16 / 24
第五章 ゆらぎ
ゆらぎ②
しおりを挟む
案内された部屋では、二人の人物が、レオニーを待っていた。フェリクス・ナルスタス国王とモーリス・デュファス大公である。グレージュの髪に薄青の瞳のデュファス大公は、物腰は柔らかいが、その糸のように細い垂れた目の奥には不穏な光が宿っている。先王の母方の従兄弟に当たる人物ではあるが、フェリクス国王と血のつながりはない。国内で大きな力を持つ公爵家の生まれで、芸術に造詣が深く、理事長として王立芸術学院の運営に注力し政治の表舞台には立たない……と言うことになっている。
「先ほどまで、陛下とロレンツィオ王子の処罰について話し合っていたのだが」
大公は、挨拶もそこそこに、本題に入った。よく響く声に、威厳がある。
「レオニー殿、君は、学院長と親交が深いと聞いておる」
「はい。イルミナ・ルブラン学院長は、私の遠縁にあたり、王都に出てきた際に、後見人になって頂きました。その縁で、今も連絡を取り合っております」
「なるほどな。血縁関係は?」
「ございません」
「我らと同じだな。陛下と我と。それで、学院長からは、今回の件で何か聞いているか?」
「特には、何も。誰からも事情聴取ができないので、処分を下せないと、ぼやいておりました」
「なるほど。そうか。――では、我から伝えよう。我々の調べでは、今回の婚約破棄宣言は、日頃から、もやもやしていたロレンツィオ王子が、晴れの舞台で婚約者のユリアナ・バートン公爵令嬢が花束を持ってきたことで咎められた気がして、カッとなり、突発的に行ったものである。それは、気が進まぬ婚約を、自分からは破棄できないユリアナ嬢のためでもあった。ただ、我々の見解からすれば、ユリアナ・バートン公爵令嬢には、落ち度がない。学院では、節度ある態度を守っていたからな。王子の気持ちが定まらないことにまで、彼女に責任を問うことはできない。次に、ロザリンド・フェデラー伯爵令嬢であるが、彼女は、王子の婚約者が学内にいることは知らなかったようだし、王子が婚約破棄宣言をすることも知らなかった。だが無自覚に婚約者がいる王子を誘ったこと、騒動後、許可なく学院を抜け出し、王子の愛欲に身を委ねてしまったことは、当院の学生にあるまじき行為で、何らかの処分が必要である。教師間でも問題になっていたのだが、ロザリンド・フェデラーには、貴族の娘としての躾けが行き届いていない感が、日頃からあった。それを親の責任で片付けるには無理があり、もともと当学院にふさわしくない人間であったと結論づけるのが妥当であろう。だから、何らかの処分が下される。最後に王子だが、学院を個人的な断罪の場にしたこと、当院の学生にあるまじき行為を行ったことなどから、厳しい処分が必要。例え、王族であってもね。当院は、芸術に造詣が深かった第12代目ナルスタス王国国王、アルベルト・ナルスタスの名を冠して王家主導で設立された芸術家養成機関で、運営には、王族も関わっているから、当然のことであろう。また、学院長は……事件を未然に防げなかったことから、危機管理意識と教員への指導力が問われている。ユリアナ嬢が花束を持って行ったのは、学院長の計らいだったようだ。彼女としては、ユリアナ嬢の存在をアピールする地味な作戦だったのだが、これが裏目に出た。これがなければ、婚約破棄宣言は、なかったかも知れない。せめて、当たり障りのない服を着せていれば……。ユリアナ嬢は、奇っ怪なドレスを着ていたから、それが王子の反発を招いたという見方もある。あれは、確かに、気の毒だった……」
大公は、当時を思い起こすかのように、遠い目をした。レオニーは、何も答えない。冷静に、与えられた情報を、頭の中で分析している。
「この件に関して、王子の協力者はいないようだ。よって、我々は、王子単独での突発的かつ衝動的な行動、と位置づけた。そこで、当該三名の学生の今後だが――、ユリアナ・バートン公爵令嬢は、体調不良を理由に既に自主退学した。ロザリンド・フェデラー伯爵令嬢は、学院に籍を残したまま国外留学。他国の有名な音楽学校で一年間、研鑽を積むことになった。才能があるからな。それからロレンツィオ・ナルスタス王子だが――王族を抜け、音楽の道に進みたい旨、意思表示があった。プロのバイオリニストになって活動したいそうだが――、保留中である」
「保留中とは?」
「学院は、やめてもらう。あのようなスキャンダルを起こされた以上、他に道はない。ただ、立太子される可能性のある方を、おいそれと放り出すわけにはいかず、国と王家が処分を下し、更生の道を示した上での退学としたい。在学中、我らに夢を与えてくれたこと、慣習にとらわれず、新しい音楽表現の道筋を示し、生徒たちを牽引してくれたことを考慮してのことだ」
大公は、そこで話を切り、レオニーの様子を窺った。レオニーは、ロレンツィオ王子のことは、よく知らない。人柄も、バイオリンの腕前も。だから、そのような話をされても、首を傾げるばかりで、特に何の感想も持たなかった。無理に、ひねり出すとしたら、「ふーん」だろうか?
