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青を守ろうとして怪我をした日から、青が俺から離れなくなった。
元から俺にべったりな可愛い弟だったけど、以前よりも更に俺の傍にいる。
俺はそのことがとても嬉しかったけど、辛くもあった。
青が俺の傍にいるのは、負い目を持ってるからだ。
俺の怪我が、自分のせいだと強く思ってるからだ。
俺が何度も「青のせいじゃない」と言っても、納得しない。
風呂で俺の傷を見ては、悲しそうな顔をする。
青のそんな顔を見る度に、俺も辛くなるというのに…。
俺は、青の太陽のような明るい笑顔だけを見ていたい。
夏が来てプールの授業が始まった。
背中に傷のある俺は、両親が学校に頼んでくれたことから、特別にラッシュガードを着てもいいと許可されていた。
でも、着替える時にはどうしても傷跡が見えてしまう。
背中だから自分ではよく見たことはなく、当たり前だけど気持ちのいいものではないようだ。
プールの授業が始まって数日経ったある日、俺の傷跡を見た一人の男の子が、青い顔をして保健室に連れて行かれた。
そしてその夜、男の子の両親が、俺の家に苦情を言いに来た。
「息子さんの傷跡を見て、うちの子が具合が悪くなった」
「可哀想だとは思うけど、うちの子がトラウマになったらどうしてくれる」
「いっそのこと、プールの授業は休んだらどうか」
「そんな気持ち悪いもの、他の子達も見たくないだろうから、特別に休んだとしても皆納得すると思う」
そう一方的にまくし立てて、帰って行った。
両親にリビングから出ないように言われていたから、青と二人でテレビを見ていた。だけどあの人達が興奮して大きな声で話すものだから、全部聞こえてしまった。
俺は、ただぼんやりと『そうか、俺の背中は気持ち悪いのか、そんなの見せて悪かったな』と心の中で思っていた。
すると突然、俺の身体が暖かいものに包まれた。
驚いて目を見開くと、青が必死でしがみついている。
「…青」
普通に出したつもりの俺の声が、震えていた。
「昊…泣かないで。あんなの、うそだよ。ちょっと赤くなってるだけだからっ。大丈夫だから…泣かないでっ…」
「あ…お…」
俺の肩に顔を埋めて、くぐもった声を出す青の言葉で、自分の声が震えている原因を知る。
俺、泣いてる?だめじゃん…。青が気にしちゃう…。
俺は、慌てて手の甲で濡れた頬を拭うと、青の背中を優しく無でた。
「大丈夫…ちょっと驚いただけ。あの人達、怖いね。でも平気だ。あんなこと言われたのが青じゃなくって良かった。青が言われてたら、俺、あの人達に怒鳴ってたかも」
ふふっと笑うと、青がそっと顔を上げた。
その顔を見て、更にふふ…と笑う。
「…なんで青が泣いてんの」
「わかっ、わかんないっ…けど、昊のこと悪く言われて怒ってんのっ」
「そっか…ありがと、青」
再び顔を埋めた青の頭を撫でていると、大きな手が俺の頭に乗せられた。
顔を上げると、父さんが、とても優しい目で俺を見ていた。
元から俺にべったりな可愛い弟だったけど、以前よりも更に俺の傍にいる。
俺はそのことがとても嬉しかったけど、辛くもあった。
青が俺の傍にいるのは、負い目を持ってるからだ。
俺の怪我が、自分のせいだと強く思ってるからだ。
俺が何度も「青のせいじゃない」と言っても、納得しない。
風呂で俺の傷を見ては、悲しそうな顔をする。
青のそんな顔を見る度に、俺も辛くなるというのに…。
俺は、青の太陽のような明るい笑顔だけを見ていたい。
夏が来てプールの授業が始まった。
背中に傷のある俺は、両親が学校に頼んでくれたことから、特別にラッシュガードを着てもいいと許可されていた。
でも、着替える時にはどうしても傷跡が見えてしまう。
背中だから自分ではよく見たことはなく、当たり前だけど気持ちのいいものではないようだ。
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そしてその夜、男の子の両親が、俺の家に苦情を言いに来た。
「息子さんの傷跡を見て、うちの子が具合が悪くなった」
「可哀想だとは思うけど、うちの子がトラウマになったらどうしてくれる」
「いっそのこと、プールの授業は休んだらどうか」
「そんな気持ち悪いもの、他の子達も見たくないだろうから、特別に休んだとしても皆納得すると思う」
そう一方的にまくし立てて、帰って行った。
両親にリビングから出ないように言われていたから、青と二人でテレビを見ていた。だけどあの人達が興奮して大きな声で話すものだから、全部聞こえてしまった。
俺は、ただぼんやりと『そうか、俺の背中は気持ち悪いのか、そんなの見せて悪かったな』と心の中で思っていた。
すると突然、俺の身体が暖かいものに包まれた。
驚いて目を見開くと、青が必死でしがみついている。
「…青」
普通に出したつもりの俺の声が、震えていた。
「昊…泣かないで。あんなの、うそだよ。ちょっと赤くなってるだけだからっ。大丈夫だから…泣かないでっ…」
「あ…お…」
俺の肩に顔を埋めて、くぐもった声を出す青の言葉で、自分の声が震えている原因を知る。
俺、泣いてる?だめじゃん…。青が気にしちゃう…。
俺は、慌てて手の甲で濡れた頬を拭うと、青の背中を優しく無でた。
「大丈夫…ちょっと驚いただけ。あの人達、怖いね。でも平気だ。あんなこと言われたのが青じゃなくって良かった。青が言われてたら、俺、あの人達に怒鳴ってたかも」
ふふっと笑うと、青がそっと顔を上げた。
その顔を見て、更にふふ…と笑う。
「…なんで青が泣いてんの」
「わかっ、わかんないっ…けど、昊のこと悪く言われて怒ってんのっ」
「そっか…ありがと、青」
再び顔を埋めた青の頭を撫でていると、大きな手が俺の頭に乗せられた。
顔を上げると、父さんが、とても優しい目で俺を見ていた。
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