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13. 剣、ドドンゴ
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そうそう、前世の記憶が復活してから日課として始めたことがある。
それは剣の練習だった。
スキル「器用貧乏」はなんでもある程度こなせるスキルなので、剣術も練習すればできるようになる。練習してなくてもできるという便利、超常現象のスキルではなく、少しだけ才能があるというものなので、練習は必須だった。
剣といっても基本技だ。
ゲームではないので、特殊スキルとかの技とかもない。
縦斬り、横斬り、斜め斬りとかそんな感じのやつ。
ということで、いつも買ってもらった真剣を持って練習している。
これにはドロシーとリズが付き合ってくれている。
最初は父ちゃんゴードンが見てくれていたんだけど、今は仕事を優先していて、一緒には鍛錬していない。
ほぼ毎日、午前中に一時間ぐらい剣を振る。おばばと山に行く日は午後にやっている。
この世界にはあまり遭遇しないけれど、危険な動物もモンスターもいる。
この辺の山にはゴードンが仕掛けた罠もあって普段から数を減らしている。
ゴードンがよく分からないけど集落の周りは臭いをマーキングしているので、この辺までくる魔物は少ないらしい。
ただ強敵とかになると、そういうのは一切効かないので、そのときには逃げるか戦うかしないといけない。
万が一を備えて、剣も魔法も鍛えるに限ると思うんだ。
勉強もして、ただ遊ぶよりは色々身に着けないと、幸せな明るい未来の生活は無理だと地球の異世界ファンタジー知識は言っている。
ドドンゴが来た。
いつもの馬一頭の小さな幌馬車だ。
「ドドンゴようこそ」
「おお。ブランダン様、また来たよ」
「ジャムできたぜ。さっそく試食してくれよ」
「おお。楽しみだ」
まずはいつものように薄焼きパンを焼く。
ほらよくクッキーとかにジャム乗せてお紅茶いただくでしょ。あれと同じよ。
「はい。パンできたよ。ジャムを乗せて食べてくれ」
「おお。なるほどそうやって食べるのか」
スプーンを渡して家用のジャム壺から食べさせる。
「こっちがノイチゴジャム。こっちの色の濃いほうがヤマモモな」
「ああ。ありがとう」
スプーンでヤマモモジャムから先にパンに乗せる。
「思ったよりいい色してるな」
「だろ」
「んんん。うまーいっ!」
「あはは、ノイチゴもよろしく」
「そうだった」
今度はノイチゴのほうの壺からジャムを取ってパンに塗って大きな口をあけて食べた。
「んんん。匂いが違うな。どっちもうまい」
「だろだろ」
「これは、売れる。貴族に売れるぞ。どれくらいある?」
「キイチゴが壺三つ。ヤマモモが壺二つだな」
「壺ってこのサイズか」
「いや、もうちょい大きいやつ」
「そりゃあいい」
うちの分の壺は小さいやつで、販売用は大きい壺に入れてあった。
「あんま大きい壺だと値段が高すぎる。持って行った先で小さいのに詰め替えてから売るよ」
「すまん、そうしてくれ」
商談みたいなのは進む。次は両親が売り買いを済ませた。
そして再び俺のターン。
「それでさ、目に入ってると思うんだけど、竹のコップを六十ばかり作ったんだけど」
「ああ。高くは売れないが数があればそれなりの値段にはなるな。全部買い取るよ」
「よかった」
「露天商とか、高いコップで商売するのは難しいやつとかに需要がありそうだ」
「なるほど」
「ああ。さすがにもう他にはないよな?」
「あ、うん、ないと思う」
「はぁ。よかった」
まったく、ああとかはぁとか多いおっさんだな。
感心しきりなんだな。地球知識をちょろっと応用してるだけだから、俺は別に偉くないんだけど、発想ってのは無からホイホイ出てくるわけじゃないから、やっぱ知識チートは強い。
ジャムなんてもし噂になれば、隣村とかが真似してくるだろうけど、直接貴族のところへ行ってしまうと、庶民には関係ない話だったりするので、すぐには伝わらないらしい。
ジャムと竹のコップ、その他合わせて全部で金貨ぐらいにはなった。
「それでおっさんにお願いがあるんだけど」
「ああ、なんだ?」
「俺を商売に連れてってほしい。もっと色々なものを知りたいんだ。それで生活を豊かにしたい。アイディアとかには知識が必須だと思うんだ。集落にいちゃあ何も浮かばないよ」
「それもそうだな。ジャムの件もあるし、貴族にも会うけど、一緒に来るか? もちろんほかの村とかもその都度寄っていくから、色々見れると思うぞ」
「やった。ありがとうおっちゃん。ということで父ちゃん、母ちゃん、いいだろ? 次にドドンゴが集落に来るまで限定でいいから、お願い」
父親のほうを見る。
「あーそうだな。いいぞ、行ってこい。勉強になるだろ」
「ちゃんとドドンゴさんの言うこと聞くのよ。それからドロシーとリズにも挨拶していきなさい」
「分かってるって。母ちゃん。では、そういうことで明日からしばらくよろしく。代金はジャムのお金からよろしく」
