42 / 131
第2章:ダンジョン攻略編(王都ダンジョン)
第42話 神殿ダンジョンの現状
しおりを挟む
オッサンが宿に帰ってきたのは次の日の朝方だった。オッサンにしては珍しく二日酔いだそうで、少し寝かせてくれと言われたので、仕方なく昼すぎまで時間をつぶすことにした。
「昼までどうしようか?」
と、相談していた所に、ネコ先生が宿にやってきた。
「もし時間があるにゃら、家に招待したいのにゃ」
と言うことで、三人でお邪魔する事にしたのだ。
ネコ先生の実家であるドルジェ家は、閑静な住宅街にあり、魔力が高い魔法使いの家系で、多くの王宮魔法士や指導者を輩出しているらしい。現在は、ネコ先生のお兄さんが、王宮魔法騎士団の一員であるとの事。僕らが家に着いたところ、家族全員が家にいたようで、全員に大歓迎された。そして全員がネコなのだ。
もう、モフモフの感情が止まらない。。。モフっていいですか!?
ネコ先生のお兄さんは、王宮魔法騎士団の一員で、ネコ獣人族で構成された小隊の小隊長を努めているとの事だ。騎士団の羽根付き帽子を被っている姿は、昔見たアニメ映画のネコさん騎士のようで、ちょっとかっこいいと思った。
「吾輩からしたら、こいつは、まだまだ未熟なのにゃ。もっと経験を積まないと行けにゃいと思っておる。どうかね、できれば、こいつを神殿ダンジョンに一緒に連れて行ってくれにゃいだろうか?」
それを聞いて驚くネコ先生に向かって、お兄さんは鼓舞する。
「野盗に捕まった事を、いつまで引きずってるのにゃ。そんな事では、歴史あるドルジェ家の一員とはいえんのにゃ。吾輩の妹なら、もっともっと上を目指せ。吾輩はいつでもお前の味方にゃ。頑張るのだ、ラーナ!!」
その言葉に、感激しているネコ先生。そして、ハッしと抱き合う兄妹。その光景を見て、ハンカチで涙をふく家族全員。僕は、置いてきぼりを食らったようで呆気にとられて、ちょっとドン引きしてたら。。。
「大丈夫!ラーナ先生は強いです!妹を想うお兄様の愛情にとても感動しました。是非一緒に行きましょう!!」
感動したと言いながら、アリシアは、お兄さんの両手を握りしめて、ブンブンと振り出した。うん、一緒に行くことは、もう既成事実化しちゃったのね。
思わず、ガリオンさんと顔を見合わせて、苦笑いしてしまった。
◇◇◇
ネコ先生の家にお邪魔した後、ギルドに向かうと、すでにオッサンも来ていたようだ。そしてギルドマスターに案内されて、ギルドの資料室へと向かったのだった。そこで今までの資料を見つつ、色々と説明を受けながら、最近の神殿ダンジョンの状況を教えてもらう事になった。
報告された情報では、どんどん難易度が上がっているようだ。ダンジョンに徘徊しているアンデッド達も、かなりの強化がされているようで、簡単にボスの場所へは行けないとか。
3体のボス討伐も、かなりの難関になっていた。このダンジョンは、無理だと判断した場合、逃げる事が可能なボスなので、逃げ帰った者が相当数に上がっている。 ここしばらくは、誰も討伐出来ていないという。銀級の冒険者が複数でかかっても不可能な状態だったとか。
最後に討伐した者達に聞いた所、今まで聞いていた神獣の様子とは、かなりの隔たりがあるとの事。最初は全身が白い毛に覆われている狼の姿との話であったのが、彼らの見た神獣は、黒とグレーの斑の毛並みで、禍々しいオーラを纏った獰猛な獣だった。これが神獣なのか?との形態になっていたという。そして、必死でたどり着いたにも関わらず、力を示せというだけで、どう示すのかを問うても、無言のまま、しばらくすれば追い出されてしまったと言うのだ。
これは、変異種なのか!?ダンジョン氾濫の前兆なのか?と、危惧されているのだ。
3体のボスの資料を見せてもらったところ、以下のようだ。
上層のボスは、不死の王(ノーライフキング)リッチ。高い知性を持つ、強力な魔法の使い手だ。特に強力なのが、闇属性魔法だ。闇属性のいくつもの火柱を巻き上げ、その業火に触れると焼き尽くされる。攻撃だけでなく、闇の壁を築き、相手の魔法を防ぐ事もする。また、毒の霧を放ち毒状態にしたり、呪いの霧を発生し、呪い効果で動きを封じたりもする。魔法を封じるスキルがなければ、相当苦戦する相手だ。
中層のボスは、不浄と贖罪の魔王オーカス。物理攻撃が主だ。肉の塊であるので、ほぼ中央に陣取り動かない。しかし、そこからの範囲攻撃は、範囲も広く強力だ。それに、肉に覆われた身体は、防御力も高く、生半可な攻撃では、傷一つ付かない。オーカスの地獄の叫びを聞いた者は、恐怖で足がすくみ、怯えて動けなくなる。そこに、アースクエイクや魔力で増幅された衝撃波を飛ばしたりとの、強力な範囲攻撃が襲ってくる。
邪竜ドラゴンゾンビは、物理攻撃とブレス攻撃、それと冷たい息を吐き凍結させる技を持つ。巨大な身体から、けたたましい竜の咆哮は、怯えて動けなくなる上、相手の防御力を0にしてしまう恐ろしい技である。
この3体とも、基本、体力を削りきるか、魔石の破壊か、が、勝利の条件であるが、偵察に向かった者の話では、魔石を、今までにはなかった黒い靄のような物に覆われているようだとの報告があった。
「昼までどうしようか?」
と、相談していた所に、ネコ先生が宿にやってきた。
「もし時間があるにゃら、家に招待したいのにゃ」
と言うことで、三人でお邪魔する事にしたのだ。
ネコ先生の実家であるドルジェ家は、閑静な住宅街にあり、魔力が高い魔法使いの家系で、多くの王宮魔法士や指導者を輩出しているらしい。現在は、ネコ先生のお兄さんが、王宮魔法騎士団の一員であるとの事。僕らが家に着いたところ、家族全員が家にいたようで、全員に大歓迎された。そして全員がネコなのだ。
もう、モフモフの感情が止まらない。。。モフっていいですか!?
ネコ先生のお兄さんは、王宮魔法騎士団の一員で、ネコ獣人族で構成された小隊の小隊長を努めているとの事だ。騎士団の羽根付き帽子を被っている姿は、昔見たアニメ映画のネコさん騎士のようで、ちょっとかっこいいと思った。
「吾輩からしたら、こいつは、まだまだ未熟なのにゃ。もっと経験を積まないと行けにゃいと思っておる。どうかね、できれば、こいつを神殿ダンジョンに一緒に連れて行ってくれにゃいだろうか?」
それを聞いて驚くネコ先生に向かって、お兄さんは鼓舞する。
「野盗に捕まった事を、いつまで引きずってるのにゃ。そんな事では、歴史あるドルジェ家の一員とはいえんのにゃ。吾輩の妹なら、もっともっと上を目指せ。吾輩はいつでもお前の味方にゃ。頑張るのだ、ラーナ!!」
その言葉に、感激しているネコ先生。そして、ハッしと抱き合う兄妹。その光景を見て、ハンカチで涙をふく家族全員。僕は、置いてきぼりを食らったようで呆気にとられて、ちょっとドン引きしてたら。。。
「大丈夫!ラーナ先生は強いです!妹を想うお兄様の愛情にとても感動しました。是非一緒に行きましょう!!」
感動したと言いながら、アリシアは、お兄さんの両手を握りしめて、ブンブンと振り出した。うん、一緒に行くことは、もう既成事実化しちゃったのね。
思わず、ガリオンさんと顔を見合わせて、苦笑いしてしまった。
◇◇◇
ネコ先生の家にお邪魔した後、ギルドに向かうと、すでにオッサンも来ていたようだ。そしてギルドマスターに案内されて、ギルドの資料室へと向かったのだった。そこで今までの資料を見つつ、色々と説明を受けながら、最近の神殿ダンジョンの状況を教えてもらう事になった。
報告された情報では、どんどん難易度が上がっているようだ。ダンジョンに徘徊しているアンデッド達も、かなりの強化がされているようで、簡単にボスの場所へは行けないとか。
3体のボス討伐も、かなりの難関になっていた。このダンジョンは、無理だと判断した場合、逃げる事が可能なボスなので、逃げ帰った者が相当数に上がっている。 ここしばらくは、誰も討伐出来ていないという。銀級の冒険者が複数でかかっても不可能な状態だったとか。
最後に討伐した者達に聞いた所、今まで聞いていた神獣の様子とは、かなりの隔たりがあるとの事。最初は全身が白い毛に覆われている狼の姿との話であったのが、彼らの見た神獣は、黒とグレーの斑の毛並みで、禍々しいオーラを纏った獰猛な獣だった。これが神獣なのか?との形態になっていたという。そして、必死でたどり着いたにも関わらず、力を示せというだけで、どう示すのかを問うても、無言のまま、しばらくすれば追い出されてしまったと言うのだ。
これは、変異種なのか!?ダンジョン氾濫の前兆なのか?と、危惧されているのだ。
3体のボスの資料を見せてもらったところ、以下のようだ。
上層のボスは、不死の王(ノーライフキング)リッチ。高い知性を持つ、強力な魔法の使い手だ。特に強力なのが、闇属性魔法だ。闇属性のいくつもの火柱を巻き上げ、その業火に触れると焼き尽くされる。攻撃だけでなく、闇の壁を築き、相手の魔法を防ぐ事もする。また、毒の霧を放ち毒状態にしたり、呪いの霧を発生し、呪い効果で動きを封じたりもする。魔法を封じるスキルがなければ、相当苦戦する相手だ。
中層のボスは、不浄と贖罪の魔王オーカス。物理攻撃が主だ。肉の塊であるので、ほぼ中央に陣取り動かない。しかし、そこからの範囲攻撃は、範囲も広く強力だ。それに、肉に覆われた身体は、防御力も高く、生半可な攻撃では、傷一つ付かない。オーカスの地獄の叫びを聞いた者は、恐怖で足がすくみ、怯えて動けなくなる。そこに、アースクエイクや魔力で増幅された衝撃波を飛ばしたりとの、強力な範囲攻撃が襲ってくる。
邪竜ドラゴンゾンビは、物理攻撃とブレス攻撃、それと冷たい息を吐き凍結させる技を持つ。巨大な身体から、けたたましい竜の咆哮は、怯えて動けなくなる上、相手の防御力を0にしてしまう恐ろしい技である。
この3体とも、基本、体力を削りきるか、魔石の破壊か、が、勝利の条件であるが、偵察に向かった者の話では、魔石を、今までにはなかった黒い靄のような物に覆われているようだとの報告があった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
305
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる