まほカン

jukaito

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第111話 暗影! 少女と怪人と影の攻城戦! (Aパート)

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「一体、何が起きたの?」
 翠華は辺りの様子を確認する。
 城の門をくぐって一歩、城内に踏み込んだ次の瞬間、視界が暗転したと思ったら、灯りが一つだけ灯った薄暗い部屋に立っていた。
 その薄暗さは灯りだけじゃなく、壁は石造りになっていてその壁が三方囲んでいるせいで妙な冷たさを感じる。
 さらに残りの一方には鉄格子が置かれていて、まさに地下牢といった風情だ。
「かなみさん?」
 呼んでみたけど、返事はない。
 ここには自分一人しかいない。敵の罠で分断させられたと考えるのが妥当なところ。
 もう一度周囲を確認してみる。同時に自分の状況も。
 一にも二にもなくこれは敵の術中で、自分は閉じ込められていて、かなみはまた別のどこかにいる。
 そうなると、かなみが気にかかる。
 相手はかなみの影を奪い取った上に、中部支部長。
 危険が迫っている。というより既に危険に陥っているかもしれない。
 いてもたってもいられない。
「マジカルワーク!」
 翠華はコインを放り投げる。
 コインから降り注いだ光がカーテンになって、翠華を包み込む。
「青百合の戦士、魔法少女スイカ推参!」
 青の魔法少女が姿を表す。
美安びあん!」
 レイピアを生成して、即座に鉄格子を突く。

カァァァァァン!!

 鉄とレイピアが激突して、鐘のような金属音が鳴り響く。
「あれ……?」
 ただの鉄だったら貫ける。
 でも鉄には傷一つついていない。
(ただの鉄じゃない。魔力で何倍も固くなっている!)
 目を凝らすとよくわかる。
 鉄格子には張り巡らされた魔力によって、ここは脱牢を許さない地下牢だと圧迫感のようなものまで感じる。
「――!」
 スイカはレイピアを突き続ける。

カァン! カァン! カァン!

 金属音が鳴り響くだけで、鉄格子を壊せる気配がない。
「早く! 早く! 早くしないと!!」
 スイカの焦りとともに剣閃は鋭く輝く。
 しかし、その輝きもすぐに陰る。
「ハァハァ」
 息を荒げてレイピアの突きを止める。
 闇雲に鉄格子を突き続けても破れない。
(こんなときにかなみさんだったら……)
 神殺砲の圧倒的パワーで鉄格子を破るだろう。
「私にはそんな力が無い……だったら、どうするか」
 かなみに危険が迫っているとなると、一刻も早く駆けつけなければならない。
 焦る気持ちを抑えて、思考を張り巡らせる。
 力押しではこの鉄格子は破れない。
「――思ったより冷静な人だね、君は」
 背後から背筋の凍るような声がする。
「――!?」
 スイカは背後を振り向く。
「あ~でも、すぐ化けの皮がはがれる。面白いね、君は」
「あなたは一体誰!?」
「申し遅れました。お初にお目にかかります! 私、元最高役員十二席候補にして現中部支部長・影鉄」
「えぇッ!?」
 まさか敵の大物がいきなり現れるなんて。あまりにも意外すぎる登場にスイカは声を上げて驚く。
「――の腕の影です」
「えええぇぇぇッ!?」
 さらに驚く。
 壁から生えてきた真っ黒な腕が、紳士的に挨拶してくる。どう応じれば良いのかまったくわからない。
「ビックリしましたね。わざわざ腕だけ参上した甲斐がありましたよ、フフ」
 影鉄が愉快に笑う。
 かなみの言った通り、確かにこれは得体の知れなさがある。
「本当にあなたが中部支部長なの?」
「フフ、今更になってお疑いですか。せっかく素敵な地下牢にご招待というのに」
「どうして、私を地下牢に? かなみさんはどこにやったの?」
「ふむう」
 興味深く首肯するかのような声を上げる。
 見られている。
 相手は目が無い腕だけの状態というのに、カメラ越しに見られたくないところを覗き込まれているような悪寒がする。
「自分の次は、魔法少女カナミの心配ですか。仲間想いですね、虫唾が走りますよ」
「――!」
 スイカはレイピアを構える。
 今はっきりと敵意を向けられた。わずかだけどはっきりと感じられるほど確かな敵意。
「一ついいことを教えてあげましょう。私の腕の影を倒したらこの地下牢から出してあげましょう」
 腕の影が壁に溶け込んでいく。
「ワイルド・スティンガー!!」
 渾身の一撃で壁を突く。

ガァァァァァン!! 

 壁から小さな穴が出来る。
 攻撃が怪人に当たった手応えはまったくない。
「お見事ですね」
 反対側の壁から腕の影が生えてくる。
「この地下牢は脱牢されないために結界を張ってるんですが、それがなかったら大穴があいていたでしょう。それでも私を倒すには至らないでしょうが」
「いらつくわね、友達のいない嫌われ者の物言いね」
「怪人なんて嫌われてなんぼですよ。とはいえ、あなたのその物言いもいらつきますがね」
 腕がパッと開いて、指が伸びてくる。
「――!?」
 スイカの頭へと伸びてきたその指を反射的に避ける。

ズガガガガガ!!

 指はまっすぐに伸び続けて壁に穴が空く。
 もし、避けなかったら、スイカの額に穴が空いていただろう。
「素晴らしい反射神経です。いつまで避けられるか試してみたくなりますね」
「試すまでもないわ」
 スイカは一気に踏み込んで、レイピアで突く。
「つれないですね」
 レイピアを人差し指と中指で挟んで止める。
(動かない……)
 スイカはレイピアを引き抜こうとしても、ビクともしない。
「もっと楽しくおしゃべりしませんか?」
「それは御免ね。あなたとはしゃべりたくないもの」
「奇遇ですね。私はあなたとしゃべりたいんですよ」

パン!

 二本の指を弾いて、レイピアを飛ばす。
「く!」
 スイカは即座に新しいレイピアを生成して突く。

パチン!

 腕の影は指を鳴らす。
 それと同時に鉛玉が飛んでくる。
 スイカはそれをかわす。

パチン! パチン! パチン!

 指鳴らしとともに鉛玉が飛んでくる。
 それこそガトリングの集中砲火のように次々と。
 スイカはそれを時にはかわして、時にはレイピアで弾いて、いなしていく。
「素晴らしい仕事ぶりですね。一発くらい眉間にヒットさせてくださいよ」
「そんな要望、きいてられないわ」
「きいてください」

バチィィィン!!

 一際速く飛び込んできた鉛玉が、スイカの眉間に命中した。



 ヨロズとメンコ姫は二人揃って天守閣の一室にいた。
 開いた窓からは城下を一望できる絶景が見える。
「ここはどこだ?」
 ヨロズがメンコ姫へ訊く。
「城の最上階。オラ達は招待されたみてえだ」
「招待?」
「どうにもそんな気がする。招待を受けるのには慣れているからな」
「なるほど、年の功か」
「むう」
「どうした?」
「いや、その言い方は癪に障るな、と。何故だかわからないが」
「そうか。この言い方は癪に障るのか。俺にも何故だかわからない」
「「………………」」
 二人の間に沈黙が流れる。
「む」
 二人の前に茶の湯気が立った湯呑が差し出される。
「どうぞ、粗茶です」
 目の前に片腕の無い影の長身の男が現れる。
「影鉄……」
 ヨロズは抑揚のない口調で、その男の名前を呼ぶ。
「――の影ですね。あと左腕は出張しています」
「影。そうか、オラとかなみの影を奪い取って意のままに操ったように、自分自身の影もそうやって操れるのか」
 メンコは得心を得て言う。
「そういうことです。本来ならばあなた方支部長二人の相手でしたら本体が礼儀というものですが」
「本体はどこにいる?」
 ヨロズが問う。
「別の方が出迎えしているのでね」
「魔法少女カナミか」
「……ハハ、察しが良いですね。野生の勘というやつですか?」
「さあ知らないが。お前の狙いがかなみにある気がしてならなかっただけだ」
「そうですか。そんなに狙いがダダ漏れでしたか」
「オラはわからなかった。何故かなみを狙う?」
「別に魔法少女カナミだけが狙いじゃありませんよ」
「俺達もか」
「いやはや……」
 ヨロズの返答に、影鉄は感心する。
「左腕があったら称賛の拍手を送っていたところですが。このとおり、右腕しかないのでご容赦願います」
「容赦するつもりはない」
 ヨロズは拳を握りしめて答える。
「いい返事です。沈黙は金、という言葉は御存知ですか?」
「俺は生まれたばかりで無知だ」
「あ~なるほど。厚顔無恥でしたか」
「意味がわからない」
「あなたのような怪人のことをいうんです」
「おめえは人の振り見て我が振り直せという言葉を知らないのか?」
 メンコ姫は混紡を振り回して、影鉄の影へとぶちあてる。

ドゴォォン!!

 一振りで強風が吹き荒れ、命中した影鉄の影は野球ボールのように壁へと勢いよく吹っ飛ぶ。
「なんだ、もうやってよかったのか」
「奴とはこれ以上の話し合いの余地はない」
「そうか、余地はないか。それで構わないが」
 ヨロズは拳を構える。
「もう少し話し合ってみたかったのですがね」
 影鉄の影はヒョロッと現れる。
 派手に飛んでいったけど、ダメージを受けている様子はない。
「せっかく支部長が三人もかいする貴重な機会だというのに」
「ついこないだ支部長会議をしたばかりだ」
「過去は振り返らない主義です」
「ならば、元最高役員十二席候補だった過去も振り返らないことだ」
「振り返りませんよ。――返り咲くつもりですが」
 影鉄の身体がビヨーンと伸びる。
 影がいやらしく伸びて、ヨロズとメンコ姫の周囲を取り囲む。
「ここで支部長二人に加え、魔法少女カナミをも倒せば、最高役員十二席候補に戻れるでしょう! あわよくばその十二席の座も!!」
「それはまた野心溢れることだ」
 ヨロズは感心する。
 素直にその野心に、感心する。
「怪人と野心はワンセットのようなものですよ。ああ、それは人間も同じですか」
「ならば俺の野心は今ここでお前を倒すことだ」
 ヨロズは拳を振るう。
 影は霧が払われるように発散していく。
「オラは野心なんてものはよくわからねえが、おめえの返り咲きの踏み台になるつもりはない」
「なるつもりはなくても、なってもらいますよ」

バァン! バァン! バァン! バァン!

 周囲を取り囲んでいた影から無数の銃弾が飛び込んでくる。
「――ハッ!」
 ヨロズは裂帛の気合とともに天井へと拳を振るい、爆風が巻き上がる。

ビュウウウウウウッ!!

 影の無数の銃弾は風に煽られて、壁際の影へと吸い寄せられていく。
「フフ、腐っても支部長、ということですか」
「俺は腐っていない」
「言葉の綾ですよ」
 壁際の影から全方位に針が伸びてくる。
 ヨロズとメンコ姫。二人揃って串刺しにせんと。
 巨大混紡『雷様おれさま』を掲げて、落雷のごとく勢いよく振り落とす。
豪雷仙波ごうらいせんぱ!!」
 衝撃が迸り、影が吹き飛ぶ。
「これでもダメージがないか」
「そりゃ影ですからね」
 壁の影は、ヨロズとメンコ姫の目の前に集束して佇む。
「痛みはありませんよ。それでもダメージを受けたら影は元の身体に戻ってしまいますがね」
「それはいいことを聞いた」
 メンコ姫は一足飛びで影鉄の影に迫る。

ズドン!!

 巨大混紡をぶち当てる。
「影にダメージを与えれば、オラの影は取り戻せるってわけか」
「そういうことです。とはいえ、簡単に取り戻させるつもりはありませんよ」

バゴン!!

 巨大混紡が砕け散る。
「なッ!?」
「私は壊すのは得意でしてね。本体ができることは当然影にだってできますよ」
「そうか。それがおめえの魔法か!」
 メンコ姫は手を掲げる。すると巨大混紡『雷様おれさま』が生成される。
「同じことですよ。あなたの真の力を発揮しなければ、あなたは影を取り戻すどころか私の影にさえ勝てませんよ」
「む……!」
 影鉄の言うメンコ姫の力。
 それは般若の面を取り外して浮かび上がる鬼の顔。しかし、あれを使えば見境なく暴れて人を恐れさせてしまう忌まわしき力でもある。
「そんなものなくとも、俺の力でお前を倒す」
 ヨロズは拳を構える。
「ハッ!」
 ヨロズが気合を発するとともに、影鉄の影が揺らめく。
「やれるものならやってみてください」
「やってみせる」
 ヨロズは一足飛びでメンコ姫の間合いに入り、影鉄の影へと拳を振るう

バシィ!!

 影鉄の影は右手の掌でヨロズの拳を受け止める。
「やれないみたいですね」
 影鉄は余裕すらもって、ヨロズへ言い放つ。
「くッ!」
「それでは今度は私からいかせてもらいますか。私の得意な魔法は壊すことだってお見せしましたよね。もちろん、この拳を壊してみせましょうか」

バキバキバキ!!

 ヨロズの拳から骨が折れていく音がする。
「くッ!」
 ヨロズは顔をしかめる。
「さすがは怪人ですね。人間でしたら激痛で悶えているところですが、歯を食いしばって耐えるとは」
「痛いが歯を食い絞ってなんとかなるものだ」
「見上げた根性ですね。もっとも私は見下していたいのですが」
「そうなるように俺は戦うだけだ」
 ヨロズはもう片方の腕で殴りつける。
 影鉄の影はその拳を交わす。
 右腕しかないからかわすしかなかった。
 文字通り手数なら勝っているとヨロズは踏んで、足を使って蹴りを繰り出す。

ブォン! ブォン! ブォン! ブォン!

 突き、蹴りを連続で放ち続けるも、影鉄の影は全てかわす。
 ヨロズは折られた拳をも用いて、仕掛け続けるも影鉄の影は文字通り影のようにするりするりといなしていく。
「やりますね。これでは魔法は使えません」
 そう言っている影鉄には余裕があった。
 ヨロズは構わず攻撃を続ける。

ブォン! ブォン! ブォン! ブォン!

 その攻撃はやむことなく、豪雨のように影鉄へと降り注ぐ。
 しかし、それを影鉄はことごとくかわしていく。
 それが数分間ずっと続いていく。
「そろそろきつくなってきませんか?」
 影鉄は問う。
「そんなことはない」
「なるほど、これほど動いておいて息が乱れませんか。さすがですね。――当たらなければまったくの無意味ですが」
「そう、まったくの無意味だ。だから意味を出すために戦っている」
「なッ!?」
 影鉄は驚愕の声を上げる。
 ヨロズの速度が一段階上がったからだ。
 その速度から放たれてる拳が影鉄の影を捉えた。

ドォォォン!!

 拳が衝突し、轟音が響く。
「いや、これは驚きましたね」
 吹っ飛んだ影鉄はノンキともいえるような声を出す。
 そして、一回転して着地を決め込む。
「あなたの速度に合わせて動いていたのですが、それを超えてきましたか。成長、といいますか。いやはや末恐ろしい怪人ですね。――今はまったく怖くありませんが」
「そうか」
 ヨロズは影鉄の発言に興味なくそう応えて踏み込む。

バァン!

 影鉄から放たれた弾が飛んできて、ヨロズに当てられる。
「ぐッ!?」
 ヨロズは体勢を崩されてよろめく。
「今は怖くないと言ったはずですよ。あなたの動きは見やすい。こうやって先手ををとることは容易いです」
「なるほど、これが手玉にとられるということか。……やりづらい」
「それならば手を貸す」
 メンコ姫はヨロズの隣に並び立つ。
「オラも手玉にとられている。二人で戦えば、突破できるやもしれない」
「そうか」
 ヨロズは短くそう応える。



 かなみの姿をしたドッペルは城内の別の部屋にいた。
「私に何か用?」
 他に誰かいるわけでもないけど、誰かに視られている。その誰かに向かって問いかける。
 しかし、返ってこない。
 ここは敵地で、迂闊に動くわけにはいかないからここでジッとしている。
 しかし、数分で苛立ち、今はもうジッとしられなくなる。
 これはドッペルゲンガーとしての性分なのか。それとも、姿をいただいたかなみの性分なのか。彼女自身にも区別がついていない。
「どっちだっていいわよ」
 姿を似せた相手に性格が寄ってきているのは、ドッペルゲンガーとしてはむしろ望むところ。
 このまま、本物に成り代わってやればいい。
 問題は、その本物が一筋縄ではいかないところだった。
 魔法少女であること。その持ちうる魔力は極上のものである。
 本物に成り代わるだけの価値はある。それだけに本物は手強い。
 一度、本物に敗れた時にはその目的が潰えたと思っていた。
 しかし、チャンスは思いもよらないところから巡ってきた。
 あるみから取引を持ちかけられて、ドッペルはその取引に乗った。
『かなみの影を感知してその影のもとへ、かなみを案内する。その代わり、拘束を解いて自由にする』
 そんなわけで、ノコノコと中部の敵地へやってきた。
「このまま無事に帰れるといいんだけど、帰してくれるのかしらね」
 ドッペルは周囲の様子を伺う。
 部屋には自分以外誰もいない。しかし、誰かに視られているような気がする。
「あ~、やっぱり、じっとしてられないわ!」
 結局、ドッペルは部屋を出た。
 扉の方は施錠されていないから簡単に出ることが出来た。
 これは一体何の目論見があってのことだろうか。
――視られている。
 部屋を出て、廊下を歩いていても、誰かの視線を感じる。
 角を曲がっても、別の部屋に入っても、そしてその部屋を出ても、視線を振り切ることが出来ない。
 しかし、それも束の間のこと。部屋を出て十分と経たなないうちにその視線の正体に気づく。
「悪趣味ね。ドッペルゲンガーの私が言うのもなんだけど」
 ドッペルは即座に魔法少女の衣装へ身を包む。
 その変身によって発生した魔力の余波で、周囲の景色が揺らめく。その足元の影さえも揺れる。
「魔法少女カナミの……いいえ、私の影ね」
 足元の影がドッペルから離れて、直立する。
 魔法少女カナミとまったく同じ姿をした黒い影。影鉄に奪われた本物カナミの影。
 それが偽物ドッペルの影になってまとわりついていた。
 悪趣味というほかない趣向だった。仕掛けた者の性格の悪さを感じずにいられない。
「ま、いいわ。本物を倒す前哨戦ってわけで先に影を倒すっていうのもね」
 影は何も喋らない。
 しかし、戦意だけは伝わってくる。
 必ず敵を倒すという戦意は、本物と遜色ないように感じる。それはドッペルからしても望むところだった。

バァン! バァン! バァン! バァン!

 まずは挨拶代わりに魔法弾を撃つ。
 偽物ドッペルと影は本物と同じように魔法弾を撃って衝突させる。

バァン! バァン! バァン! バァン!

 魔法弾の威力も手数も互角。
 偽物とはいえ、影とはいえ、本物から借り受けた力は本物だということを確かめ合う。
 最初の小手調べの魔法弾はとりあえず本物とかわりない。
 では、次の段階に踏み込んだらどうだろうか。
「神殺砲!」
 ドッペルはステッキを砲台へと変化させる。
 影も同じように黒い砲台を生成する。
「ボーナスキャノン!!」
 ドッペルは砲弾を放つ。本物と同じように。
 影は砲弾を放つ。本物と同じように。

バァァァァァァァァァァァァン!!

 二発の砲弾が衝突し、その大爆発で廊下に、部屋に、炎が駆け巡る。
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