帝国暦55年と555年の学園ライフ〜最強賢者は魔術が衰退した未来に転生し無双、最弱愚者は魔術がクッソ強い過去に転生して無惨〜

騎士ランチ

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第二章:人生は生まれた環境と育った環境で決まるが、今の環境で変える事もできる。

第九話:帝国暦55年と555年のアレ

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【帝国暦555年・魔法学園】

「本当はなろうでやりたいんだお…、でも、なろうは規制が厳しいし、長編投稿のフォーマットが見にくいお…、だからアルファポリスでやるお!」

 ネラーが印を結び終わると、粘土状の精霊体が全身を覆い尽くし、土の巨人へと変貌した。

「おのれっ、であえ、であえー!」

 ムライの周囲に子犬程の雷獣が複数出現し走り回る。

「もう遅い!貴様は国外追放だ!」

 フリンの両手から竜巻が発生し、訓練所の的をまとめて吹き飛ばす。

「レーゼ以外の三人もなんやかんやで強くなっておるな。もう少し鍛えれば、戦力として使えそうじゃ」

 大精霊を使役するには、それが絶対に必要だとする強い決意が何より重要だ。リーンに対抗意識を燃やしているレーゼはともかく、変態三銃士にそんな感情が生まれるかは期待薄だった。

「あの子達、成功する度に背中に胸を押し付けてやれば凄く頑張りましたよ。要は、失敗した時以上のご褒美を上げれば良かったんです」

 あっけらかんと言うゴンにリーンは眉をしかめる。

「ゴンよ、そーゆーのはいかんと思うぞ。というか、やはりお主500年で随分変わったの」
「昔の私は人間換算でまだ子供でしたからね。それに、まだ男女の関係には一度もなっていませんからご安心下さい」
「何を安心せえと言うんじゃ」

 すると、ゴンは突然顔を赤らめてモジモジし始めた。その姿は今まで見せていた経験豊富な女性のそれとは真逆だった。

「リーン様…、貴方が未来に旅立ってから私はずっと夢を見てきました。大人になった私が青少年になった貴方と再会し結ばれる未来を」
「は?」
「あちらの時代では戦争と研究で、こちらの時代では戦力こ確保に忙しくてそんな事を言っていられる状態ではありませんでしたが、ようやく言えます。リーン様、貴方を愛しています。今日の特訓が終わったら、保健室に来て下さい」

 一方的に言い放ち、ゴンは保険室に行ってしまう。

「ゴンがワシを愛しておったじゃと?ありえん。しかし、いや、そうかもしれん」

 過去の事を振り返る。ゴンはリーンを慕ってはいたが、それは命を救った恩や強者への従属によるものだったはずた。しかし、500年の時の流れがあればそれが別の感情に変化してもおかしくはない。そんな事を考えていると、後ろかは肩を叩かれた。

「よっ、何を考え込んどるんや?」
「なんじゃ、レーゼか」
「なんじゃとはなんや!あ、えーとな、今日の特訓終わったら、生徒全員でステーキ屋いかへん?学園の近くにめっちゃ美味いステーキ屋オープンしたねん」
「ふーむ、どうするかのー」

 リーンの頭の中に選択肢が浮かび上がる。

【選択肢】
1.コンに従い保健室に向かうことにする。
2.レーゼに従い、ゴン以外の全員でメシ。
3.まだ、そんな事しとる場合じゃない。

「いや、今日はゴンと大事な話があるんじゃ。ステーキ屋また今度な」

 いずれにしても、来るべき魔王軍との戦いにおいてゴンはリーンに次ぐ戦力だ。ここで頼みを断り気分を害するのも不味い。そう考えてリーンは言われるままに保健室に向かう事にした。

 保健室に入ると、部屋の中央に生徒用の机と椅子が一組、そして机の上には保健体育の教科書が置いてあった。

「来ましたね。リーン様、そこの席に座って待っていて下さい」
「ゴン、一体何をしようと…」

 リーンの疑問には答えず、ゴンは保健室の扉を開けて廊下へと出ていく。そして、直ぐにUターンして保健室の扉を勢いよく開けて入ってきた。

「もお~っ、いつも保健体育は百点満点だったのに、何で今回は赤点なのよ~っ!バート君、そんなに先生の補習を受けたかったの?」

 なんか、はじまった。

「はい、それじゃあ教科書の105ページを開き…やっぱ開かなくていいわ。今日は先生がこの身体を使って、女の子の部位と機能について教えちゃいます」

 どうやら、赤点生徒と保険の先生というシチュエーションでのプレイを行おうとしている様だった。これには大賢者も困惑の色を隠せない。

「あ、あのーゴンさん?やるにしても、ワシ、出来ればもう少しノーマルなのがいいんじゃが」
「ゴン先生!私の事はゴン先生と呼びなさい!そして貴方はバート君!大人の女性な私に近づきたくて、わざと赤点取って補習を受けているエロトピアボーイ!」
「お、おう」
「…ふう。では続けますよ。バート君、女性の母乳はどこから出るかしっていますか?」
「ちく」
「せいかぁい!」

 ビリビリビリ!

 食い気味に正解を告げ、白衣の上を腕力で引き裂きその下に来ていたマイクロビキニも引きちぎり乳首を見せつけてくる。

「そう、ここです!女性はここから母乳が出るのでぇーっす!さあ、バート君実習よぉ!このオッハイを揉んで母乳を出してみなさい!」

 リーンはゴンに対して性的感情を持ち合わせてはいなかった。リーンから見て、今のゴンはただただ怖かった。それは、自分の娘がアブノーマルな風俗で働いていると知った父親の気持ちに似ていた。

 しかし、この保健室に来た時点で事を終えるまで帰れないのは確定していた。リーンは流れ作業をする工員の様な顔つきで、義務的にゴンの胸を揉み始める。

 モミっ モミっ

「はぁん、いい…。他の生徒達に触られている時と全然違う。今日まで生きてきて良かった…」

 涙を流しゴンは歓喜の声を上げる。リーンは適当に揉んでいるだけなので、実際に気持ちが良いとは思えないが、リーンに揉まれているという事実が嬉しいのだろう。やがて、乳首から母乳が垂れ始めるのを確認し、リーンは手を止める。

「ゴン…先生。これでええじゃろ?今日の所さんは」
「第二問!赤ちゃんはどこから産まれるでしょうか?」

 スカートに手を掛けながらゴンが質問する。答えた瞬間全裸になって、股を広げる未来が簡単に予想出来た。なので、リーンは答えなかった。流石にそれは嫌だった。ゴンが嫌いとかそういうのじゃなく、なんか嫌だった。

「…」
「ブッブー、時間切れ。仕方ないので先生が正解を教えちゃいます。正解はぁ~」
「越後製菓!」

 突然保健室の扉が開き、頭から血を流すムライが入ってきた。

「いやあ、拙者まだまだ修行中の身。不覚を取ってしまいましてな…む?」

 どうやら、ステーキ屋に行く約束が流れた結果、自主練をする事になり怪我をしたから保健室に来たようだったが、当然アレをしている最中の二人が目に入る。

「いやー、お代官様もすみにおけませんなあ。これは、あのお方にお伝えせねば」

 ゴンの母乳を掬い上げて頭に塗りたくると、ムライはニヤリと笑みを浮かべ走り去る。彼の言うあのお方がレーゼなのは言うまでと無いだろう。

「待てムライ!これは誤解じゃ!ワシは半分までしかしとらん!」

 ムライの口からある事ない事告げられては厄介だ。最も貴重な戦力はゴンだが、その次はレーゼだ。彼女の機嫌を損ねるのも避けたかった。

「待たんかー!」

 こうして夜は更けていく。この日はリーンにとって大事な選択をした日であり、そして、平和な学園生活の最後の一日だった。彼は翌日より知る事になる。魔王軍がどの様にして生きてきたか、再臨する魔王がどの様な存在なのかを。


【帝国暦55年・魔法学園】

 バートは寮の自室内で座禅を組み、目を閉じて現状のヤバさを再認識する。

 メシは不味い。周りは戦闘狂。ゴンは味方だがスパルタ。
弱いのがバレたら死。喧嘩を挑まれても死。考えれば考える程に嫌になる。

 頭の中ではいつものマッチョがリンボーダンスをしていた。

「お前、時の大精霊だよな?」

 バートが恐る恐る声を掛けると、マッチョは今までに無い近さまで摺り足で迫ってきた。

「ひいい!!」

 怯えて小便を漏らすバート。そして、マッチョは床の小便を気にせず摺り足を維持したまま密着し、肩をぐわしとつかんで叫んだ。

「ようやく呼んでくれましたぞおおおおお!!!そう!吾輩は時の大精霊!名前はしのぶ!」
「お、お前ガチで時の大精霊だったんかい!何で俺なんかの中で暮らしてるんだよ!」

 現状を打破する手段になり得る存在が見つかったのは喜ばしいが、それはそれとして、誰にも従わず発見すらほぼ不可能な存在がここに居る事に納得は出来なかった。

「何故なのかと言われるなら答えましょうぞ!これはスターシステムですぞ!吾輩、前作でも主人公の心の中に住むマッチョを演じておりましたぞ!」

 詳しくは、騎士ランチのアルファポリスデビュー作、スキルテスターを読んでね。

「は?」
「…間違えましたぞ!吾輩、時を司っているので、たまに別次元とリンクしてしまい会話が噛み合わなくなる事がありますぞ!えーと、激レア精霊の吾輩が魔術下手っぴざーこざーこな御主人に従う理由でしたな?」
「そこまでは言ってない!でも、俺が弱いのは事実。未来でも何の努力もしてなくて、この修羅の時代に飛んで相対的に最弱の頂点に君臨してる俺だぜ?」
「だからですぞ!御主人様は他の魔術を学ぶ機会をドブに捨て続け、500年前に飛ぶという強大な時魔術を行使しましたぞ!これって、人生の全てを時の魔術に捧げたに等しいのですぞ!他にいませんぞ!」

 どうやら、過去に飛んだ時点で時の大精霊に出会う条件をバートは偶然にも満たしていたらしい。

「ほら、吾輩暑苦しいオッサンですぞ?だから他の大精霊から嫌われておりまして、ですから、他の大精霊の気配がしない上に時魔術の媒体になった御主人様の魂は吾輩のベストプレイスなのですぞ!」
「分かった!わーったから、それ以上顔を近づけるな!とにかくお前は味方で、最強の大精霊でいいんだな?じゃ、チート寄越せ!はよ!」

 こういった作品で人間より強大な存在にチートくれって!はよ!と言うのは死亡フラグなのだが、幸いにもしのぶはバートにゾッコンだった。自分以外に頼る術が無いと言ってくるバートにメロリンキューなのだった。

「それでは、時のガーディアン召喚術を教えますぞ!」
「よっしゃ!」
「この術に必要なのは、印の形と時の大精霊、つまり吾輩の存在。後者は既に達成しておりますので、印の形を…」

■ ■ ■

「バート様、バート様、起きて下さい!」
「ふぇ?」

 ゴンの声で目を覚ます。どうやら、心の中に意識を集中しすぎて寝てしまっていたらしい。

「起きましたね。突然座禅組んでオシッコ漏らして気絶したからビックリしましたよ」
「掃除してくれたのか。ありがとう。でも、生活魔術使えば手が汚れないのに」
「未来にはそんなものがあるんですか。今度教えて下さい」
「俺は使えん。なんせ、時の魔術の専門家だからな」

 力を手に入れたと知った途端バートは調子に乗る。ゴンの視点からは何も分からないが、馬鹿が調子に乗っているというのはハッキリと分かった。

「さっきの座禅の間に何かあったのですか?」
「だから、時の魔術に目覚めたんだって。ゴン、最強になった俺と戦え。俺が勝ったら言う事を一つ聞いてもらっぞ」
「…ヤケになって自殺志願しているのでは無さそうですね。分かりました。他人に見せるわけにもいきませんので、ここで始めましょう」

 バートのいる個室寮は、特待生への下剋上を狙う他生徒の襲撃に備えて広く頑丈に作られており、中で二人が戦っても手合わせ程度ならば大丈夫。

「では、行きますよ」

 ゴンは様子見に右手を振り上げる。これは相手を舐めきった選択だ。この時代の魔術師同士の戦いのセオリーから外れた、基本の出来てないチンピラをあしらうのに使う戦法である。

 以前のバートなら、この大振りビンタすらどうにも出来ず一撃で終わっていただろう。しかし、今のバートは違う。ゴンが全力で攻めてこないのを幸いとばかりにバックステップでビンタを躱しながら印を結ぶ。

「ハア!」

 ブッ

 その時ゴンは見た。印を結び屁をこくバートの横でサイドチェストをしているしのぶの姿を。

「まさか、本当に時のガーディアン術を!?」
「ハァーハァー、見たか!俺の真のパゥワーを!さあ、行けしのブゲボオー!」

 しのぶの力を使い、さあこれからだという所さんで、バートは盛大にゲロった。しかも、仮面のせいでゲロが喉に詰まり窒息した。

「息、いきが…できないの…」
「バート様しっかりしてください!」

 すかさずゴンが仮面の鍵穴にアンロックの魔術を使い仮面を外す。

「ど、どうだ俺の実力は…」
「何でこの状況で勝ち誇れるんですか貴方は!しかし、本当に驚きました。あれこそ、時の大精霊。一体どうやって出会い、契約を結んだんですか?」
「教えるから…約束…言う事一回聞く…」
「ハイハイ、私に出来ることならいいですよ」

 それを聞いたバートは、顔をキラキラと輝かせながら学習机へと向かい、一冊のノートを差し出した。

「ゴン、これやってよ!」
「これは?」
「エッチな保険の先生と赤点生徒の補習風景という設定のエロ小説だ!俺がこっちの世界来てから、お前と俺をモデルにして毎日ちょっとずつ書いてたんだ!」

 それは、バートの性癖の全てが詰まったノートだった。ノートの表紙には長身で巨乳の竜人族と金髪の青年が描かれており、作中ではこの二人が保健室で補習と称したスケベ行為に及ぶ様だ。

「言いたいことは色々ありますが…、この表紙の人達は誰ですか?」
「俺とお前だよ!」
「私まだ子供ですし、今のバート様金髪じゃないですよね?ですので、この願いには応えられません」
「しまったああああ!!最初に会ったゴンと俺で設定しちまったぁー!」

 こうして色々あったが、この日は比較的平和に終わった。そう、明日からは昨日まではまだマシだったと思うような日々が始まる。その事をバートはまだ知らなかった。
    
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