まほカン

jukaito

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第109話 仮面! 奥底の面を少女は垣間見る!! (Bパート)

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「――待て!!」
 そこへヨロズの拳がメンコ姫の顔をとらえる。

ドスン!

 ヨロズの拳をまともに受けて、メンコ姫は吹っ飛ぶ。
「大丈夫か?」
 ヨロズが問う。
「え、ええ……あ、ありがとう……」
 カナミは立ち上がって、礼を言う。
「つぅ!」
 メンコ姫の拳をまともに受けた腕に激痛が走る。
 ただ、それでもステッキを持たないとまずいと自分へ心の声で言い聞かせて、ステッキを生成する。
 痛みは走るものの、なんとかステッキを振るえる。
「礼なら不要だ」
 ヨロズはその様子を見て心配したわけでもなく、一目見ただけでメンコ姫へ視線を向ける。正直何考えているのかまったくわからない。
「今のでダメージはほとんどない」
 そう言われて、カナミはメンコ姫を見る。
 フロアの端まで吹っ飛んだメンコ姫は立ち上がってこちらを見ている。
 ヨロズの拳をまともに受けたにも関わらず、鬼のような形相に微塵も変化が見られない。
「がああああああああッ!?」
 裂帛の気合を上げる。
 魔力による光の柱が立ったように見える。
「カナミ、どう思う?」
「どう思うって何が?」
「ヘヴルとどっちが強いと思う。俺は今それを測りかねている」
「こんなときに気にしているのは、そんなこと?」
 カナミは呆れる。
「戦力の分析は重要なことだ」
「それは……そうだけど……」
「それでどうだ?」
 ヨロズは再び問いかける。
「それは……」
 カナミは、光の柱に中心にいるメンコ姫と記憶の中にあるヘヴルの強さを比べてみる。
「……わからないわ」
 ヘヴルは強すぎた。
 六本の剛腕を振るい、山を砕いていくあの力強さは圧倒的すぎた。
 スイカ、ミア、シオリ、仲間の魔法少女達やヒバシラ、チューソーといった他の支部長、それにヨロズとオプスのチカラが加わってやっと勝つことができた。
 あの強さに勝る怪人なんてそうそういるはずがない。
 そう断言できるほどの強さだった。
 それでも、今のメンコ姫はそれに比肩しうるほどの力強さに感じる。
 ただ、ヘヴルとメンコ姫の強さを正確に分析してどちらが強いか比較することは、カナミにはできない。それだけの技量に達していない自覚はある。
「そうだな、俺にもわからない。ただ、戦って勝たなければならないことにはかわりない」
 そう言うヨロズも強いと思った。
 あれだけの恐ろしい怪人と相対しても、強気な態度を崩さない。
「ヨロズ、あんた強いわね」
 カナミは素直にそれを認めて称賛する。
「お前ほどではない」
 ヨロズは淡々と返す。
 そんなことないのに、と、カナミは思った。
 ここでいう強さというのは、どんな敵、どんな状況になっても怖じけることなく普段と同じ態度でいられる。それは間違いなく心の強さが為せる業で、カナミは自分よりも遥かにヨロズの方が強いと思えてならない。
「私はそんなに強くないわよ」
 カナミはそう返す。
「――そうだな! お前は弱い人間だからなあ!」
