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「くそっ!貴様っ、魔法を解け!」
「俺じゃない!デックだ!デック、やめろっ」
「デックだと?デックは魔法を使えないはずだっ」
「ふふっ」とデックが笑った。ロンを抱きしめたまま、アシュレイを見ている。
「薬は効いてるよ。でもさ、どんな状況でも力を出せる時ってあるんだよ。それはさ、すごく腹が立った時だ。アシュレイ、俺は、ものすごくアンタに怒っている。今俺が魔法を使えているのは、怒りからだよ」
「なっ…!無理に魔法を使うと死ぬかもしれないと、薬を作った奴が話してたぞ!」
「別にどうでもいいよ。俺は村の仲間達に償わなければならない。俺の命で許されることではないけどね…。それにさ、ロンが死んだから俺の命も長くない。俺がロンを拾ったその時から、契約が成立している」
デックが顔を上げてリオを見た。今にも泣き出しそうな顔をして。
「そういうことだからさ、リオも自分とアンを大事にな。リオが死ぬとアンも、アンが死ぬとリオも死んじゃうぞ」
「わかった…けど、デックは…」
「俺は死ぬよ。でも只では死なない。不穏の芽は摘んでいく。だから心配するな。…じゃあなリオ。再会できて嬉しかった!」
「デック!俺だって…っ」
リオの身体が更に上空へと飛ばされた。直後に湖から大量の水が立ち上り、滝のように小屋へと降り注いだ。
「なに…?」
リオが驚いて見ている間にも、小屋がどんどん水に覆われていく。小屋の中にできていた透明の壁が、今は小屋全体を囲んでいるのだ。
リオが小屋の中にいた時は、アシュレイと男の周りだけにあった壁が、リオが小屋から出されてからは、小屋全体を覆うように広がった。デックの魔法で。薬で魔法が使えないとは信じられないほどの、強い力だ。小屋は、あっという間に、すっぽりと水に包まれた。
リオは小屋に戻ろうとしたけど、デックの魔法の力が強すぎて戻れなかった。デックの命を懸けた魔法の力には適わなかった。だから上空から見ていた。小屋が水に覆われていく様を、ただ見ていた。水に覆われた直後に、豆粒のような大きさの人が一人、天井へと浮いて来た。騎士の制服を着ていた。しかしすぐに、男は何かに引っ張られたように沈んでいった。
やがて小屋を覆っていた水が崩れ、一部は湖に流れ一部は地面に吸い込まれて消えた。
水が崩れたということは、デックの魔法が解けたということだ。デックの命が尽きたのだ。
「俺じゃない!デックだ!デック、やめろっ」
「デックだと?デックは魔法を使えないはずだっ」
「ふふっ」とデックが笑った。ロンを抱きしめたまま、アシュレイを見ている。
「薬は効いてるよ。でもさ、どんな状況でも力を出せる時ってあるんだよ。それはさ、すごく腹が立った時だ。アシュレイ、俺は、ものすごくアンタに怒っている。今俺が魔法を使えているのは、怒りからだよ」
「なっ…!無理に魔法を使うと死ぬかもしれないと、薬を作った奴が話してたぞ!」
「別にどうでもいいよ。俺は村の仲間達に償わなければならない。俺の命で許されることではないけどね…。それにさ、ロンが死んだから俺の命も長くない。俺がロンを拾ったその時から、契約が成立している」
デックが顔を上げてリオを見た。今にも泣き出しそうな顔をして。
「そういうことだからさ、リオも自分とアンを大事にな。リオが死ぬとアンも、アンが死ぬとリオも死んじゃうぞ」
「わかった…けど、デックは…」
「俺は死ぬよ。でも只では死なない。不穏の芽は摘んでいく。だから心配するな。…じゃあなリオ。再会できて嬉しかった!」
「デック!俺だって…っ」
リオの身体が更に上空へと飛ばされた。直後に湖から大量の水が立ち上り、滝のように小屋へと降り注いだ。
「なに…?」
リオが驚いて見ている間にも、小屋がどんどん水に覆われていく。小屋の中にできていた透明の壁が、今は小屋全体を囲んでいるのだ。
リオが小屋の中にいた時は、アシュレイと男の周りだけにあった壁が、リオが小屋から出されてからは、小屋全体を覆うように広がった。デックの魔法で。薬で魔法が使えないとは信じられないほどの、強い力だ。小屋は、あっという間に、すっぽりと水に包まれた。
リオは小屋に戻ろうとしたけど、デックの魔法の力が強すぎて戻れなかった。デックの命を懸けた魔法の力には適わなかった。だから上空から見ていた。小屋が水に覆われていく様を、ただ見ていた。水に覆われた直後に、豆粒のような大きさの人が一人、天井へと浮いて来た。騎士の制服を着ていた。しかしすぐに、男は何かに引っ張られたように沈んでいった。
やがて小屋を覆っていた水が崩れ、一部は湖に流れ一部は地面に吸い込まれて消えた。
水が崩れたということは、デックの魔法が解けたということだ。デックの命が尽きたのだ。
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