ということでドドンゴのおっちゃんとしばらくお出かけすることにした。
ただし俺は村でスローライフが目的なので、すぐ帰ってくる予定。
それは剣の練習だった。
スキル「器用貧乏」はなんでもある程度こなせるスキルなので、剣術も練習すればできるようになる。練習してなくてもできるという便利、超常現象のスキルではなく、少しだけ才能があるというものなので、練習は必須だった。
剣といっても基本技だ。
ゲームではないので、特殊スキルとかの技とかもない。
縦斬り、横斬り、斜め斬りとかそんな感じのやつ。
ということで、いつも買ってもらった真剣を持って練習している。
これにはドロシーとリズが付き合ってくれている。
最初は父ちゃんゴードンが見てくれていたんだけど、今は仕事を優先していて、一緒には鍛錬していない。
ほぼ毎日、午前中に一時間ぐらい剣を振る。おばばと山に行く日は午後にやっている。
この世界にはあまり遭遇しないけれど、危険な動物もモンスターもいる。
この辺の山にはゴードンが仕掛けた罠もあって普段から数を減らしている。
ゴードンがよく分からないけど集落の周りは臭いをマーキングしているので、この辺までくる魔物は少ないらしい。
ただ強敵とかになると、そういうのは一切効かないので、そのときには逃げるか戦うかしないといけない。
万が一を備えて、剣も魔法も鍛えるに限ると思うんだ。
勉強もして、ただ遊ぶよりは色々身に着けないと、幸せな明るい未来の生活は無理だと地球の異世界ファンタジー知識は言っている。
ドドンゴが来た。
いつもの馬一頭の小さな幌馬車だ。
「ドドンゴようこそ」
「おお。ブランダン様、また来たよ」
「ジャムできたぜ。さっそく試食してくれよ」
「おお。楽しみだ」
まずはいつものように薄焼きパンを焼く。
ほらよくクッキーとかにジャム乗せてお紅茶いただくでしょ。あれと同じよ。
「はい。パンできたよ。ジャムを乗せて食べてくれ」
「おお。なるほどそうやって食べるのか」
スプーンを渡して家用のジャム壺から食べさせる。
「こっちがノイチゴジャム。こっちの色の濃いほうがヤマモモな」
「ああ。ありがとう」
スプーンでヤマモモジャムから先にパンに乗せる。
「思ったよりいい色してるな」
「だろ」
「んんん。うまーいっ!」
「あはは、ノイチゴもよろしく」
「そうだった」
今度はノイチゴのほうの壺からジャムを取ってパンに塗って大きな口をあけて食べた。
「んんん。匂いが違うな。どっちもうまい」
「だろだろ」
「これは、売れる。貴族に売れるぞ。どれくらいある?」
「キイチゴが壺三つ。ヤマモモが壺二つだな」
「壺ってこのサイズか」
「いや、もうちょい大きいやつ」
「そりゃあいい」
うちの分の壺は小さいやつで、販売用は大きい壺に入れてあった。
「あんま大きい壺だと値段が高すぎる。持って行った先で小さいのに詰め替えてから売るよ」
「すまん、そうしてくれ」
商談みたいなのは進む。次は両親が売り買いを済ませた。
そして再び俺のターン。
「それでさ、目に入ってると思うんだけど、竹のコップを六十ばかり作ったんだけど」
「ああ。高くは売れないが数があればそれなりの値段にはなるな。全部買い取るよ」
「よかった」
「露天商とか、高いコップで商売するのは難しいやつとかに需要がありそうだ」
「なるほど」
「ああ。さすがにもう他にはないよな?」
「あ、うん、ないと思う」
「はぁ。よかった」
まったく、ああとかはぁとか多いおっさんだな。
感心しきりなんだな。地球知識をちょろっと応用してるだけだから、俺は別に偉くないんだけど、発想ってのは無からホイホイ出てくるわけじゃないから、やっぱ知識チートは強い。
ジャムなんてもし噂になれば、隣村とかが真似してくるだろうけど、直接貴族のところへ行ってしまうと、庶民には関係ない話だったりするので、すぐには伝わらないらしい。
ジャムと竹のコップ、その他合わせて全部で金貨ぐらいにはなった。
「それでおっさんにお願いがあるんだけど」
「ああ、なんだ?」
「俺を商売に連れてってほしい。もっと色々なものを知りたいんだ。それで生活を豊かにしたい。アイディアとかには知識が必須だと思うんだ。集落にいちゃあ何も浮かばないよ」
「それもそうだな。ジャムの件もあるし、貴族にも会うけど、一緒に来るか? もちろんほかの村とかもその都度寄っていくから、色々見れると思うぞ」
「やった。ありがとうおっちゃん。ということで父ちゃん、母ちゃん、いいだろ? 次にドドンゴが集落に来るまで限定でいいから、お願い」
父親のほうを見る。
「あーそうだな。いいぞ、行ってこい。勉強になるだろ」
「ちゃんとドドンゴさんの言うこと聞くのよ。それからドロシーとリズにも挨拶していきなさい」
「分かってるって。母ちゃん。では、そういうことで明日からしばらくよろしく。代金はジャムのお金からよろしく」
ということでドドンゴのおっちゃんとしばらくお出かけすることにした。
ただし俺は村でスローライフが目的なので、すぐ帰ってくる予定。
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