 そこへヒバシラが空から降ってきて、二人の前に着地する。
「なんであんたが!?」
「俺はコイツと上の階で戦ってたら、崩れてきたからこっちに来た。それだけだ」
「そんなこと、聞いてるんじゃなくて!」
「――ああ、あいつを倒すんだろ?」
「――!」
 カナミは驚く。
 予想外の返答だったからだ。
「あんた、ヨロズと戦ってたんじゃないの?」
 ヒバシラはヨロズとの戦いに決着をつけるためにこっちへ飛び込んできた。
 だからここでその戦いの続きをするつもりかとカナミは思ったけど、違っていた。
「状況が変わっただろ。俺が所構わず誰それ構わず喧嘩を売る奴だと思ってたのか?」
「え、違うの!?」
 カナミは思わずツッコミを入れる。
 会議中、ホテルでの戦い、と、ヒバシラの怪人となりを見てきて、まさにそんな印象を抱いていた。
「おおむね違わねえが、ちげえよ」
 ヒバシラは呆れたように答える。
「どっちよ!?」
「そんなこたあ、どうでもいいだろ。あいつをぶっ倒したくねえのか?」
 ヒバシラは、メンコ姫へ指してカナミに訊く。
「ぶっ倒したいわけじゃないわよ! 止めたいのよ!」
「け、どっちだっていいだろ!」
「よくない!」
 カナミとヒバシラは睨み合う。
「そんなことしてる場合じゃないと思うけど」
 肩に乗ったマニィが諫める。
「ええ、そうね。あんたと言い争ってる場合じゃないわ!」
「おう、そうだな。お前とやりあっても面白そうだが、あいつがやりあった方が面白そうだからな!」
「それじゃ、あんたがメンコちゃんと戦うっていうの!?」
「ああ、あんな奴が暴れまわってたんじゃゲームなんかやってられんからな」
 ヒバシラはカナミの問いを肯定する。
 正直、今カナミかヨロズに戦いを仕掛けてこられたら、厄介すぎてメンコ姫を止めることは、難しくなる、というより不可能になる、といっていい。
「それじゃ、私達に協力してくれるの?」
「協力だぁ? んなもんするわけねえだろ! 俺は勝手にやるだけだ、お前らも勝手にやってろ!」
 ヒバシラはぶっきらぼうに答える。
(思ってた通りだけど、なんか納得いかないわね……)
 カナミは内心そう思った。
(だけど、とりあえずこの人と戦うことはなくなっただけでもラッキーかもしれない……)
 そういうことで気持ちを切り替えて、カナミはメンコ姫と相対する。
 メンコ姫は衰えるどころかますます勢いを増していく。
「我を忘れてもらっては困る」
 そこへ極星が、パァンと光とともにやってくる。
「極星!! お前もいやがったのか!?」
「俺もいる」
 極星に傍らからボロボロになったチューソーがやってくる。
「あんた、無事だったの?」
「俺とて支部長、そうそうやられはせん……!」
 カナミの問いに、チューソーは答える。
 しかし、身体は両足で立つのもままならないほどボロボロのせいで強がっているようにしか見えない。
「こりゃまた珍しいメンツで雁首揃ったな、ハハハ!」
 ヒバシラは愉快げに笑い出す。
「ま、確かに珍しいけど」
 それは、カナミは同意する。
「関東支部長、四国支部長、中国支部長、北海道支部長、それに魔法少女カナミ……珍妙としかいいようがないね」
 マニィが補足する。
「さりげなく、私を珍妙に加えないで」
 カナミはまともだと主張する。
「なんでもいいが、奴がくるぞ」
 ヨロズが警告する。

