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異世界の冒険の旅立ち(ジェルゴ王国篇)

73話 計画立てたはいいが面倒くさい(前編)

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 ゲド奴隷商会の疲弊困憊な奴隷達や、手足欠損や酷い傷の奴隷、そして重病で命の危機すらあったリリカを、救出をしたヒサは、ヒサの屋敷のリビングに転移した。

 この屋敷のリビングは広い、広い場所に絨毯が轢かれており、何時もウサミとワカバが寝転んだりしている。

 そこにヒサと奴隷達、十五人が現れた。ヒサがマップとシルフィのアイギスの指輪で連絡を取ったので、ウサミとワカバが潰される事は無かった。

 ヒサ達がリビングに転移すると、丁度パティがリビングに入って来たので、奴隷達の為に軽いスープとか食べやすい物を頼んだ。

 パティは、前回の奴隷の中に母親が何人かいたので、調理人を増やし、直ぐ様ネーリア達を呼んで料理を開始をした。

 するとハーフエルフの副メイド長のシュリエルが、いたので屋敷の一階の台所から近い、リリカ用の部屋の用意を頼んだ。

「シルフィこの少女、リリカなのだが、まだ病気が完治して間もない。部屋の用意が出来たらベットに寝かしてくれ。起きたら野菜を崩したスープを与えてくれ」

「分かりましたわ。ヒサ様何処かまだ出かけるのですか?」

「あぁ。まだ救けないと行けない者達がいるんだよ」


「そうですか。危険は無いんですか?」

「大丈夫だよ。後は頼むな。ミミア、行くぞ」

「えっ?何処に行くのですか?ケドラスの屋敷にケドラスの安否の確認だよ。何かあれば、街衛か騎士団に報告しなきゃだろ?」

「はっ!そうですね!急がなきゃですね!」

「ほら、行くぞ!」

 ヒサはミミアの手を取るとケドラス邸に[転移]した。

 シルフィはヒサがミミアの手を取ると所を見て、少しと言うか、もう少しの多めに、焼き餅を焼いていた。

(むぅ~!ヒサ様のバカぁ!私の前であんまり知らない娘の手を取ったり、馴れ馴れしくしないでよね!ほんとにもぉ~!)

 本当に大人気ないシルフィだった。



 そんなシルフィの気持ちをしらず、ヒサはミミアと一緒に、ケドラス邸の門の前に転移した。

 転移する前に、マップで人通りが無い事を確認していたので、目立つ事は無いだろう。

 ヒサとミミアはケドラス邸の近くに転移したが、少しミミアが不思議そうに思っていたので、予めここには前来たことにした。

「俺、前にここの近くに来た事があるから、ケドラスの家を知っていたんだよ。後ミミア、転移の事は内緒にしておいてくれないか。転移で面倒くさい事が起こりそうだからな」

「便利ですもんね!悪用されそうですよね。はい!分かりました。ヒサ様」

「じゃあケドラスさんを確認するか」

「はい!門番はいつものようにいないので、門をそのまま潜って玄関に向かいます」

「あぁ。分かったよ。ミミアに付いていくよ」

 ヒサはミミアに案内して貰いながら、ミミアに付いて行く。ケドラス邸の事は、誰よりもヒサが知っているが、知らない振りして計画通りに実行する。その方がミミアを含めた奴隷達は幸せになると、ヒサと理沙と緋里で考えた。

 ミミアがケドラス邸の玄関に着くと、扉を叩き話しかける。

「すいませーん!どなたかいらっしゃいませんかー!」

 ミミアが呼んでいると、ケドラス邸の奴隷メイドが出てきた。

「はい。お客様、どのようなご用件ですか?」

「あの、私、ゲド奴隷商会のお茶出しのミミアです。ご主人様、ケドラス会長はご在宅ですか?ゲド奴隷商会で問題が発生しましたので、
 ご報告を兼ね安全を確認しに来た次第です」

「はい!ご主人様は屋敷に帰って来てから、外出しておりません。そうですか。ご主人様に至急お伝えしませんとですね。あのぉ失礼ですが貴方様はどちら様でしょうか?」

「俺は、冒険者のヒサだ!昨日奴隷契約をして貰ったぞ。ケドラスさんに奴隷の事なら何時でも来てくれって言われたので、ゲド奴隷商会行って見れば大変な事になっていたので、ケドラスさんが心配でミミアに付いてきた」

