全裸ドSな女神様もお手上げな幸運の僕が人類を救う異世界転生

山本いちじく

文字の大きさ
112 / 116

黒い森

しおりを挟む
 僕は、黒い森をターニュ、アシュリ、ラカン、カリンと歩いていた。
 晴天の下なのに闇が深く、空気は湿り気を帯び、周囲の木々が不気味な影を作り出していた。
 鳥の鳴き声もなく、静寂が森全体を包んでいた。

 先代女神様の館へ大鵬に乗ってみんなで飛んできたけど、館を取り囲む鬱蒼とした黒い森の上空には結界が張られていて、徒歩でしか近づくことができなかった。

 ラカンの案内で、館に続くわずかに踏みならされた道をいく。途中途切れたり、分かりにくくなったりするから注意深く進む必要がある。

 カリンが僕の服の袖を引っ張る。

「ピッケル、アレ、ちゃんともった?」

「ちゃんと,持ってるよ」

 大丈夫。ちゃんと手紙がポケットに入っている。

 ターニュがラカンと手を繋ぎながら歩いている。なんだか馬が合うみたいだ。

「ラカンと再会できてよかったわね。。。怒るラカンの気持ち分かるわ。むしろ、よく許してもらえたわね」

 今にも燃やされそうだったよ。

「危うく焼かれそうだったけどね」

 ナミが笑う。

「喰われそうでもあったわね。あの時、死を覚悟したピッケルから預かったメッセージ、今から言っていい?」

「いやいや、恥ずかしいからやめてよ」

 カリンが話に乗っかってきた。

「なになに?どんなメッセージ?気になる!」

 いやー!やめて。恥ずかしい。

 ラカンが豪快に笑う。

「あっはっは。雨降って地固まるというやつじゃ。のう?我がピッケル」

 そ、そうだね。喧嘩するほど仲がいいっていうもんね。。。

「あははは」

 女を怒らせると恐ろしい。

 カリンがヤキモチを焼いて突っかかる。

「なによ、我がピッケルって。あたしのピッケルよ」

 ターニュも不満そうだ。

「ちょっと!独り占めなしよ?」

アシュリも頬を赤らめて言う。

「わ、私の。。。でもあるわ」

 照れながら言うところが、可愛い。

 ラカンがニヤリと笑う。

「ちゃんと全員分、ピッケルクローンを渡したじゃろう?」

 アシュリが深くうなずく。

「確かに、本当に精巧にできていてびっくりしたわ」

 カリンがあっけらかんと言う。

「そうそう。よくよく思えば、ピッケルって結構無口だし、聞き上手だから、ゴーレムになったクローンピッケルとあんまり変わらないのよね」

 なぬ!おいおい。
 ターニュが相づちを打つ。

「そうそう!分かる!」

 分かる!じゃないよ。え、本当に?

 アシュリも神妙な面持ちでうなずく。

「確かに」

 アシュリまで!!

「何を言っておる。全然違うではないか」

 お。まさかのラカンが。そうだよね。やっぱり本物は違うよね。うんうん。

「実は、クローンピッケルの男性器は本物よりわずかに長く太く設計してあるのじゃ!」

 え?そんな魔改造やめて。

 カリンがハッとして、赤い顔になる。 

「え!確かに。。。」

 確かにじゃねぇ!
 
 ターニュがゆっくりとうなずく。

「それで具合が。。。」

 なんの具合だ。

 みんな頬を赤らめて、怪しく笑う。

「うふふ」「あはは」「。。。」

 ラカンがしたり顔で笑う。

「ふふふ。そうじゃろう、そうじゃろう」

 もう笑うしかない。

「あははは」

 でも、彼女たちは、知るまい。ゴーレムの記憶を断片的にではあるけど僕の夢に出ることを。いや、ラカンは、そこまで分かっているのか。

 最近は、ゴーレムとしてクローンに入ったとき、本当の自分なのかクローンなのか、自分でも分からない時がある。
 ラカンに言って、クローンには数字を刻印してもらったけど、何を思ったのか、お尻に小さく刻印されていて、自分でも身体を大きく捻らないと見ることができない。

 確かに普段は無口だし、会話でも相槌をしていることが多いから、ふと、「あれ?今、本当の自分だっけ」と思うことがある。
 それほどにクローンは、よくできている。
 しゃべることができない以外は、触覚や味覚などの感覚も備えていた。
 もちろん性の快感も。。。

