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プロローグ

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私、竹内よしかの一日は悲惨だ。
朝ごはんを食べ、家を出るまではごく普通の何処にでもいる女子高生なのだろう。
学校に行けばそれは崩れる。
平和など私の辞書にはないのだから。

「そうさ!私は虐めにあっている!...自慢にはならないけど。」
独りでボソボソ話していれば周りの人に冷たい目で見られている。痛い。これは痛いよ。精神が崩れるよ。
恐らくだが...いや確実に...か。
靴箱は悲劇を巻き起こしているだろう。
待て。待つんだ竹内よしか。奴らが靴箱だけで済ますと思うか?!いいや済まさない!どうしよう机に置いてきてしまったゲーム機終わった!忘れないよ君のことは!
「あれ高かったんだよな...。お年玉...。」
もういい諦めよう。面倒臭い。
学校面倒臭い。
「...ゲームやりたい...。切実に。」

────

わぁどうしよう。
色々無駄過ぎて脳内のエネルギー無くなるんじゃないかってくらいの考え事してたらもう着いたよ帰りたい。

ガチャ

「あー。案の定酷いことに...。」
「大丈夫?竹内さん。」
「わー。木島さんちょうどいいところに!この片付け任せたよ!」
よし逃げよう。面倒臭いけど掃除の方がよっぽど面倒臭い。逃げるが勝ちだね。
「待って!竹内さん待って!私も自分の掃除あるから!待ってお願い本当に待って!無視しないでぇぇぇぇ!」
あ、忘れてた。この五月蝿い人の名前は木島真央(キジママオ)。何処にでもいるありふれたような名前。そして私と同様虐められっ子である。
「五月蝿い木島さん。私は楽をするためなら君に擦り付けるのだよ諦めたまえそして寝たい。」
「ここ竹内さんの靴箱!竹内さんの靴箱だから!私がやる重要性も必要も責任もないから!」
...重要性とか必要性とか求めたらきりがなくないかな。
「知らんがな。ってかゲーム機!やばいゲーム機が!私のゲーム機!」
どうしようゲーム機が死滅しているかもしれない!既に破壊の道へ進んでしまいお亡くなりになられてるかもだけど!
「ゲーム機なんて知らんわ!いいからこれを...ってこら!...自分の靴箱の掃除ぐらいしてよ...。」
私は颯爽に走り去ったさ。ゲーム機の為に。

────

「oh......。ゲーム機...。oh......。」
絶望しよう。ゲーム機は既に殺められていたよ奴らのせいだ。
ゲーム機の仇はとる...!
「ねぇ次移動教室だよー。」
「えー...。音楽かぁ。私苦手。」
...移動教室?
それ私が世界一面倒臭いランキングTOP5にいれてるあの究極の面倒臭いやつやん。
行く必要などないけれど。
「...休まないとだめか...。成績がなぁ...。」
これから私は周りが言う虐めにあう。

────

「おっそ!あいつおっそ!」
「まぁまぁ...ズボラな塵ですからしょうがないですよ。ですが翔様を待たせるとはあの外道、とんだ馬鹿犬ですね。」
おいコラ誰が馬鹿犬だ。犬を貶すな犬を。
「...すいません。遅れました。」
少し萎れる。え?私の素性を知ってる人なんて家族と木島さん以外いないけど。
「おっそい!駄犬!私を待たせるとか馬鹿なの?違うか大馬鹿者だったわね既に!」
このうっざい人がリーダー(多分)米塚 翔(コメヅカショウ)。先輩。一様ね、先輩。
「翔様を待たせるなんてことしたからには相当な罰が必要ですね!ね!翔様!」
そして取り巻き鈴木 春(スズキハルカ)!
この人は私と同学年。
「あ、はい。本当すみません。」
「反省がなってない!」
やめてよ本当...。面倒臭いよ。先輩...。私の大事なゲームタイムが無くなるよ。
...なんだろう。これまでにない程嫌な予感がする。なんだろう。毛根消滅かな。やだなそれは。うん。
「まぁ別に?今日くらい許してやるけど?」
「...え。」
これか。嫌な予感これか。うっわ先輩が許したよ人をうっわきしょいわぁ...。
「お前の命日だし。」
...は。
命日?

つまり私は死ぬ。
「じゃ~ね~♡」
死ぬ...のか。
なんだ。あれ。頭に思い出が...。
これか走馬灯。初めて見たなぁ。
...お母さんとお父さんにありがとうぐらいいいたかったよ。
てか最後に聞いた声が先輩の泥声とかやだよ。


生まれてくる弟に...せめて会いたかった。





────



「...私...死ん.........ん?」


私は森にいました。

寝よう。
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