「あっ。ヒサ様の事はご主人様からと、外からのお客様からお聞き及びしています。そうですか。取り敢えず、中にどうぞ。私はここの屋敷のメイド長のスウジーと言います。ではこちらにどうぞ。」

 メイド長のスウジーに、リビングに案内されたヒサはソファに座り、他の奴隷メイドが紅茶を持って来てので、紅茶を飲んでいると、スウジーが慌ててリビングに入って来た。

「あのっ!ご主人様が二階に見当たりません!どうしましょう。あのっ!ヒサ様方もご一緒に探して下さいませんか?」

「えっ!ご主人様、ケドラス会長がいないのですか!協力します。」

「俺も手伝うぞ。2階は全部探したのか?」

「はい。私室と寝室と真っ先に、その後、どの部屋にもご主人様はどころか、近くに待機している警備の人間もいなくなっているのです」

「分かった。手分けして探すぞ。俺とスウジーとミミアでもう一度二階を探すぞ。残りメイド達は一階を探してくれ。スウジー案内してくれ」

「はい!こちらです。」

 スウジーは何故か、ヒサと話していると胸がドキドキとしだしてきた。
 そしてヒサの顔を見る度に、ヒサが格好良く思えてきた。 


 ヒサ、ミミア、スウジーの三人は、二階に上がると、二階を探して見たが誰もいない。

 ヒサはいない事は分かっているが探し、だがもし誰かいたら、マップにも移らない者なので、怖いなっと思うヒサだった。

「スウジー、もしかしたら何か良くない事が、この屋敷と、ゲド奴隷商会の建物で、起こっているのかも知れない。こんなに探していないと変だぞ。取り敢えず、外に出よう。屋敷の中は危険かも知れない」

「そ、そうですね。ヒサ様。早く屋敷から出た方がいいですね」

「ヒサ様。何だか怖くなって来ました。早く屋敷から出ましょう」

 ヒサの提案にスウジーは乗り、ミミアは震えている。

 ミミアはお化けと勘違いしてないかな、っと思うヒサだった。

 スウジーが歩くと足がもつれ、倒れそうになるのをヒサが支え、スウジーと密着する。

「スウジー大丈夫か?疲れているのか?ちょっとごめんな」

 ふらついたスウジーを、ヒサはお姫様抱っこして屋敷を出る。スウジーは顔を真っ赤っにして、ヒサを見てアワアワとしていた。

(アーッ!スウジーさん。ずるいよぉ!あぁ!いいなぉ。スウジーさん羨ましいなぁーっ!)

 ミミアはスウジーがお姫様抱っこされたのを見て、またまた心の中で叫びながら、ヒサの後を付いて行く。

 奴隷メイドの四人がリビングに集まっており、スウジーに気付いたメイド達は話し掛けてきた。

「メイド長!一階には私達以外見当たりせんでした。何か不気味です!」

「こんな状態でごめんなさい。足腰がもつれちゃって。二階も誰もいなかったわ。ヒサ様と話してこの屋敷は危険だと思うから、早急に屋敷を出ましょう」

 奴隷メイド達はヒサにお姫様抱っこされている、スウジーの事がとても羨ましく思い、顔を真っ赤っに染めているスウジーが、少し可愛いと思ったが、やっぱり羨ましいと、思う四人の奴隷メイドだった。

 外に出たスウジー達は、屋敷を出て安心したようで、ちょっと顔色が良くなっていた。

 ヒサはあれっ最初はこの屋敷の奴隷メイド達は、顔色悪かったよな、と思い、ヒサと会ってから少し元気になっていた。

「あっあのヒサ様。もう大丈夫なので降ろして下さいませ。べ、別に嫌って事は無いんですよ。寧ろお願いしたいです、って何言っているの私!あっ。すいません。降ろして下さいませ」

