本能のままに

揚羽

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復活の時

帰還

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本能寺の変から約2週間後

現在、明智光秀により治められている京では少しずつ平穏が取り戻されつつあった。

これ以前に柴田軍と羽柴軍の小競り合いは国境周辺で起きていたが、京を手にしている明智軍にはほとんど無意味であった。

「やっとあらかた終わったか。」

明智光秀はため息まじりにつぶやいた。

「さすが光秀様。もう終わったのですか。」

「おぉ、秀満。来ていたのか。」

明智秀満、詳しくはまだ分かっていないが明智光秀の従兄弟や義弟と言われている。現在は明智光秀の京での政を手伝っている。

「光秀様宛に書状が山のように届いておりますが、いかがなさいますか?」

「あぁ、とりあえず書状庫に置いてくれ。時間が空いたら読む。」

「了解しました。ところで今何をしているのですか?」

「この文か?まぁ後でのお楽しみだ。ただ驚くことは間違いないな。」

そう言って光秀は書状を秀満に渡した。

「毛利殿宛ですか?」

「あぁ、よろしく頼む。」


数日後 毛利輝元の館

「輝元様、明智光秀殿からこれが。」

「おぅ、いつもすまぬな隆景、元春。」

小早川隆景、吉川元春。この二人は毛利元就の息子であり、養子に入っていた。かつては「毛利両川」と呼ばれており、現在は毛利輝元の補佐をしている。

「どれどれ、明智はなんと言ってきたのかなっと…はぁ~~~!!!」

「て、輝元様!どうなさいました!」

「こ、これを見てみよ!」

「これは…」

「早くあの方をここにお連れするのだ!」

「はっ!」

「あっ、あと村上水軍にも協力をしてもらうのだ!」

「了解しました!」

数日後 毛利家所有の港

「では、村上殿、よろしく頼むぞ。」

「分かっております。それでは。」

村上水軍所有の船が瀬戸内海を進み始めた。

また数日後、明智家所有の港

「長旅お疲れさまでした。ここからは我らが安全にお送りいたします。」

「よろしく頼むぞ。」

軍勢は夜間に動き始めた。明智光秀のいる京へ向かって。

京内、明智光秀の館前

「ここに来るのも何年ぶりであるかな。光秀に会ったら礼を言わねばな。」

館内

「これは、遠路はるばるお戻りくださりありがとうございました。」

「いや、ここに戻れただけでも良かったのだ。そなたには、おって礼をいたす。」

「これはかたじけなく存じます」




「足利義昭様」

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