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放課後の校舎の窓の外
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その日は試験期間で、部活の練習はなし。ほとんどの生徒は試験勉強のため、放課後は早々に家路についていた。
そんなある日、放送部に属していた私は最終の校内放送と音楽を流す仕事の当番となっていた。
放送室内にて一連の仕事が、何事もなく終了した。
その日は最終下校時刻まで小一時間ほど余裕があったため、しばらく放送室内に残って試験勉強を進めていた。
当時の放送室内というのは、高価な機材などが置かれているせいか、部員以外の生徒の出入りは厳しく制限されていた。なので、放送の仕事がない時間はとても静かであり、私にとっては勉強を進めるにはうってつけの場所だった。そのため試験勉強の時期は、好んでここに残って勉強をしていたものである。
先生方以外は、ほぼ誰もいなくなった校内。
一人で放送室内で勉強をしていたが、教室に参考書を置き忘れたことに気付いた。その夜の勉強が困ると思い、私は仕方なく、教室まで取りに行ったのであった。
教室に着いて参考書を見つけ、かばんに入れ、その日はそのまま帰るために立ち去ろうとしたときである。
窓の外、校舎の脇の目立たない場所に目が向くと、そこに数人の生徒が立っていることに気付いた。
「あれ、まだだれかいるのかな?」
また見ると、遠くからでも服装で分かる、不良生徒たちだったのである。
男子4人に、女子3人。いずれも、わたしと同学年の者たちであった。
4人の男子は、わたしがよくカツアゲに遭わされていた者たち。
日常から威圧的な態度で、派手に威張り散らしていたのを、よく覚えている。近くに寄って来ただけで、よくタバコの臭いがしたものだった。
3人の女子ももちろん、女子の間でかなり恐れられていた存在。
「こんな時間、まだ校内でたむろしていたとは...。彼らは試験勉強とか、関係ないのだろうな。」
しかし、誰もいないところで彼らの前に自分が姿を現してしまっては、もう餌食になるばかりである。
こちらが教室内なので見つかることはないだろうに、またまた情けなくも怖くなり、窓から見えぬように隠れたのであった。
隠れながらこっそり様子を見ていたら、彼らは全員同じ方向に歩いて行った。
わたしも怯えているだけではなく、不良男子たちの序列的なものは、おおかた理解していた。
男子4人は威勢はよいものの、校内全体の不良からすると、トップとまでは行けない。強い者に従いながら威張り散らすという、いわば虎の威を借る狐のような存在であった。
その一方、女子の詳しい勢力図までは、理解しきれていなかった。だが、存在感からして、女子3人は明らかに、女子の中のトップ的な存在だと感じていた。
それにしても、男子4人、女子3人といった構図。見た感じ、仲良く話をしている雰囲気ではなさそうだ。
「まさか、あの男子たち、女子を脅してカツアゲするつもりでは?」
いくらなんでも、男子が女子に圧力をかけるような行為は、気弱なわたしでも許しがたく思ったのだ。
ところが、なにやら様子がおかしいことにも気づいた。
通常なら、男子は男子、女子は女子で、それぞれ固まって別れて歩くのが、思春期の習わし。不良とて、そうである。
しかしこのときは、男子が歩く前後を、女子に取り囲まれながら歩いているような状態。見ようによっては、男子たちが逃げないよう監視されながら歩いているようにも見え、違和感を感じた。
彼らはそのまま、プールの方へ歩いて行った。プールは校舎からちょっと離れたところに位置している。
なんだかわからなかったが、妙に好奇心が沸いてしまった。
もし見つかったら、あの男子4人のこと。ただではすまされないことは承知していた。が、このときは好奇心の方が勝っていたのである。
かばんは目立たないところに置き、彼らの後を、そっとつけた。見つからないように、そっと。
そして、いざというときには逃げられるよう、逃げ道も予め想定しながら。
彼らから遅れながらも、異なるルートで、こっそりプールへ向かった。
私にとってはとんでもない大冒険をしているように思え、スリリングな時間を感じていた。
そんなある日、放送部に属していた私は最終の校内放送と音楽を流す仕事の当番となっていた。
放送室内にて一連の仕事が、何事もなく終了した。
その日は最終下校時刻まで小一時間ほど余裕があったため、しばらく放送室内に残って試験勉強を進めていた。
当時の放送室内というのは、高価な機材などが置かれているせいか、部員以外の生徒の出入りは厳しく制限されていた。なので、放送の仕事がない時間はとても静かであり、私にとっては勉強を進めるにはうってつけの場所だった。そのため試験勉強の時期は、好んでここに残って勉強をしていたものである。
先生方以外は、ほぼ誰もいなくなった校内。
一人で放送室内で勉強をしていたが、教室に参考書を置き忘れたことに気付いた。その夜の勉強が困ると思い、私は仕方なく、教室まで取りに行ったのであった。
教室に着いて参考書を見つけ、かばんに入れ、その日はそのまま帰るために立ち去ろうとしたときである。
窓の外、校舎の脇の目立たない場所に目が向くと、そこに数人の生徒が立っていることに気付いた。
「あれ、まだだれかいるのかな?」
また見ると、遠くからでも服装で分かる、不良生徒たちだったのである。
男子4人に、女子3人。いずれも、わたしと同学年の者たちであった。
4人の男子は、わたしがよくカツアゲに遭わされていた者たち。
日常から威圧的な態度で、派手に威張り散らしていたのを、よく覚えている。近くに寄って来ただけで、よくタバコの臭いがしたものだった。
3人の女子ももちろん、女子の間でかなり恐れられていた存在。
「こんな時間、まだ校内でたむろしていたとは...。彼らは試験勉強とか、関係ないのだろうな。」
しかし、誰もいないところで彼らの前に自分が姿を現してしまっては、もう餌食になるばかりである。
こちらが教室内なので見つかることはないだろうに、またまた情けなくも怖くなり、窓から見えぬように隠れたのであった。
隠れながらこっそり様子を見ていたら、彼らは全員同じ方向に歩いて行った。
わたしも怯えているだけではなく、不良男子たちの序列的なものは、おおかた理解していた。
男子4人は威勢はよいものの、校内全体の不良からすると、トップとまでは行けない。強い者に従いながら威張り散らすという、いわば虎の威を借る狐のような存在であった。
その一方、女子の詳しい勢力図までは、理解しきれていなかった。だが、存在感からして、女子3人は明らかに、女子の中のトップ的な存在だと感じていた。
それにしても、男子4人、女子3人といった構図。見た感じ、仲良く話をしている雰囲気ではなさそうだ。
「まさか、あの男子たち、女子を脅してカツアゲするつもりでは?」
いくらなんでも、男子が女子に圧力をかけるような行為は、気弱なわたしでも許しがたく思ったのだ。
ところが、なにやら様子がおかしいことにも気づいた。
通常なら、男子は男子、女子は女子で、それぞれ固まって別れて歩くのが、思春期の習わし。不良とて、そうである。
しかしこのときは、男子が歩く前後を、女子に取り囲まれながら歩いているような状態。見ようによっては、男子たちが逃げないよう監視されながら歩いているようにも見え、違和感を感じた。
彼らはそのまま、プールの方へ歩いて行った。プールは校舎からちょっと離れたところに位置している。
なんだかわからなかったが、妙に好奇心が沸いてしまった。
もし見つかったら、あの男子4人のこと。ただではすまされないことは承知していた。が、このときは好奇心の方が勝っていたのである。
かばんは目立たないところに置き、彼らの後を、そっとつけた。見つからないように、そっと。
そして、いざというときには逃げられるよう、逃げ道も予め想定しながら。
彼らから遅れながらも、異なるルートで、こっそりプールへ向かった。
私にとってはとんでもない大冒険をしているように思え、スリリングな時間を感じていた。
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