「ん?あ~、あ、ごめんな。もう大丈夫なのか?無理はするなよ」

 ヒサはスウジーを下ろすと、スウジーは手を伸ばし、何だか残念そうにしていたが、だけど恥ずかしのか俯き、隠れた顔は赤くしていた。

(ヒサ様。あんまり優しくされちゃいますと、私惚れちゃいますよ!)っと言ってるが、スウジー十八歳は完全にヒサに惚れていた。

 ケドラス邸の奴隷メイドがこれからの事を思うとメイド長とヒサに声を掛ける。

「これからどういたしますか?メイド長。ヒサ様」

 メイドに声を掛けられスウジーは、慌てて冷静になり、受け応えた。

「どう致しましょうか。この不気味屋敷で暮らせないし、ましてはご主人様がいらっしゃらないの住めないし、ヒサ様どう致したら良いのでしょうか?」

「そうだな、暮らすとかの問題じゃなく、今起こっているケドラスの行方と問題を、街衛に報告して、解決出来そうに無かったら、騎士団動かすしか無いだろう。こんな奇っ怪な事、俺等では解決出来ないし、面倒くさいぞ」

「そうですね。街衛の人に報告しましょう誰か行きましょうか?」

「スウジー。ここは危険なのだから、みんなで行けばいいじゃないか」


「分かりました。みんな行きましょう。外から見ると余計に、屋敷が何だか恐ろしく思いますね」

 スウジーさんそれ気のせいです。怖い思いさせて、みんなごめんなっと、ヒサは心の中で六人に謝る。

 ヒサ達七人は街中に向けて歩くと、街中を歩いている街衛がいたので、スウジーが代表で、街衛に話し掛ける。

「街衛さん。すいません。ケドラスの屋敷のメイド長のスウジーです。私達のご主人様のケドラスが、自宅で行方不明になってしまったのです。同じ様な事がゲド奴隷商会でも起きてます。私達が一階で、多分仕事している間に、争った声も聞こえず、神隠しみたいに二階にいた人達、全員が消えたのです。」

「それは不気味ですね。争われた形跡は無かったのですね。」

 街衛の言葉に今度はミミアが返す。

「ゲド奴隷商会でお茶出ししてますミミアです。ゲド奴隷商会でも、争った声も聞こえなったです。二階にいた怖い警備の方ご消えました」

「至急、街衛長に知らせて来ます。皆さん気を付けて下さい!」

 街衛は走り出して行った。

「どうしましょう。戻りますかヒサ様?」

「そうだな。喉乾乾かないか?あそこの露店で、フルーツジュースでも飲んで、少しスッキリするか。みんな行くぞ」

 ヒサは奴隷達を連れてフルーツジュースを売っている露店に向かった。

「おっちゃんフルーツジュース七つ頼む」

「あいよ!1つ銅貨二枚だよ!銀貨一枚に銅貨四枚、丁度貰うよ!直ぐに出来るからな」

「お待ち!このアイテムのお陰で冷えてるから美味いぜ!」

 おっちゃんは冷蔵庫らしきものから、冷えたフルーツを魔導具のミキサーを回して出来上がったのを、ヒサはおっちゃんからジュースを貰って飲んで見ると、

「お、よく冷えてるな。お前達も飲めよ。美味いぞ」

「ヒサ様頂きます!」

 ミミアが貰うと、

「ヒサ様、ありがとうこざいます」

 スウジーも、ジュースを貰い、四人の奴隷メイドも貰った。

「「「「ヒサ様ジュース頂きます!」」」」

 みんなフルーツジュースを飲むと、

「良く冷えてて美味しいですね」

「そうですね。頭もスッキリして美味しいです」

「「「「ヒサ様美味しいです!!」」」」

「そうか。それは良かった」

 ミミア、スウジー、奴隷メイド四人と話し、女子達は楽しそうに話していた。

 初めて見たときには、大人しく暗かったのに、ヒサに会って少しの間に、こんなに明るくなった奴隷達であった。

 ヒサ達はジュースを飲み終わると、ケドラス邸に戻って行った。

 ケドラスの屋敷の前で、街衛長が来るのを待ちながら、奴隷達は楽しそうに話しているのを眺めていると、たまに急にヒサに話しを振られ、その都度慌てて答えるヒサだった。

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