 アシュリが足を止め、辺りを見回す。

「この森、何か変な感じがするわ。」

 ターニュも警戒しながら周囲を見渡す。

「注意しろ。草木が生い茂って、視界が狭くて、先が見えない」

 カリンが不安そうに茂みを見つめる。

「この道、本当にあってるの?」

 ラカンは、楽しそうに歩く。

「大丈夫、間違いないはずじゃ。どんどんいくぞ!」

 アシュリが顔をしかめる。

「なんだか、さっきから見られているような気がするわ」

 ターニュも周りを見渡す。

「見られてるって?でも、たしかに。。。」

 黒い森の中を歩いていた僕たちは、周囲の静寂に不安を感じながら進んでいた。

 突然、木々の間から不気味な音が響き渡った。
 その瞬間、上から植物のツルが降りてきて、僕たちを襲った。

 植物のツルが無数に降りてきて、僕たちを絡め取った。
 ツルは、トロトロとした粘液を分泌し、あっという間に全員が粘液まみれになって、宙吊りになった。

 アシュリが驚きの声を上げる。

「きゃあ!何これ!?」

 カリンが呆れる。

「もうやだ!またこれ?」

 ツルは素早く僕たちに絡みつき、逃げる暇もなく全員を捕らえた。
 ツルはまるで生き物のように動き、滑りやすい粘液をニュルニュルと分泌していた。

「きゃあ!」

 アシュリの腕に巻き付いたツルは、彼女の動きを封じるように強く締め付ける。アシュリの爪先からダラリと透明な粘液が地面に垂れる。

 カリンが必死に抵抗しながら、「いやぁ!助けて!」と叫んだ。

 カリンの身体にもツルが巻き付き、動きを封じ込めていた。
 透明でヌラヌラと光る粘液がカリンの肌にべったりと張り付き、冷たくて不快な感触が広がってる。

 ラカンもツルに捕らえられていた。でも、ラカンは、ちょっと楽しそうだ。

「おお。なんだこれは、ヌルヌルして、なんだか気持ちいいな。はぁぁ。なんだかうっとりするぞ」

 ツルがラカンの体に絡みつき、服の中にジュルジュルと入り込んでいく。

「あぁぁ!」

 ラカン、それは変態すぎる!

 ターニュは冷静に状況を見極めようとしているけど、またツルに捕まり、体を動かすことができない。
 粘液にはどうやら幻覚を見せる毒があるみたいだ。

「あぁ!なんだこれは。。。身体が熱い。。。はぉひぁ」

 僕自身もツルに絡め取られ、動くことができない。
 ツルは僕の腕や足に絡みつき、粘液がべったりと付着していた。
 その冷たさとヌルヌルとした感触が不快で、必死に振り払おうとしたが、ツルはしっかりと僕を捉えていた。

 全員が身動きが取れない。
 これは、まずい。
 幻覚で意識がふわふわしてくる。
 頭の中が淫乱な妄想で満ちていく。粘液の毒に催淫や多幸感を与える効果があるのか?ダメだ、今そんなこと。。。

「まずい。。。ラトタス、助けろ。。。」

 ポシェタからこぼれ落ちるように飛び出したラトタスが地面にガシャンと着地した。
 磨かれた甲冑が美しく光る。

 ラトタスが剣を抜き、ツルをバッサバサと切り始めた。
 まずは、僕がツルから解放された。すぐにポムルスをかじる。

「待ってろ、今助ける!」僕は声を張り上げ、全力でツルを切り裂いていった。

 ツルは切り離されると、アシュリが粘液を飛び散らせながら地面に落ちた。

「はぁはぁ!いゃぁ」

 アシュリが幻覚をみてガクガク震えている。

 やっとのことで、ツルを切り終わり、全員を助け出すことができた。
 僕たちは息を切らしながらも、再び立ち上がった。ツルの粘液が体に残っている。

 こんな時は、魔法に限る。

 「キュア!」

 全員がポムルスをかじって息を整えて、魔法で身体を清潔にした。

 やっと人心地ついた。

 ふぅっと息をついたのも束の間だった。
 次には巨大なスライムに飲み込まれた。透明な粘液が全身を覆い、まるでローションのようにヌルヌルとした感触が広がる。

 アシュリがスライムから顔を出して叫ぶ。

「うわっ、これ何!? 全身がヌルヌルしてる!」

 ターニュの怪力でも抜け出せない。

「くそっ、動けない!この粘性が厄介だ!」

 ラカンはやっぱり楽しんでいる。

「このヌルヌル、使えるな。試料として採取しておこう」

 何に使うんだ!

