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第4章:帝国編
第125話 ゲームチェンジャー
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「ところで、どんな凄まじい戦いだったんだ?ラーナ先生、すごく落ち込んでたけど」
僕はネコ先生の落ち込みが気になって、横で休憩をとっていたクライドにそっと聞いてみた。
「いや、実は見てないんだよ」
「?」
クライドはその時の事を僕に説明しだした。
「部屋に入った途端、アランさんがものすごい勢いで飛び出して行ったんだよ」
すると、モーリッツさんがクライドたちの前にゴーレムを展開して巨大な壁を作ったんだそうだ。
そのゴーレムによる巨大な壁のせいで、部屋の中の状況が全く見えなくなってしまった。咄嗟《とっさ》の事で戸惑う皆にモーリッツさんは、『悪い事は言わない。耳を全力で押さえておけ』と言ったんだとか。
―――そうこうしていると、
「アランさんのアタタタ…とか言う叫び声と、ボコボコ、バコン、ドコン…とか何かを烈しく殴りつける音が聞こえたんだ」
クライドは何が起こっているのか気になって気になって、耳を押さえる事なんて出来ずに、なんとか確認できないかと隙間を探しながら耳をすましていると……。
「オイ逃げるぞ!って言う本城さんの声で、タレン草とか、ジ草とか、なのとかシス???とかはっきりは解らない言葉が聞こえたかと思うと……」
何かが上から落ちて来たような振動と響きがしたその後に、すごい爆音が部屋中に響き渡って、周囲をものすごい硝煙が立ち込めた。
その爆音の為にクライドの耳はキーンという耳鳴りとともに、その後の音はまったく聞こえなくなってしまったようで、後にミーリアに回復してもらうまで耳の機能は麻痺してしまったとの事。
「タレン草?ジ草?何だ?その草の名前???」
僕はその時、とある言葉が頭をよぎる。
「あ、それってもしかして、タレン草じゃなくって、多連装じゃない?まさかとは思うけど、自走多連装ロケット砲とか高機動ロケット砲システムとか言ってなかった?」
「あ、それそれ。そんなややこしい事をわめいてたような」
「はぁ~、それって、いやいやウソだろ……」
「そうなんよ。アランさん、狙いを定めたら『もう逃げられないぜ!』とか何とか言ってた気がしたな。だけど、烈しい爆音の後、もうなにも聞こえなくなったから」
部屋中を覆ってた硝煙が消えた後、魔物が居たであろうその場所には何かが焼かれた黒い跡があっただけだったとか。
「それって魔物は、木っ端微塵に消滅しちゃってるよね……」
という事で、先生の出番は全くなかったと。ここは勇者様方に先生の実力を見せつけられる千載一遇《せんざいいちぐう》と意気込んでいたと言うのに、魔法は必要なかったんだって事に先生は思いっきり落ち込んじゃったんだそうだ。
―――と、言うのが経緯なんだとか。
はぁ~、おいおい、そんなもん狭い部屋でぶっ放すなって思ってしまった。
「もう、何やってるんですか!城ごと破壊する気ですか!」
思わず僕は、モーリッツさんの所まで行って、彼にそう突っ込みを入れてしまったんだけど。するとモーリッツさんから、『え、なんで?ミニチュアだし、性能押さえてるから大丈夫だよ』と、涼しい顔で軽くあしらわれてしまった。
もう、この人たちの感覚が分かりません。って思う今日この頃です。
◇◇◇
その後は、フランソワさんと三人をトレードした後、先に進む事になった。
第二の間は、正統派剣士のような魔物将軍が出てきたのだが、その魔物が挑発の言葉を言うのを最後まで言わせない内に、クライドとネコ先生が飛び出して行く。
第一の間にて何も出来なかった事の鬱憤を解消するかのように、第二魔物将軍は二人によってボッコボコにされたのだった。
その後、二人ともに大いにスッキリしたと言った表情がはっきりと見て取れた。
第三の間は、大勢の仲魔を召喚する魔物将軍だった。将軍の子分たちがワラワラ出てくるのが何だか面倒だったので、僕はガデスハンドになった事で強化されたスキル<釣り>を復活させる事にしたのだ。それによって魅了されて頬を染めた子分たちによって、悲しいかな第三魔物将軍は消滅させられる事になった。
第二、第三の間を攻略し、この創造の世界ダンジョンでの中ボスの間は、残す所最後となったようだ。
そして四天王最後を飾る第四の間は一つしかない。
どうもその間にいるのは、例の皇太后であるマリアーネのようなのだ。
だが皇太后マリアーネの正体はジャミングのような妨害があり、はっきりとした情報が入って来ないのだ。妨害があると言う事はかなりの強敵であるのだろうから、気を引き締めないといけないだろう。
S級たちと合流した僕たちは、皇太后マリアーネに相対すべく第四の間へと向かうのだった。
僕はネコ先生の落ち込みが気になって、横で休憩をとっていたクライドにそっと聞いてみた。
「いや、実は見てないんだよ」
「?」
クライドはその時の事を僕に説明しだした。
「部屋に入った途端、アランさんがものすごい勢いで飛び出して行ったんだよ」
すると、モーリッツさんがクライドたちの前にゴーレムを展開して巨大な壁を作ったんだそうだ。
そのゴーレムによる巨大な壁のせいで、部屋の中の状況が全く見えなくなってしまった。咄嗟《とっさ》の事で戸惑う皆にモーリッツさんは、『悪い事は言わない。耳を全力で押さえておけ』と言ったんだとか。
―――そうこうしていると、
「アランさんのアタタタ…とか言う叫び声と、ボコボコ、バコン、ドコン…とか何かを烈しく殴りつける音が聞こえたんだ」
クライドは何が起こっているのか気になって気になって、耳を押さえる事なんて出来ずに、なんとか確認できないかと隙間を探しながら耳をすましていると……。
「オイ逃げるぞ!って言う本城さんの声で、タレン草とか、ジ草とか、なのとかシス???とかはっきりは解らない言葉が聞こえたかと思うと……」
何かが上から落ちて来たような振動と響きがしたその後に、すごい爆音が部屋中に響き渡って、周囲をものすごい硝煙が立ち込めた。
その爆音の為にクライドの耳はキーンという耳鳴りとともに、その後の音はまったく聞こえなくなってしまったようで、後にミーリアに回復してもらうまで耳の機能は麻痺してしまったとの事。
「タレン草?ジ草?何だ?その草の名前???」
僕はその時、とある言葉が頭をよぎる。
「あ、それってもしかして、タレン草じゃなくって、多連装じゃない?まさかとは思うけど、自走多連装ロケット砲とか高機動ロケット砲システムとか言ってなかった?」
「あ、それそれ。そんなややこしい事をわめいてたような」
「はぁ~、それって、いやいやウソだろ……」
「そうなんよ。アランさん、狙いを定めたら『もう逃げられないぜ!』とか何とか言ってた気がしたな。だけど、烈しい爆音の後、もうなにも聞こえなくなったから」
部屋中を覆ってた硝煙が消えた後、魔物が居たであろうその場所には何かが焼かれた黒い跡があっただけだったとか。
「それって魔物は、木っ端微塵に消滅しちゃってるよね……」
という事で、先生の出番は全くなかったと。ここは勇者様方に先生の実力を見せつけられる千載一遇《せんざいいちぐう》と意気込んでいたと言うのに、魔法は必要なかったんだって事に先生は思いっきり落ち込んじゃったんだそうだ。
―――と、言うのが経緯なんだとか。
はぁ~、おいおい、そんなもん狭い部屋でぶっ放すなって思ってしまった。
「もう、何やってるんですか!城ごと破壊する気ですか!」
思わず僕は、モーリッツさんの所まで行って、彼にそう突っ込みを入れてしまったんだけど。するとモーリッツさんから、『え、なんで?ミニチュアだし、性能押さえてるから大丈夫だよ』と、涼しい顔で軽くあしらわれてしまった。
もう、この人たちの感覚が分かりません。って思う今日この頃です。
◇◇◇
その後は、フランソワさんと三人をトレードした後、先に進む事になった。
第二の間は、正統派剣士のような魔物将軍が出てきたのだが、その魔物が挑発の言葉を言うのを最後まで言わせない内に、クライドとネコ先生が飛び出して行く。
第一の間にて何も出来なかった事の鬱憤を解消するかのように、第二魔物将軍は二人によってボッコボコにされたのだった。
その後、二人ともに大いにスッキリしたと言った表情がはっきりと見て取れた。
第三の間は、大勢の仲魔を召喚する魔物将軍だった。将軍の子分たちがワラワラ出てくるのが何だか面倒だったので、僕はガデスハンドになった事で強化されたスキル<釣り>を復活させる事にしたのだ。それによって魅了されて頬を染めた子分たちによって、悲しいかな第三魔物将軍は消滅させられる事になった。
第二、第三の間を攻略し、この創造の世界ダンジョンでの中ボスの間は、残す所最後となったようだ。
そして四天王最後を飾る第四の間は一つしかない。
どうもその間にいるのは、例の皇太后であるマリアーネのようなのだ。
だが皇太后マリアーネの正体はジャミングのような妨害があり、はっきりとした情報が入って来ないのだ。妨害があると言う事はかなりの強敵であるのだろうから、気を引き締めないといけないだろう。
S級たちと合流した僕たちは、皇太后マリアーネに相対すべく第四の間へと向かうのだった。
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