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第80話 泰山! 少女と獣が往く仙人の山 (Aパート)
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「こりゃ快適でええのう」
株式会社魔法少女のオフィスビルの社長室で、煌黄はふんぞり返っている。
「年寄り臭いわね」
あるみはぼやく。
今社長室は萌実をおつかいで出払っているので、あるみと煌黄dの二人きりであった。
「童とて同じ反応をするわい」
「そうかしらね」
「お前もソファーで寝込むときはそんなことを言っているぞ」
あるみの肩に乗っているドラゴン型のマスコット・リリィが言う。
「え、そんなことないわよ」
「ホホホ、恥じることではないというわけじゃな」
「まあ、そうね……」
やりづらい、と、あるみは感じる。
しかし、仙人の彼女とはどうしても話しておかなければならないことがある。
「して、話とは何じゃ?」
「あなたの知っている情報を教えて欲しくてね」
「タダというわけにはいかんがな」
煌黄は杖をコンコンと叩いて、要求する姿勢を見せる。
「私の淹れたコーヒーはどうかしら?」
そう言って、テーブルにコーヒーを一式用意する。
「うむ、いただこう」
煌黄は興味津々にあるみの淹れたコーヒーをとる。
「濃くて苦いな。しかし、これも好ましい味じゃ」
「気に入っていただけて何より」
そう言って、あるみもコーヒーをすする。
「さて、それじゃ聞かせてもらいましょうか? ――あなたがこっちの世界にやってきた理由を」
「そうじゃのう」
煌黄は一瞬間を置き、一考してから答える。
「正直儂の手に余る事態じゃ。人に協力を仰ぐのは仙人としては恥じゃがな」
「私は人じゃなくて魔法少女よ」
「そうじゃったな」
煌黄は微笑んでから言う。
「そんな魔法少女のお主だからこそ打ち明けるのじゃ」
「――かなみちゃんが持ち込んできてしまった問題よね」
「気づいておったか。さしずめあの未来視を使う女性か」
「そうね、私の大事な仲間よ」
「未来視……千里眼ほどではないが、それに近いほどの能力じゃな。それで得た情報ならば儂が頼みたいことも検討がついとるじゃろ」
煌黄はあるみを試すように問いかける。
仙人に試される。
初めてのことではないけど、どうにも高見から見下ろされているようでいい気分ではない。とはいえ、人に協力を仰ぐのは仙人としては恥、といったように頼み込んでいるのだから、これでもへりくだっている方なのだ。
「ええ……別の平行世界から最高役員十二席の一人・ヘヴルがやってきたということね」
あるみはそれに応えて、来葉からの情報を言う。
「そうじゃ。かなみがこちらの世界に戻ってくるために一悶着があってな。巻き込まれてこちらにやってきてしまったんじゃ。それについては儂の落ち度じゃ」
「そのあたり、かなみちゃんのせいにはしないのね」
「たきつけたのはわしじゃしな。かなみの魔力にヘヴルが興味をもって姿を現わすとは思わんかった。仙人でも予測できんことはあるんじゃ」
仙人――人を超えた存在だからといって、未来を見通す眼をもっているとは限らない。
煌黄はそう言って自分の能力の不足を認める。同時に、未来視を持つ来葉は人として異質の存在だと遠回しに言っているようにあるみは感じた。
――まあ、そんなことはとっくの昔にわかっていることだけど、と、あるみは思った。
「別世界からやってきたヘヴルは必ずやこの世界に害を及ぼす。それを阻止するために儂はこの世界にやってきた」
「思っていた通りの目的ね」
「お見通しであったか」
煌黄は大したものじゃと言いたげにあるみを見上げる。
仙人に見上げられるのはいい気分だと、あるみは思った。
「とはいえ、口でいうほど簡単なことじゃないわね」
「じゃな。儂もそうそうにお手上げの白旗をふってしまうほどじゃ」
「おそらく、ヘヴルはネガサイドの本部へ合流しているでしょうね。そうなると迂闊に手出しはできないわ」
「うむ、向こうから動いてくれると手の打ちようがあるんじゃがな」
「そうね……こちらの仙人にも智慧を借りる必要があるわね」
「おお、こちらの仙人か!」
煌黄は興味を向ける。
「……というわけで、かなみちゃんにはコウちゃんと一緒にこのお寺に行ってもらうわ」
「何が、というわけなんですか……」
かなみはぼやく。
かなみからすると唐突に社長室に呼び出されたと思ったら、そんな指示を出されて困惑しているところだ。
「っていうか、なんでコウちゃんがここにいるんですか?」
