その温もりで抱きしめて。【時々番外投稿〜♡】

恋の奮闘

５】我が道を走るッ！（前）

　
お待たせしましたm(_ _)m
完全復帰ではないですが、ぼちぼちと（ーー；）
よろしくお願いします。


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　ハグは気持ちいいです。

　走るのも気持ちいいです。

　ダグに会うと、まずは、ぎゅっと抱きつきます。
「ダグ、今日も好きです」
　ご挨拶は忘れません。

「メッセージだけにしてくれ…」
　力無い声で言われますが、ぎゅっと抱きつきを強くすれば返してくれるので、ボクはすぐに忘れてしまうのです。

　最近、二人で走ってます。
　運動は身体にいいので、体力作りにもなるだろうと始めたのですが、ダグはどうも短距離向きです。筋肉の人なので、身体が重いのかもしれません。途中までボクと同じ速度もしくは上なのに、失速します。持久力はボクが上でした。

　とは言え、走りがメインではないんです。
　ボクがぼんやりさんだから護身術を教えて貰ってるんです。前回の事がありますし、ボクは危険がいっぱいなのだそうです。

　準備運動後、ランニングを軽くして、身体がちょっと疲れたところで、メインの護身術を教えて貰ってます。

　ダグは昔ケンカばかりしてたそうです。急所をよく知ってるので、警察の防犯の映像なんかを見て、力のないボクでも出来そうな事を考えてくれてます。
　ボクはひたすらそれの反復練習です。

　脛や股間や脇腹を狙って、腕が緩んだら抜け出してダッシュです。
　ボクの足の速さはダグのお墨付きです。しかも持久力があるので、走り続けて交番やコンビニに逃げ込む段取りです。

　これが出来るようになったら、ひとりになっても大丈夫とダグが言います。
　ダグが安心できるならとやってます。喜んで欲しいので頑張ります。

　ぼんやりさんのボクが咄嗟に出来るまでが目標なのですが、どうにも遠慮というか、痛いだろうなぁと思うと蹴る力が弱くなってしまいます。

　痛くするんだから遠慮するなとダグが言うのですが、ボクは上手くできません。意気地なしです。

　自力が無理なら補助に道具を使う事を考えてくれました。
　護身用のグッズとか見て、スティンガーとか勧められましたが、刺さりそうなのもあって、貧血を起こしかけました。
　ひ弱です。非力で、どうしようもないです。ガックリです。

　ダグさん基準だと打撃中心になるので、穏便な方向へ作戦変更をしてもらう事にしました。

　体術を使って相手に掴まれても振り解ける方法を見つけてくれました。警察の防犯動画凄いですね。女性用的なのですが、そこは非力を自覚してるボクですから、全然気にしてません。

　掴まれた手をいかに振り解くかを警察の防犯動画を見ながら、ダグを相手にスルリ、スルリンと実践してたら、追っかけ子みたいになって楽しいです。

　最近の練習はとっても楽しく、楽しみな事になりました。



　今日は休日ですが、ダグはお仕事です。
　自主トレです。勉強とストレッチと筋トレをしてましたが、暇です。

　追いかけっこ…もとい、護身術の練習がしたいです。でも、ダグはお仕事です…。

　工務店さんのお仕事は、休憩を挟みながらお仕事をするんだと、以前おじさんたちとお話をしましたね…。
　10時とお昼休み。そして、おやつ休憩です。小口のお仕事は違うらしいのですが、今日は、あのおじさんのところって言ってたので、休憩してるはずッ！

　大福を買っておやつタイムを一緒にしてもいいのではないでしょうか。そうと決まれば、お出掛けです。

　ボクのお財布はバイト料が入ったところなのでホクホクです。無駄遣いはできませんがね。



　ーーーーー途方に暮れてます。

　行き先が分かりません。

　大福を多めに買って重いです。そして、持って立ち往生。そろそろお店の前から移動しないと変に思われます。

　サプライズのつもりだっから連絡はしたくないですね…。

　諦めが肝心。そうそう、切り替えです。
　ダグのお家で待とうッ。お家なら知ってますッ。

　うふふ…行ってみよーッ！

　順調に目的地に到着。

　るんるんでエントランスに入ります。エレベーターへ。
　ん？　誰か降りて来られるようです。

　光る数字がカウントダウンしてます。

　エレベーター前はちょっと奥まったところにある所為で、扉前がちょっと狭いのです。ボクがちびっこくても邪魔になるかもしれません。通路を空けておきましょう。

　外まで出るのはやり過ぎですので、ちょっとの移動がベストですね。
　管理人室横にポストのいっぱいの空間があります。部屋のようになってる空間です。以前子どもがかくれんぼに使ってるのを見かけた事がある場所です。

　ボクがそこに引っ込んだと同時にエレベーターの到着音が響きます。間に合いました。

　出てきた人物の影にボクは、反射的に身を隠しました。日頃の練習の成果でしょうか。素早い動きに自分でもびっくりです。

　ポストと壁の陰で息を殺して通り過ぎるのを待ちます。こっちに入らないで欲しい…。
　コツコツと足音がそばを通って行きます。

　一旦出入り口で足が止まりました。

　壁の向こうと思っても声が出そうで、両手で口を押さえて息を詰めます。変な汗が出て来る…。

　サク、どうしてココに…。