異世界の冒険の果てに。~ハーレムなんて当たり前!果てに至るは天帝~

シロガネーダ

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異世界の冒険の旅立ち(ジェルゴ王国篇)

57話 ヒサキレるとオークの大群?無双?いえ瞬殺

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 ヒサはジェネラルゴブリンの悪い思いが当たらなければいいと思っていたが、これは神も知らぬ事だった。

 ヒサ達は、人々の喧騒な中、街門に急いでいた。

「さぁて。オークとやらを見るのは初めてだな。冒険者ギルドの絵では見た事はあるが、写真の通りだとかなりの気持ち悪そうだな。」

 シルフィはまたもやヒサの独り 事に反応した。

「ヒサ様。オークは、ゴブリンよりも女の敵ですわ!排除ですわ!殲滅ですわ!激滅ですわ!」

「あ、おう!そうだな!シルフィの敵は俺の敵!必ずや殲滅しよう!」

 シルフィの物凄い剣幕に圧倒されたヒサはシルフィに同意した。


 軈て街門に着き、門の外を見ると大勢の騎士やら冒険者でオークを待ち構えていた。

 ヒサ達が門の外に出て、何処でオークを待ち構えようか探すと、冒険者ギルドで初めて冒険者に声を掛けられた男ギラトリスがいた。

 だがヒサは、無視した。


 ヒサは予めマップでオークの群勢を見ており、こんな多くの騎士やら冒険者がおれば大丈夫だと思っていたが、騎士やら冒険者のレベルまでは見ていなかった。


 ヒサが場所を探すのにキョロキョロと見回していると前衛が騒がしくなった。


「何か前衛が騒がしいな。シルフィ、ウサミとワカバ、離れず付いて来いよ。」

「はいぴょん!「はいにゃん!「はいですわ!」」」

 ヒサ達は、人混みを分けて進んで行くと、奴隷がいた。


「は?何やってる?」

 ヒサは疑問に思い、そして無性にイライラし始めると、丁度その時、目立ちやがりな偉そうな貴族が馬に乗ってやって来た。


「はん!この俺様、リューゲル守護騎士団長メータチヤ・ガリヤーロウ様が居れば怖い物など無い!さあ奴隷共!肉の盾となり我らに勝利を齎すのだ!」

 最前線の前衛に奴隷たち、男や女子供までもがおり、女子供達は泣いて許しを乞うていた。

「き、貴族様!ど、どうか子供だけでも見逃してくれませんか!」

 40歳ぐらいの奴隷の女が何とか子供を見逃して欲しいと頼む。

「怖いよ~!死にたくないよ~!エーン。」

 近くの親もいない子供が命乞いをしていた。

「俺が何とかお前ら女子供の盾となってやるが、流石にこの大勢の女子供の盾は無理だろう。糞が!」

 更にガタイの良い奴隷の男が子供たちの為に、命を掛けて守ろうとするが、女子供の人数が多過ぎて無理しか思えない。だから貴族を恨むしか出来なかった。

 そして守護騎士団長メータチヤ・ガリヤーロウは奴隷達を、路傍の石を見るように喋った。

「お前らは人の役に立つ為にここにいるのだぞ!売れ残りの分際で無くな喚くな!お前らはどうせ死ぬのだ!だったら、最後は街の為に死ねばいいのだ!」

「ぁぁん?」

 騎士団長メータチヤ・ガリヤーロウの言葉を聞いた瞬間ヒサは、キレた。


 “キ──────────────ン”

 シルフィ、ウサミとワカバと奴隷達以外に殺気を向けて音を立て鳴り響く。

 シルフィ、ウサミ、は二回目だが直接は当てられていないが、怖く恐ろしく、そして悲しい気持ちになった。ワカバ、は初めて優しいヒサが怒り、怖いと同時にワカバが攫われた時、同じくらい怒ってくれたんだろうと思った。


「ぉい!なんだぁお前は?人が生きるのに上に下もない!理不尽なお前の勝手で人を殺すな!」


 かなりの殺気は抑え込んでいるが怒り心頭なヒサ。


 しかし守護騎士団長は何とか意地と威厳で馬に乗っているが馬はもう失神していた。そして馬が倒れ、守護騎士団長が転がった。それを逆にヒサが路傍の石の様に見つめた。

「何とか言えや?糞貴族が!」

「は、ひ、ふ、へ、ほ、ば、あぁ、き、ん」

 守護騎士団長は何が言いたかったのか分からないが、自称悪のキンがサヨナラしそうな言葉を言った。

「おい!ギルドマスター!どういうこったこれは?あん?」

 少し遠くにいたギルドマスターは、何とかヒサの殺気と言う攻撃に耐えていた。

「す、す、済まない。俺の権威が届かない相手でな。他の冒険者もこの貴族に目を付けられたくないのだ」

 その間にもオークの群勢と様々なモンスターが混じり街に押し寄せてくる。

 ヒサは奴隷を見つめそしてモンスター睨みヒサも知らずに何時もの白い魔力じゃなく、金色の魔力を纏い始めた。



 “九條久二郎之名に於いて命ずる”

 “空に具現し氷の龍よ”

 “龍よ氷の牙を槍と化して降らうだろう”

 “氷牙龍槍ひょうがりゅうそう”


 ヒサの咏はとても小さく誰にも聴こえなかった。


 ヒサの魔法の咏によって空が暗くなり空に氷龍が具現した。

 具現した氷龍がとぐろを巻くとヒサを見てから口を開く、

 そして龍が咆哮すると牙と言う幾千万の槍がモンスターに降り注ぐ。

 モンスター達は、逃げ場もなくそのまま貫き串刺しになるが、綺麗に刺さっており綺麗な死体が幾つも出来、死体となったモンスターは、消えていった。理沙がインベントリをヒサに言われずとも収納していたのだ。


「ふん!これで満足か?え?守護騎士団長様?」

 守護騎士団長に聞くとヒサは緋里に魔力を込め緋里の鯉口を切る。

 そしてモンスターが消えて氷の槍で埋め尽くされた場所に、誰の目にも視えない抜刀術、閃凪で飛焔斬を放った。

 馬鹿でかい焔の斬撃に氷の槍の剣山は飛焔斬で斬れる前に溶け、全ての槍が消え斬撃も消えた。

 あとに残ったのは穴だらけの野原だけだった。

「おい!シルフィ、ウサミ、ワカバ、行くぞ!後、ギルドマスター!」

 ヒサは呆けて放心状態のギルドマスターに聞く?

「は、はあ、はい!何ですか?」

 蘇ったギルドマスターは普段の口調が変わって返事をした。

「その者たち、奴隷達は、俺預かりにしとけ!分かったな!」


「は、はい!ど、奴隷商人に掛け合いそのようにしときます!」

「頼む!シルフィ、ウサミ、ワカバ、行くぞ!」

「は、はいぴょん!「は、は、はいにゃ!「は、はいですわ!」」」

 そしていつもの定位置に抱き付き右腕にウサミ左腕にワカバそしてシルフィは背中じゃ無くヒサの正面に抱き付き、転移した。

 その場面を見ていたギルドマスターマーチョリナ・ゴオリランは何が何だか分からなかった。

 ただ分かったのは、大群の群勢で押し寄せていたモンスターが、何の被害も無く、穴の被害が残っただけだった。

 それは伯爵が何とかするだろうとギルドマスターは思っていたが、知らずの内に何時のまにか消えているだろう。

 ギルドマスターはヒサが何者か気になるが、ギルドマスターは少し心当たりが合ったが、人柄が全然今までの人とは違い困惑していた。

 そして、最後の問題、気絶、失神した者達を、どうしようと途方に暮れるのだった。



 だから、街から人を呼べば良いのに、と誰かが思っていた。


 そしてヒサ達は、何処に転移したのだろう。
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