「ホホホ、あるみちゃんのコーヒーをいただいておったところじゃ」
「あの、泥のように濃いやつを……」
カップを見るともう飲み干していた。さすがは仙人だと思ってしまう。
「地図はマニィに渡しておくわ。ボーナスは、――先方にきいてちょうだい」
「ええ、教えてくれないんですか?」
「そのぼうなすとやらは、かなみにとってそんなに大事なものなのか?」
「生死を分ける最重要事項よ!」
「おお、それはなんとしても先方に勝ち取らねばならんな!」
煌黄は悪乗りしてくるが、かなみの方は真剣そのものであった。何しろ、ボーナスが無ければ明日の食事にも困る有様なのだから。
「そんなわけだから頑張ってね」
あるみは白々しいまでの笑顔で手を振る。
「かなみ、社長のことはよくわかってると思うけど」
「ええ、わかってるわ」
マニィの進言にかなみは頷く。
「ああなったら何を言っても無駄なことくらい」
そして、かなみはため息をつく。
「ほうほう、これが電車というものか」
煌黄は興味津々に回る。
自動ドア、座席、窓ガラス、果てはつり革にぶらさがったりまでして、恥ずかしいものだからかなみは止めさせた。
「仙人なのに子供みたいにはしゃいで」
「そういうでない。儂の目に映る人の世はいつも新鮮でな。ついついはしゃいでしまうんじゃ」
「長生きしてるんだから、年長者らしい落ち着きを」
「そうはいうても、お主の周りの年長者は相応の落ち着きを持っとるんか?」
煌黄に問われて、かなみは頭の上で思い浮かべる。
「社長は言うまでも無く、母さんもマイペースで落ち着きないし、千歳さんも賑わしいし……あ、でも来葉さんは冷静で知的で落ち着いた感じよ!」
「なんじゃ、落ち着いた年長者もおるんか」
「年長者はそういうものよ」
「ふむ、三つ子の魂百までともいう。あるみちゃんなぞ百歳でもあの調子でいそうじゃぞ」
「それは確かに……」
あるみが三十歳ということも信じられないほどの若々しさなのだから、百歳どころ二百歳でも同じ感じでいそうだ。
「ある種、落ち着きの無さは若さの証ともいうぞ」
「私は……もっと、落ち着きのある大人になりたい」
「ホホホ、目標があることはいいことじゃ」
「なんでそこで笑うのかしら?」
かなみは腑に落ちなかった。
電車を降りて、バスで山奥に向かう。
「仙人ってやっぱり山奥に住んでるものなの?」
「そうじゃな。あまり人と関わらないようにしておるから、自ずと住む場所も山奥になるんじゃ」
「人と関わらないように、って人が嫌いなの?」
「そうとも限らん。我々は人を超えたチカラを持つゆえに無用な争いを起こしてしまう恐れがあるからじゃ」
「恐れって……そんなことあるの?」
「チカラはさらなるチカラを引き寄せるタチなのじゃ。お主も身に覚えはないか?」
そう言われて、カリウスの台詞が脳裏をよぎる。
――私が求めてやまない混沌を生み出すチカラといっていい
「ある、かもしれない……」
自分にはそのチカラがあるとは思えないし、思いたくない。
しかし、事実としてカリウスからその直後に判真と出くわして、混沌極まりない戦いに巻き込まれた。そうなるといやがおうにもそんなチカラがあるのかもしれないと考えてしまう。
「その自覚があるのならよい。フフ、えてして本人は気づかぬものじゃからな。
気づきというのは重要なのじゃぞ、自覚ないまま突き進んでしまって取り返しのつかないことになってしまうこともままあるからのう」
煌黄にそう言われて、かなみはドキリとする。
仙人の言うことだから、それが真実のように聞こえて仕方が無い。
「取返しのつかないことって何?」
「……秘密じゃ」
「……え?」
「ホホホ、そのあたりは自分で考えるんじゃ」
煌黄は笑いながら
「む、そろそろ結界に入った頃かのう」
煌黄は外へ目を向ける。
「結界?」
「うむ、用心深い仙人のようじゃのう……いや、儂達を案内してくれるようじゃから親切かのう」
「言ってる意味がわからないんだけど」
「気づかぬか?」
そう言われると、違和感を覚える。
そもそもこのバスは自分達以外に客がいない。それどころか運転手もいない。
魔法か何かでこのバスは動いていることがすぐに察しがつく。
しかもこのバスは道路を走っていない。山の中の獣道を平坦な道を走っているかのようにスイスイと進んでいく。
「歓迎されとるようじゃ。人間のお主に気を遣っとるようじゃ」
「え、そう?」
「儂一人だったら、こんなやり方で案内はせんじゃろう。雲か絨毯か何か用意するか、あるいは一人で歩いてこいとでもいうかもしれんな」
「そ、そういうものなの……?」
