って、王太子さまが命じてたんじゃ無かったんですか!? 」

「……そんな訳あるか。ただ、放置していたのは間違いが無い。」

「なんであんな人たちを……。」

 ニヤニヤと笑いながら、私を見ていた、親衛隊だと名乗った上級生の姿を思い出す。

「それは、俺の名前を使って悪さをする奴を集める事や、周りの国が俺を侮る事には役には立ってもらっていたがな。」

「確かに、おかげで暗殺やら調略の類いは減ったがな。バカな王子が次代の王になるなら、むしろ手間が減る。」

「誰がバカ王子だ!」

 なるほどと、私は思った。
 手下に好き勝手させて、自分は放蕩三昧だと思わせておけば、周りの国からの工作活動は減る。
 その間に、自分たちは直接国の状況を自分の目で見られる訳だ。

「だからと言って、これ以上評判を落とすのは、あまり得策とは言えないわ。私にも聖王国から大丈夫なのかと問い合わせが来ちゃってるし。」

 テレサさん……いや、聖女テレジアさまは、困ったような顔をして、今起こっている問題を告げた。
 ルシエラに聞いた話では、王太子殿下が聖女さまをたらしこんで、授業にも出てこないと噂になっている。
 それは、聖女さまの立場としては望ましくはないだろう。

