天狗の花嫁

明樹

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印 2

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お互い服を脱ぎ捨て身体中に痕を付け合う。俺は吸う力が弱いのか、痕が付くけどあまりくっきりとは付かない。銀ちゃんが吸うと、俺とは違って、俺の肌にくっきりとした真っ赤な痕が付いた。
銀ちゃんは、自分で付けた大量の赤い痕を見て苦笑いしていたけど、俺はとても嬉しかった。これは、銀ちゃんの独占欲の印。でも、これだけじゃ足りない。もっともっと銀ちゃんの物だという印を付けて欲しい。


俺は両足を広げ、後孔を指で開いて銀ちゃんを誘う。


ーー早く、中にも銀ちゃんの物だという印を付けて。


荒い息を吐き情欲に目を光らせた銀ちゃんが、俺の後孔に手早く軟膏を塗り込む。自分のそそり立つ大きな屹立にも塗り広げると、俺の後孔にあてがい、ずぷんと一気に突き入れた。


銀ちゃんの硬い屹立が奥に突き刺さった瞬間、俺は性器から白濁を噴き出した。
四肢を震わせ荒い息を吐いていると、銀ちゃんが身体を倒して俺の額に唇を付ける。瞼、頬、鼻と順番に口付け、俺が落ち着くまで待ってくれた。


俺の息が整うと、何度か角度を変えて唇を吸う。舌を絡め合わせながら、銀ちゃんがゆっくりと腰を回し始めた。


「ん…っ、んぅ、ふっ、あっ…ん」
「はぁ…凛…」


銀ちゃんの唇が、銀色の糸を光らせて離れていく。糸がぷつんと切れて、銀ちゃんが熱い息を吐いた。


「…凛、大丈夫か?はあ…っ、愛してる…ずっと俺の傍にいろよ…」
「あっ、あん…っ、いるよっ、ずっと…離れないっ、んっ」


俺を見つめたまま、銀ちゃんが腰を前後に動かす。俺の感じる所をゆっくりと擦るから、俺は堪らなくなって腰を跳ねさせた。


「はあっ、あんっ…、もっと激しくしてぇ…」
「駄目だ…っ、おまえの身体に負担がかかってしまう」
「んうっ、大丈夫だからぁ…。もっと銀ちゃんの匂い付けてっ、いっぱい中に出して…っ」
「ちっ、阿呆が…」


そう吐き捨てると、銀ちゃんは俺の腰を両手で掴み、がつがつと強く打ち付け出した。
腰を動かしながら身体を屈めて、俺の乳首に吸い付く。軽く噛まれて、俺は背中をびくんとしならせた。



「あっ、あっ、ちゅ…したいっ」


銀ちゃんが、俺の胸から顔を上げてキスをしてくれる。俺は夢中で舌を伸ばし、銀ちゃんの腰に足を絡めて、銀ちゃんの動きに合わせて腰を振りまくった。


「ふあ…っ、あっ、らめっ、も…いく…っ」
「んっ、くっ…」


中の肉塊をぎゅうぎゅうと締めつけて、俺は二人のお腹の間に白濁を吐き出した。直後に、銀ちゃんも低い声で呻いて、俺の奥に熱い飛沫をかける。
二人でぴたりと抱き合って、合わせた胸から響く、お互いのどくどくという鼓動をしばらく聞いていた。


俺は、これ以上ないくらいくっ付いているのに、もっと密着したくて、銀ちゃんの背中に回した腕に力を入れる。それに応えるように、銀ちゃんも苦しいほど強く抱きしめてくれた。


俺達はいつまでも離れ難くて、長い間、そのまま動かずに抱きしめ合っていた。


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