どうにも仙人が考えていること、やることがわからない。人の常識では推し量れないところがある。
確かにバスに揺られていると落ち着く。乗り慣れているバスそのものだからだろう。
しかし、道路の上を走っているわけではなく山の獣道の上を走っているのがなんとも新鮮であった。
一時間経つとバスは止まる。
「そういえば、運賃は先に払ってたわね」
バスを降りると、かなみは思い出す。
「賽銭みたいなものだと思えばいいよ」
マニィは言う。
しかし、運賃の三百円はかなみからしてみれば決して安くない。ちなみに煌黄は素通りで乗り込んでいる。
「仙人が運んでいるんなら、無料でもいいのに……」
ぼやかずにはいられない。
「ホホホ、案外守銭奴なやつじゃのう。会うのが楽しみじゃ」
煌黄は意気揚々と言うけど、正直かなみは少し会いたくないと思い始めていた。
「……これ、石階段を登るの……?」
目の前に広がっている石階段を見上げる。
どうみても百段以上ある。
「これは腰にきそうだな」
そう言いながらも煌黄はスキップで上がっていく。
「さすが仙人様、元気ね」
あの調子じゃ絶対に腰を痛めることは無いだろうと思った。
「……はあ、いくしかないわね」
諦めと踏ん切りをつけて、かなみは階段を上がっていく。
「どうしたんじゃ、そんな調子じゃ日が暮れてしまうぞ!」
遥か上から煌黄が手を振って急かす。
「き、気楽に言わないでよ」
息が上がり始めてきた。
一段あがるごとに、上げる足が重くなっていくように感じる。
いつまで続くんだろうと上を見上げてまだまだ続いていることに、気力がなえる。
「ちょ、ちょっと休憩を」
「何言ってるんじゃ? まだ半分ぐらい残っとるんじゃぞ!」
「そんなこと言ったって……」
「――情けない姿だな」
「え!?」
唐突に聞こえてきた声にかなみは驚く。
蛇の尻尾が見え、見上げると熊のような巨体があった。
「――ヨロズ!?」
「久しいな」
「どうして、あんたがここに!?」
こんなところで怪人のヨロズと出くわすなんて思いもしなかった。
仙人が住んでいる山奥。しかも、かなみ達は仙人が魔法か何かで操縦するバスの案内でやってきた。怪人どころか人にだって会うはずがない。
「目的があって出向いている」
「目的?」
それは何か? と問いかけようとして、ヨロズは石段を上がっていく。
「ちょっと、待ちなさい!」
かなみは追いかける。
石段の先には仙人がいるはず。
もしや、仙人に何かするのではないか。
「あんた、まさか仙人を?」
「仙人をどうこうしようとは思っていない」
「……え?」
かなみの問いかけにヨロズはあっさりと答えた。
「だが、仙人の仙術は今の俺にとって必要なものだ」
「どういうこと?」
「………………」
ヨロズは何も答えず、代わりにその肩からオプスが顔を出す。
「――!」
リュミィはオプスに会えたことで嬉々としてかなみの頭上を飛び回る。
リュミィとオプスは同じ場所、同じ日、同じ時間に生まれた妖精。妖精に兄妹という概念があるのかあるみにもわからないといっていたけど、人間でいうなら兄妹といってもいい間柄だ。
ヨロズと会うのは第三次の選考試験以来で、それが随分昔に思える。
自分とヨロズは敵対しているというのに、リュミィとオプスは仲が良いように見える。
オプスだけこっちにきてもいいんじゃないか、と思うぐらい。
でも、オプスはヨロズと一緒にいる方がいい、とそう言うかもしれない。オプスの言葉を聞き取ったことはないけど。
――オプスに会えて嬉しいわ!
頭上のリュミィがそう言っているように聞こえた。
別の平行世界から戻ってきて以来、リュミィの言葉は聞き取れていない。
結局、ヨロズのあとを追いかけているうちに石段を上りきった。
「ハァハァ……」
上がりきったところで、足がガタガタになって膝を突く。
「なんじゃ、御両人で登頂か?」
煌黄は茶化すように言う。
「ご、御両人って、私と彼はそんな関係じゃ」
「好敵手。そういう間柄じゃろ」
「え……?」
一目でかなみとヨロズの関係を見抜いて、面を食らわせる。
「………………」
その点について、ヨロズは否定しない。
「中々悪(あ)しき面構えじゃな。なるほど、かなみとは対極にあるようじゃ。いや、どこか似ているのう、ホホホ」
「私とヨロズが……?」
かなみはヨロズの顔を見上げる。
「………………」
ヨロズはただ沈黙して進む。
「沈黙は肯定なり、ホホホ」
煌黄は笑って言うけど、かなみは果たしてそうだろうかと疑問に思う。
石段を上がった先に寺があった。
木造だけど、木材が老朽化し、腐った部分まで見えている。今にも崩れ落ちそうである。
(この中に入るの……?)