「それから、イルミナ・ルブラン学院長だが……長年、学院の発展に尽力してくれたので残ってもらうつもりでいるのだが……本人に気力がないようなので、どうしたものかと思っている」
レオニーは、はっとした。イルミナは、具合が悪いのだろうか?
「連絡を取ってみます。私の恩人ですし、大好きな人なので」
「そうか」
大公は、ホッとしたように言った。糸のような細い目の奥に、優しい光が宿っている。
「イルミナが天下の大魔術師の追っかけをしている話は本人から何度も聞いたが、想いは一方通行ではなかったのだな。イルミナが面白おかしく言っているだけで――。話を聞くたびにモヤモヤしていたが、そういうことなら……」
大公は、イルミナに対し、どこかほわほわとした温かい感情を持っているのが感じ取れた。大公が、イルミナを気にかけている。それは、レオニーにとって喜ばしいことだった。
「イルミナは、私が成人して独立した今も、気にかけてくれています。差し入れもしてくれますし、弟子の面倒も見てくれます」
「その君の弟子のことだが……アナイスと言ったかね?彼女を貸して欲しいのだが」
(え?)
なごみかけた空気が一転、話が、アナイスに行き、レオニーは、反射的に表情を硬くした。そんなレオニーを注視しながら、大公は言葉をゆっくりと紡ぐ。
「ここからが本題だ。君は、『ゆらぎ』を知っているかね?ここでいう『ゆらぎ』とは、音のことなのだが。揺らぐ音は耳に心地よい。ゆらぎがある声、ゆらぎがある音、それらは心地よく心に響く。だから、演奏家は歌うときや楽器を演奏するときに、わざと音を揺らすのだ。音楽用語では、ビブラートをかけるというのだが。実際に聞いてみるといい」
そういうやいなや、デュファス大公は、徐ろに傍らに置いていた包みを引き寄せ、解いた。中から出てきたのは、バイオリンと弓。それを顎の下に構え、弦を押さえた左手指を基点に左手を細かく動かし、演奏してみせる。ボワーンとした音が広がっていく。
「これがビブラートだ。まるで、君のようだね。存在自体が心地よい」そういいながら、今度は、左手指をしっかり押さえて弾いてみせた。今度は、キューンとした音がした。心に突き刺さるような音。
「これがビブラートなし。違うだろう?」
レオニーは頷く。
「このビブラートをかけるというのは、結構、大変なのだよ。王子が、バイオリニストの道を歩みたいというのだがね、プロの楽団でやっていくのは、無理だろうね。ビブラートも上手くかけられないのに……。そう言ったら、それなら路上のバイオリン弾きになるというのだが、そんなことさせられるか?顔を知られているから、大騒ぎになる。犯罪に巻き込まれる恐れもあるし。それで、トライアルを行うことにした」
「トライアル?審査するということですか?」
「そう、ビブラートのね。我が国の未開の森に住む魔物の中には、ゆらぐ音に反応し、寝てしまうものがいる。そこで、魔物の前でビブラートをかけたバイオリン演奏をして、見事、寝かしつけたら合格とし、彼が演奏家として独立するのを認め、全力でバックアップする。寝かしつけるだけでは不確かだから、評価は識者にしてもらう。未開の森の西側に賢者が住んでいるから、彼のところまで行き、判断を仰ぐ。賢者の判定が合格なら王族を離れ、バイオリニストとしての道へ。不合格ならあきらめて、為政者になるための勉学の道を歩んでもらう」
「その賢者とは?」
「マルクス・ダグラスだ。もう結構な年だろう。魔法騎士を長く勤め、魔物討伐に尽力して、勲章も授けられた人物だ。バイオリンが得意で、ゆらぐ音が一部の魔物を鎮めると気づいたのも、彼だ。引退して未開の森の西に住んでいるが、芸術学院の特別講師をしていたこともある。我が、理事長に就任する前のことだが」
「そのような方がいらっしゃるのですね。そこに、私の弟子が、どう絡んでくるのですか?」
「君の弟子には、王子に同行してもらいたいのだ。一人で未開の森に立ち入らせようとしても、王子は、その場に座り込んで動かないだろう。そのような幼い部分がある方だ。だが、自分より年若い女子がいれば、弱いところを見せたくなくて、張り切って森に足を踏み入れるのではないか?また、君の弟子は、人の心をほぐす天才だと聞いている。反抗期を拗らせた王子の素直な気持ちを聞きだして、反省を促し、未来につなげる一助になるのではないかと思われる」
何を言っているのだ、この男。レオニーは、不快の念をあらわにした。
「先ほどまで、陛下とロレンツィオ王子の処罰について話し合っていたのだが」
大公は、挨拶もそこそこに、本題に入った。よく響く声に、威厳がある。
「レオニー殿、君は、学院長と親交が深いと聞いておる」
「はい。イルミナ・ルブラン学院長は、私の遠縁にあたり、王都に出てきた際に、後見人になって頂きました。その縁で、今も連絡を取り合っております」
「なるほどな。血縁関係は?」
「ございません」
「我らと同じだな。陛下と我と。それで、学院長からは、今回の件で何か聞いているか?」
「特には、何も。誰からも事情聴取ができないので、処分を下せないと、ぼやいておりました」
「なるほど。そうか。――では、我から伝えよう。我々の調べでは、今回の婚約破棄宣言は、日頃から、もやもやしていたロレンツィオ王子が、晴れの舞台で婚約者のユリアナ・バートン公爵令嬢が花束を持ってきたことで咎められた気がして、カッとなり、突発的に行ったものである。それは、気が進まぬ婚約を、自分からは破棄できないユリアナ嬢のためでもあった。ただ、我々の見解からすれば、ユリアナ・バートン公爵令嬢には、落ち度がない。学院では、節度ある態度を守っていたからな。王子の気持ちが定まらないことにまで、彼女に責任を問うことはできない。次に、ロザリンド・フェデラー伯爵令嬢であるが、彼女は、王子の婚約者が学内にいることは知らなかったようだし、王子が婚約破棄宣言をすることも知らなかった。だが無自覚に婚約者がいる王子を誘ったこと、騒動後、許可なく学院を抜け出し、王子の愛欲に身を委ねてしまったことは、当院の学生にあるまじき行為で、何らかの処分が必要である。教師間でも問題になっていたのだが、ロザリンド・フェデラーには、貴族の娘としての躾けが行き届いていない感が、日頃からあった。それを親の責任で片付けるには無理があり、もともと当学院にふさわしくない人間であったと結論づけるのが妥当であろう。だから、何らかの処分が下される。最後に王子だが、学院を個人的な断罪の場にしたこと、当院の学生にあるまじき行為を行ったことなどから、厳しい処分が必要。例え、王族であってもね。当院は、芸術に造詣が深かった第12代目ナルスタス王国国王、アルベルト・ナルスタスの名を冠して王家主導で設立された芸術家養成機関で、運営には、王族も関わっているから、当然のことであろう。また、学院長は……事件を未然に防げなかったことから、危機管理意識と教員への指導力が問われている。ユリアナ嬢が花束を持って行ったのは、学院長の計らいだったようだ。彼女としては、ユリアナ嬢の存在をアピールする地味な作戦だったのだが、これが裏目に出た。これがなければ、婚約破棄宣言は、なかったかも知れない。せめて、当たり障りのない服を着せていれば……。ユリアナ嬢は、奇っ怪なドレスを着ていたから、それが王子の反発を招いたという見方もある。あれは、確かに、気の毒だった……」
大公は、当時を思い起こすかのように、遠い目をした。レオニーは、何も答えない。冷静に、与えられた情報を、頭の中で分析している。
「この件に関して、王子の協力者はいないようだ。よって、我々は、王子単独での突発的かつ衝動的な行動、と位置づけた。そこで、当該三名の学生の今後だが――、ユリアナ・バートン公爵令嬢は、体調不良を理由に既に自主退学した。ロザリンド・フェデラー伯爵令嬢は、学院に籍を残したまま国外留学。他国の有名な音楽学校で一年間、研鑽を積むことになった。才能があるからな。それからロレンツィオ・ナルスタス王子だが――王族を抜け、音楽の道に進みたい旨、意思表示があった。プロのバイオリニストになって活動したいそうだが――、保留中である」
「保留中とは?」
「学院は、やめてもらう。あのようなスキャンダルを起こされた以上、他に道はない。ただ、立太子される可能性のある方を、おいそれと放り出すわけにはいかず、国と王家が処分を下し、更生の道を示した上での退学としたい。在学中、我らに夢を与えてくれたこと、慣習にとらわれず、新しい音楽表現の道筋を示し、生徒たちを牽引してくれたことを考慮してのことだ」
大公は、そこで話を切り、レオニーの様子を窺った。レオニーは、ロレンツィオ王子のことは、よく知らない。人柄も、バイオリンの腕前も。だから、そのような話をされても、首を傾げるばかりで、特に何の感想も持たなかった。無理に、ひねり出すとしたら、「ふーん」だろうか?