「……まあ、良い機会だ。婚約者の御披露目もしなくてはならないしな。出来れば今年の新入生の中で、あいつらに加担する者も、もう少し集めたかったが。」

 ウィリアム殿下は、もういつも通りの尊大な態度に戻っていた。

「婚約者……ですか? 」

「……何か問題があるのか? 」

「いえ……ただ、本当に私で良いのかと……。」

「自分の危険を省みず、俺を担いで最後まで諦めなかったような女が、他に居ると思うか? イセリナ。」

「……それは、他にもそういう方が……。」

 婚約を断るつもりで来ていたこともあって、私がこのまま縁談を受け入れて良いものか、混乱した頭では答えを出す事が出来ない。

 それに、王太子殿下の婚約者となれば、将来は王太子妃となる。
 その重責に、自分が耐えられるのかどうかにも急に不安になる。

「……ああ。もう面倒だ! もう俺はお前以外とは結婚はしない。だから、お前が婚約者とならないなら、俺は一生独身で過ごす! 」

 ウィリアム殿下が、拗ねたようにそう言い放つ。
 この人の場合、こんな正気を疑うような話でも、実行してしまいかねない。

「そんな……脅迫みたいな……。それに、私はイセリナです! 」

「あ……ああ済まない、イセリナ。……それで、どうするのだ? 」

 私が少し怒りながら言うと、殿下が素直に謝り、少し肩を落とす。
 逆に私の方が強く言いすぎたかなと思ってしまう。

 その時、ふと私は、あの森を二人なら抜けて来られた事を思い出した。

───そうか、これも私にとって冒険なのかも……。

「私としては……お受けしたいです。」

 私は、これからの事について覚悟を決め、殿下に頷きながら答える。

「……そうか。それなら問題はない。」

 ウィリアム殿下は、ホッとしたように屈託のない笑顔を向けてきた。
 それは普段見せている冷徹さを感じるものではなくて、私より少し歳上の少年らしく見えた。

「だけど、ちょっと酷いプロポーズよね……。」

「これが我が主の事じゃ無きゃ笑えるんだがな……。」

「お前たちは余計な事を言うな。さあ、さっさと学園内を纏める計画を立てるぞ。」

 残念そうにため息をつく、聖女テレジアさまと、マルクスさまを、ウィリアム殿下は睨みながら言う。

「ちょっと待ってくれ。今から話をするのは良いが、イセリナ嬢は、ご家族に報告しなくてはならないだろう? 」

 早速テーブルの上に紙と資料を広げ、何事か書き出したウィリアム殿下に、マルクスさんが言う。

「……はい。まずは両親と兄に報告に向かいたいと思います。」

 私も、まずは心配している家族に、問題が無かった事を伝えなくてはならない事を思い出す。
 それに、教室にいるルシエラにも、お礼を言っておかなくてはならない。

「わかった。陛下にも、縁談を進めてもらうように伝えておく。近日中に参内してもらう事になるから、準備しておくように伝えておいてくれ。」

「わかりました。皆さん、お騒がせしました。」

 私は、談話室に残って、これからの事を相談するだろう三人に頭を下げてから、部屋を後にした。



「だ……大丈夫だったの!? 」

「うん。ちゃんと話はついたよ。ありがとね、ルシエラ。……それで、みんなはどうしたの? 」

 ウキウキとした気分で戻った教室には、ただならない雰囲気が漂っていた。

「……良かった。今からクラスのみんなで行こうって話をしていたところなの。」

「え……どうして? 」

 ただ、周りを見れば、今から出ようとしている人は居なかったようで、ルシエラが一人で必死に説得をしてくれていたらしい。
 座ったままルシエラを遠巻きに眺める皆の表情には、ただただ困惑ばかりが浮かんでいたからだ。

「どうしてって……、王太子殿下のところに殴り込みに行くなんて、無事に帰って来られるはずないじゃない! 」

 ルシエラは、本気で私が殴り込みでも掛けたのだと、私を心配してくれていたようだ。

「いや、本当、ただ話に行っただけだし……こうして無事に帰って来てるでしょ? あ、皆さんもごめんなさい。ご心配を掛けてしまって……。私はただお話を伺いに行っただけですので。」

 鬼気迫るルシエラを宥めてから、教室に集まっていたクラスメイトたちにぺこりと頭を下げた。

「なるほど。そういう事にしておくのね……。」

 ホッとする周りをよそに、ルシエラだけはまだ不穏な事を言っていたが、皆が居る場所では言えない事もあるし、後からしっかり説明すれば良いだろうと、話を切り替える事にする。

「そうそう。ルシエラは外出届けの出し方って覚えてる? 」

 この場はもう、特に問題は無さそうだし、これから殿下に伺いを立てた者が居たとしても、私が話し合いに来ていた事を証明してくれるだけだ。
 それよりも、今は心配をして待っている家族に、帰りの道中の間に、どう説明をしたら良いものかを考えなくてはならない。

「うん。二階の教職員室に行って、理由を説明して外出届にサインをもらえば良いはずだよ? 」

「わかった! 今からちょっと実家に戻らなくちゃならないから、今晩は帰って来られないかも。また明日ね! 」

「あ……ちょっと、イセリナ! 」

 私を呼ぶルシエラの声が聞こえたが、明日謝れば良いかと、私は教職員室へと急いだ。

 そして、私はこの場を適当に切り上げてしまった事を、それからずっと後悔する事になった。



「ねえ。ルシエラ。この状況っていったいいつまで続くのかしら。」

「……知らない。多分ずっとじゃないかな。」

 あれから五日が経ち、私は、教室で予習をしているルシエラの横で、テーブルに突っ伏しながらボヤくが、彼女の態度は冷たい。

「そんな事言わないで助けてよ。」

「あら……どうされたのかしら?未来の妃殿下。」

 本から目を離さないルシエラの腕を掴んで言うが、さらに冷たい言葉が帰ってくるだけだった。
 確かに、私が居なくなる事によって、ルシエラが何があったのかと質問責めにあったこと、私に殺気を浴びせられた上級生が仲間を引き連れて私を探しに来た事を、そのまま任せる事になってしまったのは、本当に申し訳ないと思う。
 ただ、その狼藉は、すぐに教師と王太子殿下によって鎮圧され、その場で関係した者全てが拘束される事になった。
 この件で謀らずも王太子殿下と、親衛隊と名乗る一派には何の関係も無い事が周知される事にもなった。

 だが、私が親衛隊の狼藉に対し、直接王太子殿下に問いただし、殿下がその言葉に感銘を受けて自ら動かれたとの噂が流れる事になった。
 それに、私に殺気で追い払われた上級生が、剣の腕で学生上位にいたこと、それに直後に私と王太子殿下の婚約が発表された事もあって、噂には尾ひれどころではなく、羽根までついて拡散されて行った。

「…………。」

 もう明後日から授業が始まるとあって、ほとんどの生徒は学園に来ており、教室で予習を始めている。
 私と目があった男子生徒が、ヒッと小さな悲鳴をあげて、あわてて目を逸らす。

「ま、人の噂なんて、時間が経たないと消えないものよ。」

 ふぅとため息を吐いてから、ルシエラがやっと私を慰めてくれた。

「それにしたって『私が王太子殿下をぶん殴って、改心した殿下が私を気に入って婚約が決まった。』なんて話はひどくない? 」

「あんな顔をして王太子殿下に話をつけてくるなんて言って出ていって、スッキリした顔をして戻って来たと思ったら、そのまま私まで放ったまま自宅に帰っちゃうんだもん。仕方ないよね。」

 ルシエラは、やっと教本と紙綴じノートから顔をあげて、恨めしげに私を睨む。
 ろくに説明もせず、対応を丸投げしたことが、相当頭に来ていたのだと解る。

「本当にごめん。でも、事情は説明したじゃない。」

 私は、家族に何があったのか説明し、みんなから祝福を受けたあと、寮に帰って見れば、怒り心頭のルシエラが待っていたのだ。
 それから何度謝ったかわからない。

「私は解ってるわよ? ただ、一度出回った噂は、下火になるまで待たなきゃダメなの。汚名返上するのは、それからじゃ無きゃ意味が無いわ。」

「……うぅー。どうしてこんな事に……。」

 私は泣きたい気持ちになりながら、再び机に突っ伏した。

「はしたないわよ。オルコット伯爵令嬢さま。落ち込んでるのも良いけど、予習も進めないと後から大変よ? 聖女さまからも釘を刺されてるんでしょ? 」

 聖女さまと言われて、私は頼まれていた事を思い出した。
 今まで少人数でやって来たけれども、ポーションの作成や、ダンジョンや遺跡で発見される古代遺物アーティファクトの分析は、聖女とは言え素人の自分には荷が重いから、誰か良い方は居ないか、当たりをつけて欲しいと言われていたのだ。

「……そうだ、ルシエラは古代の錬金術とか興味ない? 」

「……話を聞かせてくれる? 」

 私の言葉に、ルシエラの目がキラリと光ったように見えた。

「じゃあ、このあとちょっと付き合ってくれない? ちょうどお昼になるし。」



 お昼を皆で食べながら行われた会議が解散したあと、私とウィリアム殿下は二人で談話室に残った。
 一応、大手を振って会える仲にはなれたが、二人きりになれる時間は少ない。

「良かったな。ちょうど良い人材が見つかった。」

「ええ。ルシエラも喜んでいたみたいです。」

 お昼の時間を使った話し合いの結果、私たちのパーティーには、ルシエラが錬金術師として加わる事になった。
 ルシエラの、魔術理論や、古代遺物アーティファクトの話は、とても高度で、私の知識では半分も理解出来なかった。

「お茶を淹れますね。」

「ああ。助かる。ありがとう。」

 そう言って、ウィルは再びテーブルの上に広げられた地図に目を落とす。

「今度はどの辺りに行くつもりですか? 」

 私は、淹れたお茶のカップを、ウィリアム殿下の前に置いてから尋ねた。

「……次の長期休暇の時には、北方のシロンの街に行きたい。エトナ火山の麓に当たる街だ。魔物の被害が大分増えているが、冒険者の集まりが悪い。」

「いつも、そうやって行き先を決めていたんですね。」

「ああ。誰かが大儲けしたと噂になれば、その地に向かう冒険者も増えるし、冒険者が集まらない理由は行ってみないと解らない事もある。」

「カーマインの冒険者組合ギルドみたいな事ですか? 」

「ああ。あそこのギルド長は、手柄を得るよりも問題を起こさない事に腐心していたようでな、それが悪いとは思わないが、討伐に人員が必要な予算が掛かる仕事は隠蔽をしてしまっていた。」

「それで……なんですね……。」

「ああ。今は心を入れ替えたらしいが、次の移動ではどうなるかな。」

「…………。」

「本当に、こんな事ばかりで嫌になる。俺たちは、魔物の住むこの世界で生きていかなくちゃならん。だと言うのに、皆自分のことばかりだ。」

 そう言うと、ウィリアム殿下は、ソファーの背もたれに身体を預け、自分の目に手を当てた。
 私はウィリアム殿下が初めて愚痴らしい愚痴をこぼすのを聞いた気がした。

「だから、魔素を使った技術を探していたんですね。古代遺物アーティファクトには、人間の魔力だけでは動かないものも多いみたいですし。」

「そう……だな。ただ、あの街を見てからは、その考えは捨てる事にした。」

「どうしてです? 」

 あの街とは、エシュタルの事だと解った私は、不思議に思って聞いてみる。

「いくら素晴らしい技術があっても、誰も居ない国の王になって、何を喜べると言うんだ? 」

「……そう……ですね。」

 私は、談話室の壁に掛けられた、初代女王と王配殿下の肖像画を見上げる。
 甲冑を着こみ椅子に座った女王の横に立っている姿は、あの大魔導師によく似ていた。

「彼は、楽園追放の時に、騎士隊を率いて人々を守った女性を王位につけ、自分はその補佐として数々の偉業を成し遂げた。ただ名前を残すことは絶対に許さなかったらしい。」

 私の視線に気が付いたのか、ウィリアム殿下が、絵の来歴について説明をしてくれた。

「あの方とは、ずいぶん雰囲気が違いますね。」

「そうだな。この絵も何代か後の王子をモデルに描かれたものだ。だが雰囲気は解るだろう。」

「あの時、何を耳打ちされたんです? ほら……街を出る時に。」

 私は、エシュタルを出る時、寂しそうに見送ってくれた大魔導師が、ウィルの耳打ちで、すっかり上機嫌になった時の事を尋ねてみた。

「あなたは、無事に人々を導かれて、一緒に脱出した騎士の方と結ばれました。私はその子孫に当たりますと言ったんだ。」

「だから、あんなに嬉しそうだったんですね。でも……。」

 私は、大魔導師が『私は一生、誰の事も信じる事が出来ないと思っていた。』と言っていた事を思い出す。

「そうだな。初代王配殿下は、人々をこの国に導いたあと、一人でまたどこかへ去ろうとしたらしいんだ。ただ、それを引き留めたのが初代女王のヒルデガルド様だ。きっと君のような人だったんだろうな。」

「……どういう意味ですか? 」

「捻くれた目でしか世の中を見る事が出来なくなっていた男を、人の世界に戻してくれた、エネルギッシュな女性って事だ。」

「なんだか、誉められていると思って良いのか悩みます。」

「誉めてるさ。初代女王陛下と同じだと言ってるんだ。光栄に思いたまえ。」

 そう行って、二人でクスクスと笑う。

「……あと、どうしてカーマインで私に声を掛けようと思ったんです? 」

「……笑わないか? 」

「もちろんです。」

「王都を出る時、君は馬車から身を乗り出して景色を見ていただろう? 」

「……え……はい。」

「俺たちはちょうど後ろの馬車に乗っていた。あの景色は俺も好きでな。同じ景色を楽しめるなら、一度話してみたい。そう思ったのだ。」

「え……? でも、私はカーマインの冒険者組合ギルドで……。」

「だから、君が冒険者組合《ギルド》でテストを受けているのを見た時には驚いた。そして、マークスとテレサに頼んで、同じ依頼を受けることにしたんだ。」

「では、殿下は最初から私の事を知っていたのですか? 」

「……二人きりの時は、そんな呼び方をするなと言ったろう。」

 私の意地の悪い質問を、ウィルはぷいと横を向いてはぐらかす。

「私は、ウィルのこと、最初は嫌な人だと思ってましたよ。なんて偉そうな話し方をする人なんだろうって。」

 いつかウィル問い詰めようと思いながら、私は笑いながら彼の第一印象を告げた。

「それは……何とも申し訳ないな。俺は幼い頃から、こんな話し方と態度だ。だから、俺を知らない者には、なかなか思いが通じん……。」

 そう。婚約が決まってから、私たちはある約束をしていた。

「そうですね。……では、私と一緒に出かけて、もっと慣れて行きましょう。まず、ウィルの時は、言葉づかいから。ですよね? 」

「……心強いね。これからも冒険に出る時は宜しく頼むよ。俺の婚約者さん。」

 ハッと言葉づかいを改めたウィルが、ゆっくりと立ち上がって私に手を差し出す。

「ええ。もちろんです。ウィル。だからこれからも一緒に冒険をして下さいね。」

 私も彼の手を取って立ち上がる。
 
 きっとこれからも大変な事や、大きな問題が私たちの前に立ちふさがるのだろう。

───どんな事があっても、ウィルと二人ならきっと乗り越えていける。

 私は、彼の腕に抱かれながら、そんな事を考えていた。
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