かなみは入ることにためらいを覚える。
「ホホホ」
煌黄は一切ためらわず、笑いながら入っていく。
(仙人はここを崩れないことを知っているのかしら? だったら安心ね)
そう思って、かなみは後を追って入る。
キシィ、キシィ
続いてヨロズが入る。
熊のような巨体のため、一歩あるごとに物々しい足音とともに木材が軋む音がする。
かなみはその音を聞くたびに、寺が崩れてしまわないか肝を冷やす。
「あ、あんた、慎重に進みなさいよ!」
「どうした?」
「どうした、じゃないってのよ? あんたが歩くとこの寺が」
キシィ、キシィ
「わあ!? 一歩歩くたびにギィギィいってる!!」
「寺が、どうした?」
ヨロズはぶっきらぼうに言う。
自分の足どりで寺が崩れ落ちてしまわないかなんて気にも留めていない。いや、ヨロズの頑強な身体だったら仮に寺が落ちても平気だろう。巻き込まれたらたまったものではないが。
「っていうか、あんたも仙人に用があるの?」
「用がある」
かなみは思い切って問いかけてみたけど、ヨロズはあっさりと答える。
「……用ってなに?」
「………………」
そこまでは答えなかった。
入り口から廊下を歩いてお堂に入る。煌黄の後を追ってだから迷うことは無かった。
彼女もかなみと同様、初めてここへ来たにも関わらず、迷いなく動く。仙人だからそういう勘が働くのだろうか。
そして、そのお堂はというと、老朽化した外見やここまでの廊下の道のりと似ても似つかない立派な造りで新築といっていい。そして奥にはこれまた見事な仏像が建っていた。
仏像……はっきりいって、かなみにはいい思い出が無い。
「これが仙人?」
仏像の怪人と戦ったことがあるから、この仏像が仙人でいきなり動かしても驚かなかった。
「いや、これはただの飾りじゃな」
煌黄はそう言い切る。
「そうだな、俗世では箔ともいう。つけるにこしたことはない」
仏像の傍らから白い髭が足まである二頭身ぐらいの男性が現れる。
仙人、というより、仙人のマスコットキャラみたいな風貌だ。
「お主がここの主で仙人か?」
「いかにも。悠亀(ゆかめ)という」
「儂は煌黄。別世界の仙人に会えて嬉しい」
「誰であれ客は歓迎する。そこの怪人のようにな」
悠亀がそう言うと、かなみはヨロズへ目を向ける。
「客……?」
「歓迎してくれるのはありがたい。最悪門前払いも有り得るかと思ったが」
「我はそのような了見の狭い仙人ではないよ。とはいえ、自分以外の仙人に会うのはいつ以来か。三百年ぶりくらいか」
「それはまあ随分と会ってないな。隠居しているつもりか、――儂より若そうだというのに」
「ええ!?」
かなみは煌黄と悠亀を見比べる。
煌黄は自分より大分若く、悠亀はいかにも千年以上生きている仙人といった見た目だ。どちらが若いと問われれば迷いなく悠亀を選ぶ。
とはいえ、煌黄は自分の姿を自在に変えられるらしいので見た目というのはあてにならない。頭ではわかっているものの、どうしても見た目で第一印象を判断してしまう。
「歳の話はやめておいた方がよかったかのう」
「我々仙人の間ではあまりにも不毛な話題だ。して、今日は何用で?」
悠亀は問いかける。
「挨拶じゃ。それとちいとばかし相談に乗って欲しくてな」
「ふむ。異変はこちらでも感じているが、我は俗世を離れて久しい。どれほどチカラになれるか」
「この世界の情勢については疎い。智慧を借りたいのじゃ」
「よかろう」
悠亀は快く引き受ける。
「――ただ」
悠亀はかなみとヨロズに目を向ける。
「そなた達は表に出てもらおうか」
「達って、私?」
かなみは訊き返す。
「うむ。そうじゃな、そなた達には戦ってもらおうかのう」
「……戦う?」
唐突な提案に、理解が追いつかない。
戦う? 誰と誰が? 一体何のために?
「――承知した」
ヨロズは応じる。
「ええ!?」
「では表に出てもらおうか」
「ちょ、ちょっと待って」
かなみは止める。
いきなりこんなこと言われて、ヨロズと戦うなんてできるはずがない。
「出てもらおうか」
悠亀は続けて言う。
その言には、仙人に相応しい有無を言わさぬ圧力を感じた。
「は、はい……」
株式会社魔法少女のオフィスビルの社長室で、煌黄はふんぞり返っている。
「年寄り臭いわね」
あるみはぼやく。
今社長室は萌実をおつかいで出払っているので、あるみと煌黄dの二人きりであった。
「童とて同じ反応をするわい」
「そうかしらね」
「お前もソファーで寝込むときはそんなことを言っているぞ」
あるみの肩に乗っているドラゴン型のマスコット・リリィが言う。
「え、そんなことないわよ」
「ホホホ、恥じることではないというわけじゃな」
「まあ、そうね……」
やりづらい、と、あるみは感じる。
しかし、仙人の彼女とはどうしても話しておかなければならないことがある。
「して、話とは何じゃ?」
「あなたの知っている情報を教えて欲しくてね」
「タダというわけにはいかんがな」
煌黄は杖をコンコンと叩いて、要求する姿勢を見せる。
「私の淹れたコーヒーはどうかしら?」
そう言って、テーブルにコーヒーを一式用意する。
「うむ、いただこう」
煌黄は興味津々にあるみの淹れたコーヒーをとる。
「濃くて苦いな。しかし、これも好ましい味じゃ」
「気に入っていただけて何より」
そう言って、あるみもコーヒーをすする。
「さて、それじゃ聞かせてもらいましょうか? ――あなたがこっちの世界にやってきた理由を」
「そうじゃのう」
煌黄は一瞬間を置き、一考してから答える。
「正直儂の手に余る事態じゃ。人に協力を仰ぐのは仙人としては恥じゃがな」
「私は人じゃなくて魔法少女よ」
「そうじゃったな」
煌黄は微笑んでから言う。
「そんな魔法少女のお主だからこそ打ち明けるのじゃ」
「――かなみちゃんが持ち込んできてしまった問題よね」
「気づいておったか。さしずめあの未来視を使う女性か」
「そうね、私の大事な仲間よ」
「未来視……千里眼ほどではないが、それに近いほどの能力じゃな。それで得た情報ならば儂が頼みたいことも検討がついとるじゃろ」
煌黄はあるみを試すように問いかける。
仙人に試される。
初めてのことではないけど、どうにも高見から見下ろされているようでいい気分ではない。とはいえ、人に協力を仰ぐのは仙人としては恥、といったように頼み込んでいるのだから、これでもへりくだっている方なのだ。
「ええ……別の平行世界から最高役員十二席の一人・ヘヴルがやってきたということね」
あるみはそれに応えて、来葉からの情報を言う。
「そうじゃ。かなみがこちらの世界に戻ってくるために一悶着があってな。巻き込まれてこちらにやってきてしまったんじゃ。それについては儂の落ち度じゃ」
「そのあたり、かなみちゃんのせいにはしないのね」
「たきつけたのはわしじゃしな。かなみの魔力にヘヴルが興味をもって姿を現わすとは思わんかった。仙人でも予測できんことはあるんじゃ」
仙人――人を超えた存在だからといって、未来を見通す眼をもっているとは限らない。
煌黄はそう言って自分の能力の不足を認める。同時に、未来視を持つ来葉は人として異質の存在だと遠回しに言っているようにあるみは感じた。
――まあ、そんなことはとっくの昔にわかっていることだけど、と、あるみは思った。
「別世界からやってきたヘヴルは必ずやこの世界に害を及ぼす。それを阻止するために儂はこの世界にやってきた」
「思っていた通りの目的ね」
「お見通しであったか」
煌黄は大したものじゃと言いたげにあるみを見上げる。
仙人に見上げられるのはいい気分だと、あるみは思った。
「とはいえ、口でいうほど簡単なことじゃないわね」
「じゃな。儂もそうそうにお手上げの白旗をふってしまうほどじゃ」
「おそらく、ヘヴルはネガサイドの本部へ合流しているでしょうね。そうなると迂闊に手出しはできないわ」
「うむ、向こうから動いてくれると手の打ちようがあるんじゃがな」
「そうね……こちらの仙人にも智慧を借りる必要があるわね」
「おお、こちらの仙人か!」
煌黄は興味を向ける。
「……というわけで、かなみちゃんにはコウちゃんと一緒にこのお寺に行ってもらうわ」
「何が、というわけなんですか……」
かなみはぼやく。
かなみからすると唐突に社長室に呼び出されたと思ったら、そんな指示を出されて困惑しているところだ。
「っていうか、なんでコウちゃんがここにいるんですか?」
「ホホホ、あるみちゃんのコーヒーをいただいておったところじゃ」
「あの、泥のように濃いやつを……」
カップを見るともう飲み干していた。さすがは仙人だと思ってしまう。
「地図はマニィに渡しておくわ。ボーナスは、――先方にきいてちょうだい」
「ええ、教えてくれないんですか?」
「そのぼうなすとやらは、かなみにとってそんなに大事なものなのか?」
「生死を分ける最重要事項よ!」
「おお、それはなんとしても先方に勝ち取らねばならんな!」
煌黄は悪乗りしてくるが、かなみの方は真剣そのものであった。何しろ、ボーナスが無ければ明日の食事にも困る有様なのだから。
「そんなわけだから頑張ってね」
あるみは白々しいまでの笑顔で手を振る。
「かなみ、社長のことはよくわかってると思うけど」
「ええ、わかってるわ」
マニィの進言にかなみは頷く。
「ああなったら何を言っても無駄なことくらい」
そして、かなみはため息をつく。
「ほうほう、これが電車というものか」
煌黄は興味津々に回る。
自動ドア、座席、窓ガラス、果てはつり革にぶらさがったりまでして、恥ずかしいものだからかなみは止めさせた。
「仙人なのに子供みたいにはしゃいで」
「そういうでない。儂の目に映る人の世はいつも新鮮でな。ついついはしゃいでしまうんじゃ」
「長生きしてるんだから、年長者らしい落ち着きを」
「そうはいうても、お主の周りの年長者は相応の落ち着きを持っとるんか?」
煌黄に問われて、かなみは頭の上で思い浮かべる。
「社長は言うまでも無く、母さんもマイペースで落ち着きないし、千歳さんも賑わしいし……あ、でも来葉さんは冷静で知的で落ち着いた感じよ!」
「なんじゃ、落ち着いた年長者もおるんか」
「年長者はそういうものよ」
「ふむ、三つ子の魂百までともいう。あるみちゃんなぞ百歳でもあの調子でいそうじゃぞ」
「それは確かに……」
あるみが三十歳ということも信じられないほどの若々しさなのだから、百歳どころ二百歳でも同じ感じでいそうだ。
「ある種、落ち着きの無さは若さの証ともいうぞ」
「私は……もっと、落ち着きのある大人になりたい」
「ホホホ、目標があることはいいことじゃ」
「なんでそこで笑うのかしら?」
かなみは腑に落ちなかった。
電車を降りて、バスで山奥に向かう。
「仙人ってやっぱり山奥に住んでるものなの?」
「そうじゃな。あまり人と関わらないようにしておるから、自ずと住む場所も山奥になるんじゃ」
「人と関わらないように、って人が嫌いなの?」
「そうとも限らん。我々は人を超えたチカラを持つゆえに無用な争いを起こしてしまう恐れがあるからじゃ」
「恐れって……そんなことあるの?」
「チカラはさらなるチカラを引き寄せるタチなのじゃ。お主も身に覚えはないか?」
そう言われて、カリウスの台詞が脳裏をよぎる。
――私が求めてやまない混沌を生み出すチカラといっていい
「ある、かもしれない……」
自分にはそのチカラがあるとは思えないし、思いたくない。
しかし、事実としてカリウスからその直後に判真と出くわして、混沌極まりない戦いに巻き込まれた。そうなるといやがおうにもそんなチカラがあるのかもしれないと考えてしまう。
「その自覚があるのならよい。フフ、えてして本人は気づかぬものじゃからな。
気づきというのは重要なのじゃぞ、自覚ないまま突き進んでしまって取り返しのつかないことになってしまうこともままあるからのう」
煌黄にそう言われて、かなみはドキリとする。
仙人の言うことだから、それが真実のように聞こえて仕方が無い。
「取返しのつかないことって何?」
「……秘密じゃ」
「……え?」
「ホホホ、そのあたりは自分で考えるんじゃ」
煌黄は笑いながら
「む、そろそろ結界に入った頃かのう」
煌黄は外へ目を向ける。
「結界?」
「うむ、用心深い仙人のようじゃのう……いや、儂達を案内してくれるようじゃから親切かのう」
「言ってる意味がわからないんだけど」
「気づかぬか?」
そう言われると、違和感を覚える。
そもそもこのバスは自分達以外に客がいない。それどころか運転手もいない。
魔法か何かでこのバスは動いていることがすぐに察しがつく。
しかもこのバスは道路を走っていない。山の中の獣道を平坦な道を走っているかのようにスイスイと進んでいく。
「歓迎されとるようじゃ。人間のお主に気を遣っとるようじゃ」
「え、そう?」
「儂一人だったら、こんなやり方で案内はせんじゃろう。雲か絨毯か何か用意するか、あるいは一人で歩いてこいとでもいうかもしれんな」
「そ、そういうものなの……?」
どうにも仙人が考えていること、やることがわからない。人の常識では推し量れないところがある。
確かにバスに揺られていると落ち着く。乗り慣れているバスそのものだからだろう。
しかし、道路の上を走っているわけではなく山の獣道の上を走っているのがなんとも新鮮であった。
一時間経つとバスは止まる。
「そういえば、運賃は先に払ってたわね」
バスを降りると、かなみは思い出す。
「賽銭みたいなものだと思えばいいよ」
マニィは言う。
しかし、運賃の三百円はかなみからしてみれば決して安くない。ちなみに煌黄は素通りで乗り込んでいる。
「仙人が運んでいるんなら、無料でもいいのに……」
ぼやかずにはいられない。
「ホホホ、案外守銭奴なやつじゃのう。会うのが楽しみじゃ」
煌黄は意気揚々と言うけど、正直かなみは少し会いたくないと思い始めていた。
「……これ、石階段を登るの……?」
目の前に広がっている石階段を見上げる。
どうみても百段以上ある。
「これは腰にきそうだな」
そう言いながらも煌黄はスキップで上がっていく。
「さすが仙人様、元気ね」
あの調子じゃ絶対に腰を痛めることは無いだろうと思った。
「……はあ、いくしかないわね」
諦めと踏ん切りをつけて、かなみは階段を上がっていく。
「どうしたんじゃ、そんな調子じゃ日が暮れてしまうぞ!」
遥か上から煌黄が手を振って急かす。
「き、気楽に言わないでよ」
息が上がり始めてきた。
一段あがるごとに、上げる足が重くなっていくように感じる。
いつまで続くんだろうと上を見上げてまだまだ続いていることに、気力がなえる。
「ちょ、ちょっと休憩を」
「何言ってるんじゃ? まだ半分ぐらい残っとるんじゃぞ!」
「そんなこと言ったって……」
「――情けない姿だな」
「え!?」
唐突に聞こえてきた声にかなみは驚く。
蛇の尻尾が見え、見上げると熊のような巨体があった。
「――ヨロズ!?」
「久しいな」
「どうして、あんたがここに!?」
こんなところで怪人のヨロズと出くわすなんて思いもしなかった。
仙人が住んでいる山奥。しかも、かなみ達は仙人が魔法か何かで操縦するバスの案内でやってきた。怪人どころか人にだって会うはずがない。
「目的があって出向いている」
「目的?」
それは何か? と問いかけようとして、ヨロズは石段を上がっていく。
「ちょっと、待ちなさい!」
かなみは追いかける。
石段の先には仙人がいるはず。
もしや、仙人に何かするのではないか。
「あんた、まさか仙人を?」
「仙人をどうこうしようとは思っていない」
「……え?」
かなみの問いかけにヨロズはあっさりと答えた。
「だが、仙人の仙術は今の俺にとって必要なものだ」
「どういうこと?」
「………………」
ヨロズは何も答えず、代わりにその肩からオプスが顔を出す。
「――!」
リュミィはオプスに会えたことで嬉々としてかなみの頭上を飛び回る。
リュミィとオプスは同じ場所、同じ日、同じ時間に生まれた妖精。妖精に兄妹という概念があるのかあるみにもわからないといっていたけど、人間でいうなら兄妹といってもいい間柄だ。
ヨロズと会うのは第三次の選考試験以来で、それが随分昔に思える。
自分とヨロズは敵対しているというのに、リュミィとオプスは仲が良いように見える。
オプスだけこっちにきてもいいんじゃないか、と思うぐらい。
でも、オプスはヨロズと一緒にいる方がいい、とそう言うかもしれない。オプスの言葉を聞き取ったことはないけど。
――オプスに会えて嬉しいわ!
頭上のリュミィがそう言っているように聞こえた。
別の平行世界から戻ってきて以来、リュミィの言葉は聞き取れていない。
結局、ヨロズのあとを追いかけているうちに石段を上りきった。
「ハァハァ……」
上がりきったところで、足がガタガタになって膝を突く。
「なんじゃ、御両人で登頂か?」
煌黄は茶化すように言う。
「ご、御両人って、私と彼はそんな関係じゃ」
「好敵手。そういう間柄じゃろ」
「え……?」
一目でかなみとヨロズの関係を見抜いて、面を食らわせる。
「………………」
その点について、ヨロズは否定しない。
「中々悪(あ)しき面構えじゃな。なるほど、かなみとは対極にあるようじゃ。いや、どこか似ているのう、ホホホ」
「私とヨロズが……?」
かなみはヨロズの顔を見上げる。
「………………」
ヨロズはただ沈黙して進む。
「沈黙は肯定なり、ホホホ」
煌黄は笑って言うけど、かなみは果たしてそうだろうかと疑問に思う。
石段を上がった先に寺があった。
木造だけど、木材が老朽化し、腐った部分まで見えている。今にも崩れ落ちそうである。
(この中に入るの……?)
