私たちだけ24時間オンライン生産生活

滝川 海老郎

文字の大きさ
51 / 65

51. マロンのお世話係

しおりを挟む
 20日目。今日も朝ご飯を頂いて、朝から東村へ向かう。

 夜の内に情報が掲示板、wikiに掲載されて、今後のことが検討されていた。
 まずウシ1頭では、どう頑張っても現在のユーザー数を捌ききれないだろうと判断された。
 そこで、ウシをテイムして牛飼いになる人を募集した。
 今日中に高レベルプレイヤーに護衛されてメスウシをテイムする予定らしい。
 うまくいくことを祈ろう。そうすれば、混雑せずに済むかもしれない。
 掲示板などでの根回しは「警ら隊」が全部やってくれていた。

 あの武器商人の人とも連絡が付いて、東村で合流する手はずになっている。
 今日は警ら隊と私たち7人での移動になった。

 今回もトラブルなく東村に着いた。
 さっそく武器商人と落ち合う。

「おはようございます。ウエストと申します」
「ご丁寧にどうもです。私はミケです」

 皆も名乗って挨拶を交わす。
 輸送費は全額ウエストさんの給料へ。マロンの所有権は引き続きクルミで、朝の餌と水やりから輸送のあれこれまで全部をウエストさんが当面は見てくれる。
 毎日ずっとを一人では無理なので、東村で顔なじみになった露店仲間数人で管理してくれることになっていた。

「俺もレベルが低くてもデルタ町で武器の仕入れができて、それを村で売れると、ついでに輸送費も貰えるなら、願ったりかなったりです」
「そう言っていただけると、ありがたいです」

「あー。おっちゃん、わたしのマロンをよろしくたのむよ」
「まかせとけって、でもおっちゃんじゃなくてお兄さんな」

 クルミが軽めに挨拶をする。

「ワタクシこういうナイフを作ったのですが、商品にどうでしょう?」

 今度はサクラちゃんがこの前作った銅の投げナイフを商人に見せていた。

「投げナイフか。投擲とうてき武器はそれほど人気がないんだよな。でも後方からでも攻撃ができるので、予備武器として持つといいかもしれないな」
「なるほど」
「それかテーブルナイフとして売るんならNPCにも売れるかもしれない。物は試しだ。買い取るよ」
「ありがとうございます」

 値段交渉をしてナイフ10本はお買い上げになった。
 サクラちゃんのお小遣いとして共有のお財布にはいれないことにする。
 材料費とかも掛かるだろうし。

「今日から片道8,000セシルです。半額先払いです」

 さっそくウエストさんが呼びかけをして、ユーザーたちを誘導している。
 マロンに餌と水をくれるのも忘れずに行っている。

 8,000セシルという微妙な値段なのと、別に急いでデルタ町まで行く必要のない人が大半であるので、そこまで混雑せずに済んでいた。
 どうしても真っ先に行きたい人たちは、すでに傭兵を雇ってもっと高額でデルタ町へと進んでいた。
 すでにウシが増える予定も告知済みなので、お金が払えてそろそろデルタ町へ行きたい人たちだけが、結果として集まっている。

 デルタ町への一番乗りのチームおやつはどうやら、そういう傭兵仕事をして荒稼ぎしているとかなんとか噂が流れていた。

 ちょっと多いかな、ぐらいの人数で東村を出発することになった。

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

最安もふもふ三匹に名前をつける変な冒険者ですが、この子たちの力を引き出せるのは私だけです ~精霊偏愛録~

Lihito
ファンタジー
精霊に名前をつける冒険者は、たぶん私だけだ。 うさぎのノル、狐のルゥ、モモンガのピノ。三匹とも最安の契約で、手のひらに乗るサイズ。周りからは「手乗り精霊で何ができる」と笑われている。 でも、この子たちへの聞き方を変えるだけで、返ってくる答えはまるで違う。三匹の情報を重ねれば、上位の精霊一体では見えないものが見える。 上位パーティが三度失敗した大型討伐。私は戦わない。ノルに地中を、ピノに上空を、ルゥに地上を調べさせて、答えを組み上げる。 ——この世界の精霊の使い方、みんな間違ってませんか?

【完結】パパ、私は犯人じゃないよ ~処刑予定の私、冷徹公爵(パパ)に溺愛されるまで~

チャビューヘ
ファンタジー
※タイトル変更しました。 「掃除(処分)しろ」と私を捨てた冷徹な父。生き残るために「心を無」にして媚びを売ったら。 「……お前の声だけが、うるさくない」 心の声が聞こえるパパと、それを知らずに生存戦略を練る娘の物語。 ----- 感想送っていただいている皆様へ たくさんの嬉しい言葉や厳しい意見も届いており一つ一つがすごく嬉しいのと頑張ろうと感じています。ご意見を元に修正必要な部分は随時更新していきます。 成長のため感想欄を閉じませんが公開はする予定ありません。ですが必ず全て目を通しています。拙作にお時間を頂きありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

異世界で焼肉屋を始めたら、美食家エルフと凄腕冒険者が常連になりました ~定休日にはレア食材を求めてダンジョンへ~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
辺境の町バラムに暮らす青年マルク。 子どもの頃から繰り返し見る夢の影響で、自分が日本(地球)から転生したことを知る。 マルクは日本にいた時、カフェを経営していたが、同業者からの嫌がらせ、客からの理不尽なクレーム、従業員の裏切りで店は閉店に追い込まれた。 その後、悲嘆に暮れた彼は酒浸りになり、階段を踏み外して命を落とした。 当時の記憶が復活した結果、マルクは今度こそ店を経営して成功することを誓う。 そんな彼が思いついたのが焼肉屋だった。 マルクは冒険者をして資金を集めて、念願の店をオープンする。 焼肉をする文化がないため、その斬新さから店は繁盛していった。 やがて、物珍しさに惹かれた美食家エルフや凄腕冒険者が店を訪れる。 HOTランキング1位になることができました! 皆さま、ありがとうございます。 他社の投稿サイトにも掲載しています。

処理中です...