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湖から城へ向かう途中にある小さな街に、食事をとるために立ち寄った。
休憩もできる宿みたいな店の個室で食べ、食後にリアムとゼノが部屋を出た。その間に、再度ラズールに痛みを緩和する魔法をかけてもらう。治癒魔法が終わった後にシャツのすき間から背中を覗いてもらうと、赤い痣が背中全体にも広がっている言う。
僕は俯きながらポツリと呟いた。
「…そう。二日前には少し薄くなってたんだ。だからもしかして消えてるかなと思ったんだけど。でも痛みは続いてるから、消えるはずはないよね…」
「フィル様」
僕の髪がかき寄せられて、首の後ろに柔らかいものがあたる。
ラズールの唇が触れたのだとわかったけど、僕は止めなかった。
「痛みの間隔はどのような感じですか?」
ラズールが僕の首から顔を上げ、銀髪を撫でながら聞く。
僕はシャツを直して、後ろを振り返った。
「二日前から変わらないんだ。だからもう少し大丈夫そう。リアムと結婚式…できるかも」
「それはようございました」
優しく微笑むラズールに、僕は小さく首を傾けてみせる。
「ラズール…喜んでくれるの?本当は嫌なんだと思ってた」
「それは心外です」
ラズールが、僕の頬に優しく触れ、優しい目で見つめる。
僕はなぜか、胸が詰まって泣きそうになった。
「本音を言うならば、俺がフィル様を幸せにしたい。しかしフィル様は第二王子を選ばれた。あなたが幸せになることが、俺の幸せですから。あなたの喜ぶ顔を見れるのなら、満足ですよ。どうか、とびきりの笑顔を見せてください」
「…ラズール、ありがとう」
ぐっとこらえたけどダメだった。泣いてしまった。
泣いてる所へリアムが戻ってきて、慌てて僕の傍に来る。
「どうした?ラズールになにか意地の悪いことを言われたのか?」
「失礼なことを言わないでいただきたい。俺がフィル様にそのようなこと、言うわけがないでしょう」
「おまえはフィーが生まれた時から傍にいる。誰よりもフィーに近い存在だ。時には遠慮なく意見を言うこともあるだろうが」
「なんだと?」
「リアム…」
僕は袖で涙を拭くと、リアムの胸に顔を寄せた。
「大丈夫か?」
「うん…大丈夫。ラズールはね、嬉しいことを言ってくれたんだよ」
「こい…ラズールが?」
「僕とリアムの結婚式が楽しみだって。とびきりの笑顔を見せてほしいって」
「そうか」
「そこまで言ってません」と僕とリアムの横で、ラズールが呆れたように息を吐く。
「そう?」と僕はラズールに笑う。
「フィー」
「なあに?」
リアムに名前を呼ばれて顔を戻す。
「伯父上には、以前にフィーのことを話してある。フィーの素性も知ってるし、歓迎してくれている。結婚式の準備も喜んでしてくれるだろう」
「それは…ありがたいことです」
「だからゼノを先に城に行かせた。今日から準備を始めれば、明後日には式を挙げられる。急な話だが、いいだろうか?」
「…はい」
本当に?僕がリアムと結婚するの?
現実味が帯びてきて、僕の中にジワジワと喜びが湧き上がってくる。
僕はまた溢れ出してきた涙を隠すように、リアムに強くしがみついた。
休憩もできる宿みたいな店の個室で食べ、食後にリアムとゼノが部屋を出た。その間に、再度ラズールに痛みを緩和する魔法をかけてもらう。治癒魔法が終わった後にシャツのすき間から背中を覗いてもらうと、赤い痣が背中全体にも広がっている言う。
僕は俯きながらポツリと呟いた。
「…そう。二日前には少し薄くなってたんだ。だからもしかして消えてるかなと思ったんだけど。でも痛みは続いてるから、消えるはずはないよね…」
「フィル様」
僕の髪がかき寄せられて、首の後ろに柔らかいものがあたる。
ラズールの唇が触れたのだとわかったけど、僕は止めなかった。
「痛みの間隔はどのような感じですか?」
ラズールが僕の首から顔を上げ、銀髪を撫でながら聞く。
僕はシャツを直して、後ろを振り返った。
「二日前から変わらないんだ。だからもう少し大丈夫そう。リアムと結婚式…できるかも」
「それはようございました」
優しく微笑むラズールに、僕は小さく首を傾けてみせる。
「ラズール…喜んでくれるの?本当は嫌なんだと思ってた」
「それは心外です」
ラズールが、僕の頬に優しく触れ、優しい目で見つめる。
僕はなぜか、胸が詰まって泣きそうになった。
「本音を言うならば、俺がフィル様を幸せにしたい。しかしフィル様は第二王子を選ばれた。あなたが幸せになることが、俺の幸せですから。あなたの喜ぶ顔を見れるのなら、満足ですよ。どうか、とびきりの笑顔を見せてください」
「…ラズール、ありがとう」
ぐっとこらえたけどダメだった。泣いてしまった。
泣いてる所へリアムが戻ってきて、慌てて僕の傍に来る。
「どうした?ラズールになにか意地の悪いことを言われたのか?」
「失礼なことを言わないでいただきたい。俺がフィル様にそのようなこと、言うわけがないでしょう」
「おまえはフィーが生まれた時から傍にいる。誰よりもフィーに近い存在だ。時には遠慮なく意見を言うこともあるだろうが」
「なんだと?」
「リアム…」
僕は袖で涙を拭くと、リアムの胸に顔を寄せた。
「大丈夫か?」
「うん…大丈夫。ラズールはね、嬉しいことを言ってくれたんだよ」
「こい…ラズールが?」
「僕とリアムの結婚式が楽しみだって。とびきりの笑顔を見せてほしいって」
「そうか」
「そこまで言ってません」と僕とリアムの横で、ラズールが呆れたように息を吐く。
「そう?」と僕はラズールに笑う。
「フィー」
「なあに?」
リアムに名前を呼ばれて顔を戻す。
「伯父上には、以前にフィーのことを話してある。フィーの素性も知ってるし、歓迎してくれている。結婚式の準備も喜んでしてくれるだろう」
「それは…ありがたいことです」
「だからゼノを先に城に行かせた。今日から準備を始めれば、明後日には式を挙げられる。急な話だが、いいだろうか?」
「…はい」
本当に?僕がリアムと結婚するの?
現実味が帯びてきて、僕の中にジワジワと喜びが湧き上がってくる。
僕はまた溢れ出してきた涙を隠すように、リアムに強くしがみついた。
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