23 / 55
第二章カスヤロウあがき編
あがき10:さらばカスヤロウ、また会う日まで
しおりを挟む
「そろそろマカダミアの領内ですかな?」
月が綺麗な深夜、私は馬車の御者席に座る殿下に聞いた。
「後半日ぐらいかな。確か、マカダミアまでの距離ってアーモンドからカシューまでと大体同じだったっけ?」
「はい」
アーモンド王国は大陸の南側にあり、カシューとマカダミアに接している。そして、この二国からさらに北にインゲンがあり、インゲンから船を出せば魔王の棲む島ピスタチオに辿り着く。
「マカダミアの試用者の居場所は既にマーガレットから聞いておりますから、合流したら直ぐにインゲンに向かいましよう」
「トホホですぞ」
「アタシら絶対神様の説教コースやん」
「うーん…」
しょんぼりと肩を落とすマーガレット。その横でヒースも複雑な表情を浮かべ、更に何故かマリアまで何かを考え込んでいた。
「どうしたマリア?この天使達に同情でもしているのか?」
「違いますよお父様。嫌な予感がするのです」
まるで本物の聖女みたいな事を言い出す。
「マリアよ心配無い、民衆の怒りも鎮め、王も協力的、殿下も偽聖女に関して共犯者となってくれた。この天使達も自ら世の中に波風を立てようとしないからノーコメントを貫いている。何を恐れているのだ?」
「今気付いたのですが、一番肝心な相手への対応が抜けてます。それは…」
マリアが何かを言おうとした時、爆発音と共に馬車が大きく揺れた。
「敵襲だ!」
外から殿下の声。このタイミングで誰だ?聖女会?山賊?私とは別に偽聖女で儲けようとした勢力?いずれにせよ、このまま馬車の中でじっとしていてもやられるだけ。私は意を決して馬車の外に飛び出した。
「あっちゃ~」
私は思わずマヌケな声を上げる。馬車の正面にはマーガレットを日焼けさせた様な筋肉質の魔族が仁王立ちしていた。そりゃあそうか。あれだけ大陸中に聖女再来を宣言してしまったのだ。そりゃ魔王軍に伝わるし、向こうから狙ってくるわなあ。
「見た感じ、かなりの上位魔族だな」
「違いますぞ!あ、あれは堕天使!」
私の予測をマーガレットが即座に否定する。
「その通りなのだ!僕が名は堕天使ジェニファー!今後ともよろしくなのだ!」
堕天使はご丁寧に挨拶してきた。声の大きさといい、完全にマーガレットの別カラーだ。
「で、その堕天使殿がこの聖女パーティに何の様ですかな?」
ションベンをチビリそうなのを顔に出さず、私は冷静を装い相手の目的を探る。生まれて一年のマーガレットがあれだけ強いのだ。それの先輩であろうこいつと今やりあうのは無謀すぎる。
私の名はクレイム。この国で一番頭が良い私は、何としてもこの難敵を口先で排除してみせる。
「堕天使ジェニファーよ、貴方の目的は何か?それ次第では、無駄な争いは避けられます。確か天使は地上で力を振るうには色々の制限があるのでは?」
「聞きたければ教えてやるのだ!僕は聖女システムを担当する天使だったけど、お前を中心とした愚かな人間がシステムを完全にぶっ壊してしまいクビになったのだ!今は堕天して魔王様からエネルギーを分けて貰っているから、活動限界はほぼ無くなったのだ!という訳で僕はお前らだけは絶対この手で始末するし、そこの聖女が偽物なのも知ってるのだ!」
そう言うとジェニファーは口から冷気を吐き出し周囲を凍らせた。私の身体も足元から徐々に凍っていく。
「お前が殺しても復活する事も僕は知ってるのだ。だから、生きたまま氷漬けにして魔王城に持ち帰るのだ」
ああ、意識が遠のいていく。私はここで終わるのか?いや、やれるだけの事はやってやる。そうだ、身体が完全に凍る前に心臓を穿けば!
「無駄なのだ。お前らは既に自分の意志では動けないのだ」
私達の身体はとっくに動かせなくなっていた。無念…。
と、その時だった。私の身体から冷たさが消え、私に張り付いていた氷だけが音を立てて崩れていった。
「な、何をしたのだ!お前、その格好はなんなのだ!」
「ふむ、どうやら日替わりスキルの事までは把握してない様だな。私はラッコマン。ラッコダンスの伝道師だ」
「意味が分からないしキモいのだ!」
どうやら、深夜0時を過ぎ日付けが変わった事でラッコの着ぐるみが自動で出現し、その圧力で氷を内側から破壊出来た様だ。
「暴力で解決するのは私の好みでは無い。だが、お前は私を逆恨みして聞く耳を持たないからな。ここは力づくで押し通る」
「逆恨みじゃないのだ!お前のせいなのだ!」
「黙れ、シェルクラッシャー!」
先手必勝。私はジェニファーの後頭部を全力で殴りつけた。しかし、ジェニファーは即座に起き上がり反撃の姿勢を取る。
「もう完全に怒ったのだ!僕の全身全霊を持って殺し…たら復活するから半殺しにして、改めて氷漬けなのだ!」
「ぬぅ、シェルクラッシャーが完全に入ったのに、あんま効いてない!」
やはり、この堕天使はマーガレットより数段強い。ラッコマンでも勝ちの目は薄いか。ならば!
「あっ、神様!」
「のだ?」
私が指差す方に素直に振り向くジェニファー。その隙に私はマリアの氷を砕き、彼女を抱いて近くの川に飛び込んだ。
「しまったのだ!逃げられたのだ!」
「わはは、さらばだ!」
殿下も天使達も多分死ぬ事は無いが、マリアはそうではない。そして、この先の策にはマリアの存在が必須なのだ。だから、マリアだけでも救い、この場は全力で逃げる。幸いラッコマンは泳ぎの達者。夜の闇に紛れてマカダミアの町まで泳ぎ切る事は可能だ。
「さようなら殿下、マーガレット、ヒース。いつか、必ず助けます」
おそらくは、あの三人はジェニファーにお持ち帰りされて魔王城に飾られ、場合によっては拷問されるか実験されるだろう。しかし、生きていればまた会える。その日までさらば!
月が綺麗な深夜、私は馬車の御者席に座る殿下に聞いた。
「後半日ぐらいかな。確か、マカダミアまでの距離ってアーモンドからカシューまでと大体同じだったっけ?」
「はい」
アーモンド王国は大陸の南側にあり、カシューとマカダミアに接している。そして、この二国からさらに北にインゲンがあり、インゲンから船を出せば魔王の棲む島ピスタチオに辿り着く。
「マカダミアの試用者の居場所は既にマーガレットから聞いておりますから、合流したら直ぐにインゲンに向かいましよう」
「トホホですぞ」
「アタシら絶対神様の説教コースやん」
「うーん…」
しょんぼりと肩を落とすマーガレット。その横でヒースも複雑な表情を浮かべ、更に何故かマリアまで何かを考え込んでいた。
「どうしたマリア?この天使達に同情でもしているのか?」
「違いますよお父様。嫌な予感がするのです」
まるで本物の聖女みたいな事を言い出す。
「マリアよ心配無い、民衆の怒りも鎮め、王も協力的、殿下も偽聖女に関して共犯者となってくれた。この天使達も自ら世の中に波風を立てようとしないからノーコメントを貫いている。何を恐れているのだ?」
「今気付いたのですが、一番肝心な相手への対応が抜けてます。それは…」
マリアが何かを言おうとした時、爆発音と共に馬車が大きく揺れた。
「敵襲だ!」
外から殿下の声。このタイミングで誰だ?聖女会?山賊?私とは別に偽聖女で儲けようとした勢力?いずれにせよ、このまま馬車の中でじっとしていてもやられるだけ。私は意を決して馬車の外に飛び出した。
「あっちゃ~」
私は思わずマヌケな声を上げる。馬車の正面にはマーガレットを日焼けさせた様な筋肉質の魔族が仁王立ちしていた。そりゃあそうか。あれだけ大陸中に聖女再来を宣言してしまったのだ。そりゃ魔王軍に伝わるし、向こうから狙ってくるわなあ。
「見た感じ、かなりの上位魔族だな」
「違いますぞ!あ、あれは堕天使!」
私の予測をマーガレットが即座に否定する。
「その通りなのだ!僕が名は堕天使ジェニファー!今後ともよろしくなのだ!」
堕天使はご丁寧に挨拶してきた。声の大きさといい、完全にマーガレットの別カラーだ。
「で、その堕天使殿がこの聖女パーティに何の様ですかな?」
ションベンをチビリそうなのを顔に出さず、私は冷静を装い相手の目的を探る。生まれて一年のマーガレットがあれだけ強いのだ。それの先輩であろうこいつと今やりあうのは無謀すぎる。
私の名はクレイム。この国で一番頭が良い私は、何としてもこの難敵を口先で排除してみせる。
「堕天使ジェニファーよ、貴方の目的は何か?それ次第では、無駄な争いは避けられます。確か天使は地上で力を振るうには色々の制限があるのでは?」
「聞きたければ教えてやるのだ!僕は聖女システムを担当する天使だったけど、お前を中心とした愚かな人間がシステムを完全にぶっ壊してしまいクビになったのだ!今は堕天して魔王様からエネルギーを分けて貰っているから、活動限界はほぼ無くなったのだ!という訳で僕はお前らだけは絶対この手で始末するし、そこの聖女が偽物なのも知ってるのだ!」
そう言うとジェニファーは口から冷気を吐き出し周囲を凍らせた。私の身体も足元から徐々に凍っていく。
「お前が殺しても復活する事も僕は知ってるのだ。だから、生きたまま氷漬けにして魔王城に持ち帰るのだ」
ああ、意識が遠のいていく。私はここで終わるのか?いや、やれるだけの事はやってやる。そうだ、身体が完全に凍る前に心臓を穿けば!
「無駄なのだ。お前らは既に自分の意志では動けないのだ」
私達の身体はとっくに動かせなくなっていた。無念…。
と、その時だった。私の身体から冷たさが消え、私に張り付いていた氷だけが音を立てて崩れていった。
「な、何をしたのだ!お前、その格好はなんなのだ!」
「ふむ、どうやら日替わりスキルの事までは把握してない様だな。私はラッコマン。ラッコダンスの伝道師だ」
「意味が分からないしキモいのだ!」
どうやら、深夜0時を過ぎ日付けが変わった事でラッコの着ぐるみが自動で出現し、その圧力で氷を内側から破壊出来た様だ。
「暴力で解決するのは私の好みでは無い。だが、お前は私を逆恨みして聞く耳を持たないからな。ここは力づくで押し通る」
「逆恨みじゃないのだ!お前のせいなのだ!」
「黙れ、シェルクラッシャー!」
先手必勝。私はジェニファーの後頭部を全力で殴りつけた。しかし、ジェニファーは即座に起き上がり反撃の姿勢を取る。
「もう完全に怒ったのだ!僕の全身全霊を持って殺し…たら復活するから半殺しにして、改めて氷漬けなのだ!」
「ぬぅ、シェルクラッシャーが完全に入ったのに、あんま効いてない!」
やはり、この堕天使はマーガレットより数段強い。ラッコマンでも勝ちの目は薄いか。ならば!
「あっ、神様!」
「のだ?」
私が指差す方に素直に振り向くジェニファー。その隙に私はマリアの氷を砕き、彼女を抱いて近くの川に飛び込んだ。
「しまったのだ!逃げられたのだ!」
「わはは、さらばだ!」
殿下も天使達も多分死ぬ事は無いが、マリアはそうではない。そして、この先の策にはマリアの存在が必須なのだ。だから、マリアだけでも救い、この場は全力で逃げる。幸いラッコマンは泳ぎの達者。夜の闇に紛れてマカダミアの町まで泳ぎ切る事は可能だ。
「さようなら殿下、マーガレット、ヒース。いつか、必ず助けます」
おそらくは、あの三人はジェニファーにお持ち帰りされて魔王城に飾られ、場合によっては拷問されるか実験されるだろう。しかし、生きていればまた会える。その日までさらば!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
ゴミスキル【生態鑑定】で追放された俺、実は動物や神獣の心が分かる最強能力だったので、もふもふ達と辺境で幸せなスローライフを送る
黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティの一員だったカイは、魔物の名前しか分からない【生態鑑定】スキルが原因で「役立たず」の烙印を押され、仲間から追放されてしまう。全てを失い、絶望の中でたどり着いた辺境の森。そこで彼は、自身のスキルが動物や魔物の「心」と意思疎通できる、唯一無二の能力であることに気づく。
森ウサギに衣食住を学び、神獣フェンリルやエンシェントドラゴンと友となり、もふもふな仲間たちに囲まれて、カイの穏やかなスローライフが始まった。彼が作る料理は魔物さえも惹きつけ、何気なく作った道具は「聖者の遺物」として王都を揺るがす。
一方、カイを失った勇者パーティは凋落の一途をたどっていた。自分たちの過ちに気づき、カイを連れ戻そうとする彼ら。しかし、カイの居場所は、もはやそこにはなかった。
これは、一人の心優しき青年が、大切な仲間たちと穏やかな日常を守るため、やがて伝説の「森の聖者」となる、心温まるスローライフファンタジー。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる