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第6章 異世界からの帰還
異世界との交易準備
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組合での1件の後、組合からガ一ディアンに対して不自然なほど何の接触も無かった。
そこで、ガ一ディアンとしては、異世界との交易を更に活発化させるべく、話し合いが持たれた。
まず、予約の入っている砂糖と胡椒は決定である。それに松浦から簡単なガラス細
工を高級品として、持ち込んでみてはどうかという意見が上がった。軍事利用等出来
ない物で百円ショップでそこそこの物が手に入るという理由だった。
勿論、反対する理由も無いことから、砂糖と胡椒、ガラス細工の3つの交易品をか
なりの数用意し、ミラからの衛星電話から、フェアリーゲ一トが開いたことを知らせ
て来る電話が掛かるのを待つ日々が始まった。
2日後、衛星電話に着信があった。この番号を登録しているのは、ミラだけなので
間違い無かった。柊は日課の体力トレーニングをしていたので、急いで井上が、事務
所の裏の空地まで柊を呼びに走った。
「もしもし、ミラか?」
「もしもし?変わった呼び方ね。そうよ、私。久しぶりね。このまま話してたら、
柊達が迎えに来てくれるの?」
パソコンで、GPSの位置確認をしていた松浦が6時間の合図をして来る。
「ああ、迎えに行くが、少し距離が有るから時間が掛かる。太陽が沈む少し前には
再会できるよ。」
「分かったわ。それまで、近くの山を散策してみる。」
「分かった。けど、人目には気を付けろよ。国の組織が君のことを狙っている。」
「エルフは昔から狙われやすい種族ですものね。重々承知しているわ。」
「少しニュアンスが違うんだが、その認識で間違い無い。では、6時間後日が沈む
前に会おう。」
「あなた達に森と風の加護の祝福を、またね柊!!」
「君に八百万の神々の祝福をミラ。」
柊は通話を終えた。松浦と井上が集まると、指示を出す。
「交易品は既にトラックに積載済みだな?目的地は〇〇県岡村市の山中。片道6時
間の道のりだ。気を引き締めて行くぞ!!」
「「了解!!」」
トラックは、井上と柊で交代で運転し、松浦がナビを務めた。渋滞等も無く、スム
ーズに進めたが、柊達は組合の尾行に、注意を払っていた。高速をいきなり下道に降
りてみたり、意味も無くパーキングエリアに立ち寄ったりっといった行動を何回も繰
り返し、ようやく目的地に到着した。
松浦が再度パソコンで位置検索をすると、それほど離れてはいない。そこで、柊が
「お一い、ミラ。俺達だ!」
と呼び掛けると、近くの林からミラが現れた。
「気を付けろってことだったから、隠れてたの。久しぶり柊。」
「俺も会えて嬉しいよ、ミラ。」
「「ミラ!!」」
松浦と井上も久しぶりの友との再会に喜んでいた。片言の互いの言葉で挨拶を交わ
し、抱擁し合っていた。
「ミラ、それで、ゲートは?」
久しぶりの再会に水を差すようではあったが、最優先事項でもあった。
「ここから、そんなに離れてはいないわ。ゲートの向こう側は、村の戦士達が固め
て居るからモンスターがこちらの世界に入り込むことは無いわ。このゲートは出来た
ばかりで後数日は持つ。」
必要事項を確認すると4人はトラックから交易品を降ろして、ゲートへと向かった
山合いの谷間の小川の流れる沢のほとりにそれはあった。石や、キノコ、花達に色
とりどりに飾り付けられた円形のサ一クル、フェアリーゲート。
「これがフェアリーゲ一ト。」
「綺麗。」
ゲートを始めて目にする井上と松浦は、それぞれの感想を口にしていた。
「あまり近付くなよ。イタズラ好きの妖精とやらが作った物だ。適合者や元々素質
の有るエルフのミラ以外が巻き込まれるとどうなるか分からないぞ!」
柊が注意すると2人は慌ててゲートから離れた。
そして、4人で運んで来た荷物をゲ一トを往復してあちらの世界に送り込むと、
「また、しばらく言って来る。仕事の依頼は簡単なものなら受けても良いが、財布
には余裕があるんだ。上司の目の無い休暇位に考えて待って居てくれ。」
っと柊は井上と松浦に指示を出すとミラと共にゲートに足を踏み入れるのであった
そこで、ガ一ディアンとしては、異世界との交易を更に活発化させるべく、話し合いが持たれた。
まず、予約の入っている砂糖と胡椒は決定である。それに松浦から簡単なガラス細
工を高級品として、持ち込んでみてはどうかという意見が上がった。軍事利用等出来
ない物で百円ショップでそこそこの物が手に入るという理由だった。
勿論、反対する理由も無いことから、砂糖と胡椒、ガラス細工の3つの交易品をか
なりの数用意し、ミラからの衛星電話から、フェアリーゲ一トが開いたことを知らせ
て来る電話が掛かるのを待つ日々が始まった。
2日後、衛星電話に着信があった。この番号を登録しているのは、ミラだけなので
間違い無かった。柊は日課の体力トレーニングをしていたので、急いで井上が、事務
所の裏の空地まで柊を呼びに走った。
「もしもし、ミラか?」
「もしもし?変わった呼び方ね。そうよ、私。久しぶりね。このまま話してたら、
柊達が迎えに来てくれるの?」
パソコンで、GPSの位置確認をしていた松浦が6時間の合図をして来る。
「ああ、迎えに行くが、少し距離が有るから時間が掛かる。太陽が沈む少し前には
再会できるよ。」
「分かったわ。それまで、近くの山を散策してみる。」
「分かった。けど、人目には気を付けろよ。国の組織が君のことを狙っている。」
「エルフは昔から狙われやすい種族ですものね。重々承知しているわ。」
「少しニュアンスが違うんだが、その認識で間違い無い。では、6時間後日が沈む
前に会おう。」
「あなた達に森と風の加護の祝福を、またね柊!!」
「君に八百万の神々の祝福をミラ。」
柊は通話を終えた。松浦と井上が集まると、指示を出す。
「交易品は既にトラックに積載済みだな?目的地は〇〇県岡村市の山中。片道6時
間の道のりだ。気を引き締めて行くぞ!!」
「「了解!!」」
トラックは、井上と柊で交代で運転し、松浦がナビを務めた。渋滞等も無く、スム
ーズに進めたが、柊達は組合の尾行に、注意を払っていた。高速をいきなり下道に降
りてみたり、意味も無くパーキングエリアに立ち寄ったりっといった行動を何回も繰
り返し、ようやく目的地に到着した。
松浦が再度パソコンで位置検索をすると、それほど離れてはいない。そこで、柊が
「お一い、ミラ。俺達だ!」
と呼び掛けると、近くの林からミラが現れた。
「気を付けろってことだったから、隠れてたの。久しぶり柊。」
「俺も会えて嬉しいよ、ミラ。」
「「ミラ!!」」
松浦と井上も久しぶりの友との再会に喜んでいた。片言の互いの言葉で挨拶を交わ
し、抱擁し合っていた。
「ミラ、それで、ゲートは?」
久しぶりの再会に水を差すようではあったが、最優先事項でもあった。
「ここから、そんなに離れてはいないわ。ゲートの向こう側は、村の戦士達が固め
て居るからモンスターがこちらの世界に入り込むことは無いわ。このゲートは出来た
ばかりで後数日は持つ。」
必要事項を確認すると4人はトラックから交易品を降ろして、ゲートへと向かった
山合いの谷間の小川の流れる沢のほとりにそれはあった。石や、キノコ、花達に色
とりどりに飾り付けられた円形のサ一クル、フェアリーゲート。
「これがフェアリーゲ一ト。」
「綺麗。」
ゲートを始めて目にする井上と松浦は、それぞれの感想を口にしていた。
「あまり近付くなよ。イタズラ好きの妖精とやらが作った物だ。適合者や元々素質
の有るエルフのミラ以外が巻き込まれるとどうなるか分からないぞ!」
柊が注意すると2人は慌ててゲートから離れた。
そして、4人で運んで来た荷物をゲ一トを往復してあちらの世界に送り込むと、
「また、しばらく言って来る。仕事の依頼は簡単なものなら受けても良いが、財布
には余裕があるんだ。上司の目の無い休暇位に考えて待って居てくれ。」
っと柊は井上と松浦に指示を出すとミラと共にゲートに足を踏み入れるのであった
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