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第一章領地拡大編

降り立つ

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~回想~
「なんでスキルに説明がついてないんだ。分かりにくい」

「ははは。ごめんね~。普通こうやって選ぶことがないんだよ」

「この急所付きはなんだ?急所なんて決まってるだろ」

「それは魔物といわれる生物に対して有効だね。特殊な魔物もいるから。あとは怪我とかで弱っているところがわかるよ」

なるほど...使えるな


「おい。エクストラスキルってなんだ?聞いてないぞ」

「あぁ、それはまぁ最強スキルたちだけど使うのに条件がいるやつだね」

「条件?じゃあこの群を抜いてポイントが高いこの2つはどんな効果と条件が?」

「ラグナロク(パレード)は確か8000年前の魔王が持ってたやつだよ。地獄だったね(笑)効果は、お互いが仲間やラグナロク使用者に従っている、従えていると認識している人にド級の、数値的には5倍の身体能力向上を付与する」

「えげつないな。まさに終焉のパレードか」

「そ、で天上天下唯我独尊は簡単に言えばみんな尊いって意味なんだ。知ってた?でそれの(我)だからそのうえで我が尊い存在で一番だってこと。メチャクチャだよね。効果はまず対象がラグナロクと同じ。でその人たちの身体能力を半減してその半分を自分のものにするってやつ」

「それも中々」

「条件は両方一緒、どっちも仲間や従者がいないと意味ない。あと効果は一時的なもの。まぁスキルだからほとんど一時的なものだからアレだけど。あと反動があるってことかな」

そうか、


「もう決まったの?なんか、かなりバランスが悪い気がするけどその2個のエキストラスキルとるってことは世界でも滅ぼすつもり?」

「そんなことはない。」

「うん。そうだろうね。まぁ君のことだし無茶はしない気がしてたよ。気を付けなよ」

「あぁ」

「まぁ君が活躍してくれたら私も上級天使になれるかもだし頑張ってね」

「やりたいようにやるよ。助かった。ここからはどうするんだ?」

「何もしなくていいよ。あとはこっちで送るだけ。行先は上級天使が決めるから頑張ってね」

「あぁわかった」

スゥーーー



「どうされました?」

「いやなんでもない」

「それでどうしましょうか」
あまり気分が優れない様子...
突然父君がなくなられ領地を守る立場になったんだから当然と言えば当然ですね。


「んー。そうだな」
あれ。魂がなんちゃらかんちゃら言ってたから、森にリスポーンとか
赤ちゃんからスタートとか思ってたのに領主の息子って。
うん。でも今までの記憶が俺の中にも入っているおかげで何とかやっていけるか...
「えっと。なんだっけ?」

「男爵からの支援をしてあげようか的なあれです」
レオン様は優秀な方だ
でも私たち家臣でレオン様を支えていく、いや
私達でこの領地を作っていくのです。レオン様に頼ってばかりではあまりに酷ですから。

「そうだったな。別にいらないと思うんだど。」

「えぇ、私もそう思います」

「あ、そうだ。確か最近年々農業の収穫が芳しくないよね」

「そうですね。それについては私も少し調べてみたのですが、どこも同じようです」

「収穫率を調べたの?」

「他からの輸入も考えて値段がどのようなものか見てみたのです」

「なるほどね。それなんだけどさ、どうせ悪いならやり方を変えてみない?」

「はぁ。」

ということで転生して早速領地の改革を始めていくことにする
ただ改革といっても領内には5千人くらいしかいないし、やるとしても大規模なことはできない
ただやれることはたくさんある
だってこの国?世界?の人は肥料も使わない。同じ畑で同じ作物を育てる。っていうやっちゃいけないことをピックアップしてやってるんだもん
ってことでまず頭の中のことを共有するために紙に書きだすことにした

「ちょっと待ってね」

・肥料を使う
理由:人も栄養いるでしょ?いっぱい食べている人のほうが大きい体でしょ?だから土も太らす。その栄養として動物の糞を使う。名付けて肥料。
・同じものを育てない
理由:人も同じ物を食べてたら体調壊すでしょ?栄養が偏るのは良くない。
・農地を拡大する
理由:他も少ないなら輸出できるじゃん

・肥料をためるところを作るために土魔法師いるか呼びかけよう。いなけりゃ労働者雇う
・農地拡大のために労働者増やそう。といっても母数を変える必要があるから、女性だったり今まで農作業していなくて手が空いてる人
出来ないだろって?それは工夫だよ。力が少なくて済む農機を使う。あとは役割分担ね

「どう?」

「えぇ。そうですね。肥料?成功するでしょうか?」

「やってみないとわからないね。でもいけそうじゃない?人も植物も同じだって」

「そうでしょうか...あとは新しい農機とは?」

「今クワ使ってるじゃん。あんな全面で土を拾うからしんどいんだよ」

「はぁ」

「だからさ、こう。ほらみて?3又っていうの?これなら土を掘り返せて、でも力があんまりいらないでしょ?」

「たしかに...えぇ。これは使えるかもしれません!これを売りに出せば!」

「売りには出さないよ。当分はね。だって他の領地に農作物を売るうまみが少し減るじゃん。だから他の領地、特に西の辺境伯様のところで稼いでからで遅くないよ。」

「確かにどうでございますね。」
いったいどうされたのだろうか。
優秀なお方だけどこれは...
やけを起こされたのだろうか。
いや、それにしてはまっとうな方法のようにも思える
何よりも自信がおありのようだ
「ただ1つ問題が」

「問題?」

「えぇ水の問題があります」

「あぁそれはそうだね。でも大丈夫。木を用意してくれれば説明できるよ。」
「水を持ち上げるんだ(笑)」
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