「それから、イルミナ・ルブラン学院長だが……長年、学院の発展に尽力してくれたので残ってもらうつもりでいるのだが……本人に気力がないようなので、どうしたものかと思っている」
レオニーは、はっとした。イルミナは、具合が悪いのだろうか?
「連絡を取ってみます。私の恩人ですし、大好きな人なので」
「そうか」
大公は、ホッとしたように言った。糸のような細い目の奥に、優しい光が宿っている。
「イルミナが天下の大魔術師の追っかけをしている話は本人から何度も聞いたが、想いは一方通行ではなかったのだな。イルミナが面白おかしく言っているだけで――。話を聞くたびにモヤモヤしていたが、そういうことなら……」
大公は、イルミナに対し、どこかほわほわとした温かい感情を持っているのが感じ取れた。大公が、イルミナを気にかけている。それは、レオニーにとって喜ばしいことだった。
「イルミナは、私が成人して独立した今も、気にかけてくれています。差し入れもしてくれますし、弟子の面倒も見てくれます」
「その君の弟子のことだが……アナイスと言ったかね?彼女を貸して欲しいのだが」
(え?)
なごみかけた空気が一転、話が、アナイスに行き、レオニーは、反射的に表情を硬くした。そんなレオニーを注視しながら、大公は言葉をゆっくりと紡ぐ。
「ここからが本題だ。君は、『ゆらぎ』を知っているかね?ここでいう『ゆらぎ』とは、音のことなのだが。揺らぐ音は耳に心地よい。ゆらぎがある声、ゆらぎがある音、それらは心地よく心に響く。だから、演奏家は歌うときや楽器を演奏するときに、わざと音を揺らすのだ。音楽用語では、ビブラートをかけるというのだが。実際に聞いてみるといい」
そういうやいなや、デュファス大公は、徐ろに傍らに置いていた包みを引き寄せ、解いた。中から出てきたのは、バイオリンと弓。それを顎の下に構え、弦を押さえた左手指を基点に左手を細かく動かし、演奏してみせる。ボワーンとした音が広がっていく。
「これがビブラートだ。まるで、君のようだね。存在自体が心地よい」そういいながら、今度は、左手指をしっかり押さえて弾いてみせた。今度は、キューンとした音がした。心に突き刺さるような音。
「これがビブラートなし。違うだろう?」
レオニーは頷く。
「このビブラートをかけるというのは、結構、大変なのだよ。王子が、バイオリニストの道を歩みたいというのだがね、プロの楽団でやっていくのは、無理だろうね。ビブラートも上手くかけられないのに……。そう言ったら、それなら路上のバイオリン弾きになるというのだが、そんなことさせられるか?顔を知られているから、大騒ぎになる。犯罪に巻き込まれる恐れもあるし。それで、トライアルを行うことにした」
「トライアル?審査するということですか?」
「そう、ビブラートのね。我が国の未開の森に住む魔物の中には、ゆらぐ音に反応し、寝てしまうものがいる。そこで、魔物の前でビブラートをかけたバイオリン演奏をして、見事、寝かしつけたら合格とし、彼が演奏家として独立するのを認め、全力でバックアップする。寝かしつけるだけでは不確かだから、評価は識者にしてもらう。未開の森の西側に賢者が住んでいるから、彼のところまで行き、判断を仰ぐ。賢者の判定が合格なら王族を離れ、バイオリニストとしての道へ。不合格ならあきらめて、為政者になるための勉学の道を歩んでもらう」
「その賢者とは?」
「マルクス・ダグラスだ。もう結構な年だろう。魔法騎士を長く勤め、魔物討伐に尽力して、勲章も授けられた人物だ。バイオリンが得意で、ゆらぐ音が一部の魔物を鎮めると気づいたのも、彼だ。引退して未開の森の西に住んでいるが、芸術学院の特別講師をしていたこともある。我が、理事長に就任する前のことだが」
「そのような方がいらっしゃるのですね。そこに、私の弟子が、どう絡んでくるのですか?」
「君の弟子には、王子に同行してもらいたいのだ。一人で未開の森に立ち入らせようとしても、王子は、その場に座り込んで動かないだろう。そのような幼い部分がある方だ。だが、自分より年若い女子がいれば、弱いところを見せたくなくて、張り切って森に足を踏み入れるのではないか?また、君の弟子は、人の心をほぐす天才だと聞いている。反抗期を拗らせた王子の素直な気持ちを聞きだして、反省を促し、未来につなげる一助になるのではないかと思われる」
何を言っているのだ、この男。レオニーは、不快の念をあらわにした。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる