恋する魔女は星の精霊と暮らして悪魔を待つ

山本いちじく

文字の大きさ
12 / 12
コフィとスピカ

12

しおりを挟む
「ひゃっほーーー♫ハヤブサを抜くわよ!スピードアーーップ!!このままコフィを置き去りにするの!」

 明るい森の中をハヤブサと競争して飛ぶ、2体の異次元のAIには、それぞれ人間の子供が股がっていた。

「スピカ!待て待てー!!おい、トト!さっさとスピカを抜けよ!このポンコツ!」

「ブブブブ!!危険!危険!すでに安全飛行速度を大幅に超えています!ブブブブ!」

 ハヤブサは、森を抜けると湖の上空へと舞い上がる。コフィとスピカがあともう少しでハヤブサを抜きかけた。
 ハヤブサは、急降下し最高速度を出して、コフィとスピカを置き去りにする。
 コフィとスピカも負けじと急降下する。

「きゃーーーー!!!」
「ぎゃーーーー!!!」

 コフィとスピカは、ハヤブサを追いかけて、湖の上で水煙を派手に上げながらスピード勝負をした。水煙がキラキラと日光で輝いて、幾つもの虹を作った。

 湖畔で、ピクニックの準備をしているしょうこは、それを見て、厳しくたしなめる。

「トト、停止!5歳が出していいスピードじゃないわ!コフィ、スピカ、やりすぎよ!取り返しのつかないことになっていたら、どうするの?」

 トトは、安全に減速して、コフィとスピカを、しょうこの元に送り届ける。
 ハヤブサは、コフィとスピカの上を勝ち誇ったように飛び回り、森に帰っていった。

 コフィとスピカは、トトの上に跨ったまま、遊びが中断されたことに、ぶーすかぷんすか不満を垂れている。

 ディエゴとバオウは、湖畔で釣りをしながら呑気に見ていた。

「あはは、せっかく遠くから遊びに来てくれたんだ、少しくらいやり過ぎてもいいじゃないか。今日のところは、ハヤブサが優勝だな。コフィとスピカは、どっちが早かったんだ?お、バオウ、見ろ!俺の竿に魚がかかったぞ!大物だ!」

「スピカは、わんぱくだなぁ。巨人の子供は、こうでなくっちゃ。コフィもしょうこ様譲りの負けず嫌いかな?ディエゴ、それ、僕には小魚だよ。はは♫」

「ディエゴおじさん、早かったのは、あたしよ!スピカの方が早かったわ!悪いけど、悪魔の子を負かしてやったわ!」

「何だと?おれの勝ちに決まってるだろ!じごくにおとしてやる!」

 ディエゴは、じゃれあうコフィとスピカの頭の上に、花冠をポンポンっと載せた。

「じゃあ、おあいこだな」

 花冠をもらったコフィとスピカは、キャッキャ、キャッキャと嬉しそうに緑の湖畔を駆け回っている。
 そこに、ランチを届けにきたリオとサラが湖畔に着いた。
 サラは、苦笑しながら、明るい笑顔で話しかけた。

「あら、ちょうど遊び終わったところ?ランチを持ってきたわよ。みんなで食べましょう。リオがローストチキンを焼いてくれたわ」

 コフィとスピカは、リオの両方に肩車してもらって、上機嫌になっている。

「やめて!髪をひっぱらないの!あぁ、僕の頭の上で泥んこを投げ合うは、やめて!
 さぁ、ランチにするよ。リオ兄ちゃん特製の悪魔風ローストチキンだよ!」

 コフィとスピカは、我先にと、ローズマリーが香る肉汁たっぷりのチキンではなく、サラが作ったアップルパイに飛びついていく。

「やったー!!わー!ママのアップルパイ!いい匂い!あたしが先よ!」
「おれが先だ!!」

 しょうこは、コフィとスピカを叱りつける。

「あぁ!手がすごく汚い。自分でふきなさいよ!それに、ケーキは、ご飯を食べてから!」

 コフィとスピカは、一緒に怒られたことが楽しくて
ケタケタと笑い転げながら、元気に仲良く返事をした。

「はーい!」
「はーい!」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。

しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。 私たち夫婦には娘が1人。 愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。 だけど娘が選んだのは夫の方だった。 失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。 事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。 再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

結婚したけど夫の不倫が発覚して兄に相談した。相手は親友で2児の母に慰謝料を請求した。

佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢のアメリアは幼馴染のジェームズと結婚して公爵夫人になった。 結婚して半年が経過したよく晴れたある日、アメリアはジェームズとのすれ違いの生活に悩んでいた。そんな時、机の脇に置き忘れたような手紙を発見して中身を確かめた。 アメリアは手紙を読んで衝撃を受けた。夫のジェームズは不倫をしていた。しかも相手はアメリアの親しい友人のエリー。彼女は既婚者で2児の母でもある。ジェームズの不倫相手は他にもいました。 アメリアは信頼する兄のニコラスの元を訪ね相談して意見を求めた。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

処理中です...