ドゴォォォォォォォォン!!

 次の瞬間、メンコ姫が拳から衝撃波を繰り出してくる。
 その衝撃波によって、二十階の三分の二が吹き飛ぶ。
「無茶苦茶!?」
 カナミは妖精の羽で飛んで逃げる。
「実に怪人らしいやり方だ」
 むしろ、ヨロズは感心している。
「ええ、そうね……でも、ここまでやることないんじゃない?」
「相手がお前だからかもしれないな」
「それ、どういう意味?」
「さあ、俺にもよくわからない」
 ヨロズの煮え切らない返事に、カナミは顔をしかめる。
「いくぜええええええッ!!」
 ヒバシラは身体を燃え上がらせて、火炎弾をメンコ姫へ撃ち込んでいく。

バァン!

 メンコ姫はそれを苦もなく殴り飛ばす。

バァン!

 そしたら別方向から飛んできたビームをメンコ姫は殴り飛ばす。
「全部防いでる!?」
「あの戦いぶりは、本能のなせる業だ」
「まあどうみても、理性的にはみえないものね」
「俺も仕掛ける、合わせられるか?」
「ええ!」
 ヨロズの呼びかけに、カナミは応じる。
 不思議な気分だった。
 マニィが言うように、支部長四人に魔法少女一人は完全な協力体制とはいえないものの、奇妙な取り合わせとしか言いようがない。
 そうして相対するのが、東北支部長メンコ姫。
 友達になりたいと思った怪人だ。
「神殺砲! ボーナスキャノン!!」
 カナミは即座に砲弾を撃ち込む。

バァァァァァァァァァン!!

 火炎弾とビームに気を取られていたのか、砲弾はメンコ姫へ直撃する。
 しかし、これで倒せたとは思えない。
 メンコ姫の魔力がまったく衰えてないのを感じるからだ。
「俺がいく!」
 そこへヨロズが突っ込む。
 黒い羽を羽撃かせて、ものすごい勢いで突っ込んだため、その衝撃で残った二十階が残らず吹き飛ぶ。
 そのまま、十九階へと落ちる。

ドゴォン! バスゥン! バアァン!

 ヨロズの拳とメンコ姫の拳がぶつかり、ヨロズの蹴りは身体を捉えたと思ったら、次の瞬間にメンコ姫の頭突きが炸裂する。
 打突音が絶え間なく鳴り響き、十九階全体が揺れる。
 十九階が崩れるのも時間の問題かと思わされるほどの戦いぶりだった。
「グッ!」
 互角に見えた戦いも次第にヨロズが押され始めてくる。
「があああああああッ!!」
 メンコ姫が裂帛の気合とともに、ヨロズを殴り飛ばす。
「俺を忘れるんじゃねえええッ!!」
 そこへヒバシラがやってくる。

ボォォォォォォォォッ!!

 炎の柱となったヒバシラがメンコ姫を包み込む。
「ガハッ!?」
 しかし、弾き飛ばされてしまった。
 燃え上がる炎の中、メンコ姫は悠然と立っている。
「あれでも、止まらないの……」
 カナミは途方に暮れた。
 ヒバシラの炎も尋常ではない勢いだったはずなのに、それをものともしなかった。
 あれでダメなら、自分ではどうやっても止められないんじゃないかと思えてしまう。
「まだいけるか?」
 そこへ極星が問いかける。
「……いけるわ!」
 一瞬逡巡してカナミは答える。
 恐れや戸惑いより意地が勝った。
「よし、ならいくぞ」
 極星は輝きを増す。
 これは必殺技の発射体制に入ったのだと、カナミは直感する。
 それならばとカナミも合わせて魔力を高める。
「オーロラ・ブラスト!!」
「ボーナスキャノン・アディション!!」
 極大の光と最大級の砲弾が同時に放たれて、メンコ姫に襲いかかる。
「がああああああああああああああああああああッ!!」
 メンコ姫はこれまでで最も力強く裂帛の気合とともに二つの魔法を受けようとする。

バァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!



 その頃、カリウスは無人となったホテルの廊下を何食わぬ顔で歩いていた。

ガタガタ

 天井が地鳴りのような響きと揺れが起こる。
「ここまで届くか」
 カリウスは感心したように言う。
『君が私のホテルを会議場にしたいといった時にはタダではすまないと思っていたがね』
 カリウスが手に持っていた携帯電話から厳かな老夫の声がする。
「それを承知の上で引き受けてくれたこと、感謝している」
『心にもないことは口にしない方がいいよ、若造』
「いやいや、思ってもいないことは口にしないさ。どうにも私は心から言ってることは信用されない性質たちのようだ」
『それは持って回った宿命のようなものだ。受け入れるしかあるまいよ』
「フフ、それもまた楽しいことだよ」
『その娯楽の結果がこの狂乱か』
「お気に召したかな?」
『宴が好きだな。特に自分の火の粉がふりかからないものはね。この狂乱は火の粉どころか火だるまになりかねない勢いだがね』
「それもまた一興ではないかな」
『私を君のよう狂者と一緒にしてほしくないものだね』
「私の提案を引き受けたということで、同類項だと思っていたのだけどね」
『私がこのゲームの参加者だったら、真っ先に君の十二席の座を奪い取っていたよ』
「それは残念だったね」
『次の機会があったら覚悟するといい』
「それは楽しみに覚悟するよ。だが、今回の裁定と処理はよろしくお願いするよ。最高役員十二席候補の一人、ホテル支配人アイゴルド殿」
『うむ』
 アイゴルドはそう言って、通話が切れる。



 カナミと極星。
 二つの魔法が直撃し、十九階が吹き飛び、十八階にカナミ達は降り立つ。
「ぐ、が……!」
 メンコ姫はまだ鬼の形相のままだったけど、さすがに二つの魔法を受けてボロボロになっている。
 まだまだ止められそうにない。
 身体がバラバラに引き裂かれるまで戦っていそうな怒気を感じる。
「メンコちゃん!」
 カナミは呼びかける。
「がああああッ!!」
 メンコ姫はカナミへ飛びかかる。
「――!?」
 ボロボロとは思えないほどの瞬発力で飛びかかってきたせいで、カナミはステッキを防御に構えるだけで精一杯だった。

パシィ!!

 メンコ姫は、カナミのステッキを強引に掴み取る。
「あ!?」
 その勢いを殺しきれずに転がっていく。
(馬乗りはまずい!?)
 さっき馬乗り状態ですんでのところまで追い詰められたことを脳裏をよぎって、なんとか足を踏ん張らせる。

クイイイイッ!

 足元の床がえぐれていく。
「くううううッ!!」
「がああああッ!!」
 カナミの歯の食いしばりとメンコ姫の裂帛がぶつかり合う。
 とはいえ、メンコ姫の力にどんどん押されて、後退せざるを得なくなった。
「――俺を忘れるなあッ!!」
 そこへ瓦礫に埋もれていたヒバシラが姿を現す。

ボォォォォォォォォッ!!

 ヒバシラが炎を放って、カナミごとメンコ姫を燃やさんと包み込む。
「きゃあああああッ!?」
 巻き添えを食ったカナミの身体が炎に焼かれる。
(熱い! 熱い! 痛い! 熱い! 痛い! 熱い! 痛い! 熱い!!
――でも!!)
 カナミは熱さと痛みに必死で耐えて、メンコ姫を見据える。
 メンコ姫もまたそんなカナミを見続けている。
「でいやああああッ!!」
 一瞬のスキを突いて、カナミはステッキの柄を抜いて、刃で切り裂く。
「仕込みステッキ・ピンゾロの半!!」
 刃の一撃をメンコ姫に腹に当てる。
「がああああああッ!!」
 しかし、メンコ姫は止まることなく、反撃に拳をカナミの腹に叩き込む。
「ゴフッ!?」
 窒息しそうな息苦しさと全身を駆け巡る激痛に意識が飛びそうになる。
「――!」
 次に視界がはっきりしたときに、メンコ姫の拳が見える。

ブゥン!!

 カナミはかがんでこれを避ける。
(今殴られてたら、まずかった……)
 ホッと息をつく間もなく、すぐ次の拳が飛んでくる。
(あ、これはむり……!)
 かわしきれないと悟る。

ドォォォン!!

 しかし、カナミはその拳を受けなかった。
「ヨロズ!」
 代わりにヨロズが拳を受け止めたからだ。
「お前にカナミはやらせない!」
 ヨロズが拳で返す。

ドスン!

「ぐがッ!?」
 メンコ姫の身体が浮き上がる。
「今だ、カナミ!」
「神殺砲!」
 ヨロズの呼びかけで、カナミは今何をすべきか一瞬で判断する。
「ボーナスキャノン!」
 砲弾を撃ち出す。
 至近距離からでは、さすがのメンコ姫でも殴り返すことは不可能だった。

バァァァァァァァァァン!!

 砲弾が直撃し、メンコ姫が吹き飛ぶ。
 しかし、これでもまだ止まらない。
「これほどやってもまだ駄目か!」
「ハァハァ……」
 ヨロズとカナミは立ち上がってくるメンコ姫を見据える。
「まだ戦えるか、カナミ?」
「もちろんよ!」
 カナミは意地で返す。
 もう身体はボロボロで、限界に近い。
 それでも、ここまで戦ってきて負ける訳にはいかないし、何よりもメンコ姫を止めたいと思っている。
「がああああああッ!!」
 カナミはボロボロになったメンコ姫をみて、心を痛める。
 どうして、あそこまで戦わなければならないのか。一体何がそうさせるのか。
 知りたいと同時にどうしても止めなければならないと思う。
「力を貸して、リュミィ!」
『もちろん!』
『いくぞ、オプス!』
『おう!』
 一人の魔法少女と妖精。
 一人の怪人と妖精。
 それぞれ呼びかけて妖精は求められるままに応じる。
 それによって凄まじい魔力が激流のように渦巻き流れる。
「がああああああああッ!!」
 メンコ姫はそれを感じ取って、自分もまた魔力を放出して、激流が発生する。
 二つの魔力の奔流がぶつかり合う。
「――!」
 そこでカナミの目に、泣いているメンコ姫の姿が映った。
 メンコ姫から流れ出る魔力には、メンコ姫の心情が溢れ出ているのだろう。
「こんなこと、嫌だよね? メンコちゃん?」
 カナミは呼びかける。
 それは今のメンコ姫には伝わらないだろうけど、伝えたいことだった。
「嫌なことは全部終わらせて、そしたらまた友達になってよ!」
 カナミはステッキを構える。
 メンコ姫もそれに応じて、構える。

ドォン!!

 しかし、いの一番に仕掛けたのは、ヨロズだった。
 一気に踏みこみ、メンコ姫へ殴りかかる。

ドゴォン! バスゥン! バアァン!

 息をつくヒマを与えない怒涛の攻撃で、ヨロズはメンコ姫を追い詰める。
 ヨロズの猛攻はさっきよりも激しくて力強い。メンコ姫もダメージを受けているせいか、防戦一方だった。
 このまま、ヨロズが押し切ってくれたら。
 そういう思いがあったものの、そう簡単にはいかないとも思った。
「神殺砲!」
 カナミは砲台へと変化させる。
(――カナミ、今だ!)
 声は発していない。
 そういう合図を送った素振りもない。
 だけど、確かにそう言っているように感じ取った。
「ボーナスキャノン!!」
 だから、カナミはヨロズごとメンコ姫へためらいなく発射する。

バァァァァァァァァァン!!

 ヨロズはすんでのところで後方に飛んでかわして、メンコ姫だけが砲弾が直撃する。
「三連射!! イノ・シカ・チョウ!!!」
 間髪入れずにもう二発撃ち込む。

バァァァァァァァァァン!! バァァァァァァァァァン!!

 大爆発が巻き起こる。
 そして、撃ち込んだ分の魔力は即座にリュミィの羽が周囲の魔力を集めてくれることで回復する。
「ボーナスキャ、」
 四発目を撃ち込もうとした、その時だった。

ボォォォォォォォォッ!!

 フロア全体が炎で燃える。
「あつッ!?」
 炎が肌を焼いて、砲弾への魔力注入が止まる。
 こんな邪魔をするのは、ヒバシラしかいない。
「なんてことすんのよ!?」
 カナミはヒバシラへ文句を言う。
「勘違いすんじゃねえ! お前だって倒すべき敵の一人だろうが!? 倒せるタイミングだったら、容赦なく倒す!! 何がおかしい!?」
「おかしくない! でも腹が立つのよ!!」
「そうか! そいつは結構だ!!」
 ヒバシラは満足げに笑って、身体を燃やす。
 その燃やした炎がメンコ姫へと燃え上がる。
「がああああああッ!!」
「ハハハ、燃えちまえ!!」
「やめなさい!」
 カナミはヒバシラへ魔法弾を撃つ。
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