 カリンは、悲しさに暮れている。

「もうやだぁ!森なんか大嫌いよ!」

 ラトタスが僕をスライムの中からズボッと引き抜いた。

 「みんな、落ち着いて!何とかして抜け出すんだ!」

 アシュリは全力で足を引き抜こうとする。

 「動こうとしても、全然進まない!ヌルヌルが。。。」

 ターニュが力を込めて体をひねる。

「このスライム、また毒がある。。。幻覚が。。。あぁ」

 ラカンがうっとりしている。もう幻覚に身を任せて、むしろ愉しんでいる。

「あぁぁん」

 アシュリが口からよだれを出している。

「はぁはぁ。。。あぁぁん」

 まずい。早く助けないと。
 でも、どうやって?
 1人ずつ引っこ抜くしかない。

「ラトタス、同時に力を入れてスライムを押しのけるんだ!せーの!」

 まず、ターニュを引っこ抜く。

「はぁはぁ。ふぁぁんっ」

 ポムルスでターニュを正気に戻す。

「ターニュ、手伝って!」

 次にカリンを助け出して、何とか全員スライムから引っこ抜いてポムルスを齧らせた。

 全員スライムでヌルヌルになっている。なんだか妙に艶めかしい。

「みんなでスライムを焼き払おう」

 ターニュは、まだガクガクへたりこんでいる。
 ラカンが少し震えながら僕にしがみつく。

「た、頼んだ」

 このスライムめ。

「せーの!ゾゾファイガスでいくわよ!」

 僕とカリンとアシュリとラトタスでゾゾファイガスを放つ。

「うおおおおおおお!」

 力を合わせた瞬間、スライムが弾けるように僕たちを解放した。

 僕たちはスライムの粘液をつけたまま、地面に転がった。
 全身がヌルヌルして気持ち悪かったが、自由になれた喜びがそれを上回った。

 アシュリが安心して言った。

「やった、抜け出せた!」

 ターニュが息を切らしながら言った。

「もう、スライムは勘弁してほしいな。」

 ラカンだけは違ったようだ。

「でも、楽しかったな。うふふ」

 カリンが怒りをぶちまける。

「最悪よ!どうして森はいつもこうなの?!」

 みんなの顔を見て、無事を確かめる

「さあ、これからも進もう。
 この長い旅が終わろうとしているかもしれない。
 でも、まだやるべきことがあるんだ。」

 アシュリが言った。

「そうね。人生は、終わりのない旅だけど、一区切りつけてもいいはずよ」

 全員がうなずき、再び一歩を踏み出した。スライムの粘液を魔法でキレイにして、僕たちは進んでいった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!

ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界転生者のTSスローライフ

未羊
ファンタジー
主人公は地球で死んで転生してきた転生者。 転生で得た恵まれた能力を使って、転生先の世界でよみがえった魔王を打ち倒すも、その際に呪いを受けてしまう。 強力な呪いに生死の境をさまようが、さすがは異世界転生のチート主人公。どうにか無事に目を覚ます。 ところが、目が覚めて見えた自分の体が何かおかしい。 改めて確認すると、全身が毛むくじゃらの獣人となってしまっていた。 しかも、性別までも変わってしまっていた。 かくして、魔王を打ち倒した俺は死んだこととされ、獣人となった事で僻地へと追放されてしまう。 追放先はなんと、魔王が治めていた土地。 どん底な気分だった俺だが、新たな土地で一念発起する事にしたのだった。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

身寄りのない少女を引き取ったら有能すぎて困る(困らない)

長根 志遥
ファンタジー
命令を受けて自らを暗殺に来た、身寄りのない不思議な少女エミリスを引き取ることにした伯爵家四男のアティアス。 彼女は彼と旅に出るため魔法の練習を始めると、才能を一気に開花させる。 他人と違う容姿と、底なしの胃袋、そして絶大な魔力。メイドだった彼女は家事も万能。 超有能物件に見えて、実は時々へっぽこな彼女は、様々な事件に巻き込まれつつも彼の役に立とうと奮闘する。 そして、伯爵家領地を巡る争いの果てに、彼女は自分が何者なのかを知る――。 ◆ 「……って、そんなに堅苦しく書いても誰も読んでくれませんよ? アティアス様ー」 「あらすじってそういうもんだろ?」 「ダメです! ここはもっとシンプルに書かないと本編を読んでくれません!」 「じゃあ、エミーならどんな感じで書くんだ?」 「……そうですねぇ。これはアティアス様が私とイチャイチャしながら、事件を強引に力で解決していくってお話ですよ、みなさん」 「ストレートすぎだろ、それ……」 「分かりやすくていいじゃないですかー。不幸な生い立ちの私が幸せになるところを、是非是非読んでみてくださいね(はーと)」 ◆HOTランキング最高2位、お気に入り1400↑ ありがとうございます!

処理中です...