かなみは入ることにためらいを覚える。
「ホホホ」
煌黄は一切ためらわず、笑いながら入っていく。
(仙人はここを崩れないことを知っているのかしら? だったら安心ね)
そう思って、かなみは後を追って入る。
キシィ、キシィ
続いてヨロズが入る。
熊のような巨体のため、一歩あるごとに物々しい足音とともに木材が軋む音がする。
かなみはその音を聞くたびに、寺が崩れてしまわないか肝を冷やす。
「あ、あんた、慎重に進みなさいよ!」
「どうした?」
「どうした、じゃないってのよ? あんたが歩くとこの寺が」
キシィ、キシィ
「わあ!? 一歩歩くたびにギィギィいってる!!」
「寺が、どうした?」
ヨロズはぶっきらぼうに言う。
自分の足どりで寺が崩れ落ちてしまわないかなんて気にも留めていない。いや、ヨロズの頑強な身体だったら仮に寺が落ちても平気だろう。巻き込まれたらたまったものではないが。
「っていうか、あんたも仙人に用があるの?」
「用がある」
かなみは思い切って問いかけてみたけど、ヨロズはあっさりと答える。
「……用ってなに?」
「………………」
そこまでは答えなかった。
入り口から廊下を歩いてお堂に入る。煌黄の後を追ってだから迷うことは無かった。
彼女もかなみと同様、初めてここへ来たにも関わらず、迷いなく動く。仙人だからそういう勘が働くのだろうか。
そして、そのお堂はというと、老朽化した外見やここまでの廊下の道のりと似ても似つかない立派な造りで新築といっていい。そして奥にはこれまた見事な仏像が建っていた。
仏像……はっきりいって、かなみにはいい思い出が無い。
「これが仙人?」
仏像の怪人と戦ったことがあるから、この仏像が仙人でいきなり動かしても驚かなかった。
「いや、これはただの飾りじゃな」
煌黄はそう言い切る。
「そうだな、俗世では箔ともいう。つけるにこしたことはない」
仏像の傍らから白い髭が足まである二頭身ぐらいの男性が現れる。
仙人、というより、仙人のマスコットキャラみたいな風貌だ。
「お主がここの主で仙人か?」
「いかにも。悠亀(ゆかめ)という」
「儂は煌黄。別世界の仙人に会えて嬉しい」
「誰であれ客は歓迎する。そこの怪人のようにな」
悠亀がそう言うと、かなみはヨロズへ目を向ける。
「客……?」
「歓迎してくれるのはありがたい。最悪門前払いも有り得るかと思ったが」
「我はそのような了見の狭い仙人ではないよ。とはいえ、自分以外の仙人に会うのはいつ以来か。三百年ぶりくらいか」
「それはまあ随分と会ってないな。隠居しているつもりか、――儂より若そうだというのに」
「ええ!?」
かなみは煌黄と悠亀を見比べる。
煌黄は自分より大分若く、悠亀はいかにも千年以上生きている仙人といった見た目だ。どちらが若いと問われれば迷いなく悠亀を選ぶ。
とはいえ、煌黄は自分の姿を自在に変えられるらしいので見た目というのはあてにならない。頭ではわかっているものの、どうしても見た目で第一印象を判断してしまう。
「歳の話はやめておいた方がよかったかのう」
「我々仙人の間ではあまりにも不毛な話題だ。して、今日は何用で?」
悠亀は問いかける。
「挨拶じゃ。それとちいとばかし相談に乗って欲しくてな」
「ふむ。異変はこちらでも感じているが、我は俗世を離れて久しい。どれほどチカラになれるか」
「この世界の情勢については疎い。智慧を借りたいのじゃ」
「よかろう」
悠亀は快く引き受ける。
「――ただ」
悠亀はかなみとヨロズに目を向ける。
「そなた達は表に出てもらおうか」
「達って、私?」
かなみは訊き返す。
「うむ。そうじゃな、そなた達には戦ってもらおうかのう」
「……戦う?」
唐突な提案に、理解が追いつかない。
戦う? 誰と誰が? 一体何のために?
「――承知した」
ヨロズは応じる。
「ええ!?」
「では表に出てもらおうか」
「ちょ、ちょっと待って」
かなみは止める。
いきなりこんなこと言われて、ヨロズと戦うなんてできるはずがない。
「出てもらおうか」
悠亀は続けて言う。
その言には、仙人に相応しい有無を言わさぬ圧力を感じた。
「は、はい……」
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