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十九
お肉を食べ終えた私の体はキラキラと光り輝いた。
おそらくブランの手製ご飯を食べたから、昼食に食べたハンバーグとハンバーガーのときも力がみなぎったもの。
それをみんなに言うとロンは笑った。
「違うよ、この食材はヒーラギが八年間もの間、祈りを捧げた土地で作られた物だろ? その食材を当人が食べて力がみなぎったんだろう。僕もブラン、スラもステータスかなりアップしてる……まあ、ブランの愛情がこもった料理だからかもしれないけどね」
「ヒーラギのお陰で俺の魔力もかなり戻ったよ、まだ五分くらいだから……ヒーラギのマジックバッグ作りはもう少し待ってくれ」
「ブラン、無理しなくていいよ。いつでもいいし」
二人の会話を聞いて、ロンが驚く。
「ちょっと待て、ブランの魔力五分は僕と対等だと、散々僕は教えたんだけど……また、忘れたのかなブラン君?」
「え、そうだったかな?」
ロンに詰め寄られて、ブランが焦っていた。
明日、ブランの両親に会った後で、マジックバッグを作ると約束してくれた。
後片付けをするはずの酔い潰れたスラは、ドロドロに溶けたままで役にたたない。仕方がないとブランはこのまま寝る支度を始めた。火の見張りはスラを酔っ払いにした、ロンとブランの二時間交替。
「さて寝るか」
ブランは狼に戻るといい、私の前で服を脱ぎ始めた。
「ちょっと、ブラン!」
「嫁の前で大胆だなブラン」
「ヒーラギも何度も見たから、見慣れてるから平気」
「平気じゃない。私は何度もブランの裸を見てないし、見慣れてもいない」
全部脱いでしまったブラン、その横を
「ニュー」
と、酔っ払いスラは「おやすみ」とでも言ったのか、住処のマジックバッグにヌルヌル入っていった。
「ははっ、ゆっくり休めよ」
「スラ、おやすみ」
「おやすみなさい」
ユルユルなスラに力が抜けた。
+
私はモフモフ狼のブランに寄りかかり私は眠る。ブランも交替まで眠るのかと思ったのだけど、ロンと何かしゃべっているようだ。
「明日、一応ヒーラギを城に連れて行こうとは思ってるけど……俺が家族から嫌われているとわかると、ヒーラギはどう思うかな?」
「多少なり驚いて、傷付くかもな……」
「傷付くか……でもロン師匠、はみ出しものの俺は何をしても一族に入れてもらえない……血が繋がってるのに……」
ブランの悲しい声をウトウト聞いていた。心の中で私ブランははみ出しものなんかじゃない、私はブランが必要だし側にいて欲しいよ。
「大丈夫、私が守るからね」
「ヒーラギ?」
「ふふっ、寝言かな? ブランはいい嫁を貰ったな」
「まだ、だよ師匠。ヒーラギは俺の嫁になってくれるかな」
「僕はなってくれると思うよ」
「……そうだといいな、こんな嘘つきな俺でも」
ブランのモフモフに包まれて、魔物からブランを守り、ヒーラギは夢の中で活躍していたのだった。
おそらくブランの手製ご飯を食べたから、昼食に食べたハンバーグとハンバーガーのときも力がみなぎったもの。
それをみんなに言うとロンは笑った。
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「ヒーラギのお陰で俺の魔力もかなり戻ったよ、まだ五分くらいだから……ヒーラギのマジックバッグ作りはもう少し待ってくれ」
「ブラン、無理しなくていいよ。いつでもいいし」
二人の会話を聞いて、ロンが驚く。
「ちょっと待て、ブランの魔力五分は僕と対等だと、散々僕は教えたんだけど……また、忘れたのかなブラン君?」
「え、そうだったかな?」
ロンに詰め寄られて、ブランが焦っていた。
明日、ブランの両親に会った後で、マジックバッグを作ると約束してくれた。
後片付けをするはずの酔い潰れたスラは、ドロドロに溶けたままで役にたたない。仕方がないとブランはこのまま寝る支度を始めた。火の見張りはスラを酔っ払いにした、ロンとブランの二時間交替。
「さて寝るか」
ブランは狼に戻るといい、私の前で服を脱ぎ始めた。
「ちょっと、ブラン!」
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「ヒーラギも何度も見たから、見慣れてるから平気」
「平気じゃない。私は何度もブランの裸を見てないし、見慣れてもいない」
全部脱いでしまったブラン、その横を
「ニュー」
と、酔っ払いスラは「おやすみ」とでも言ったのか、住処のマジックバッグにヌルヌル入っていった。
「ははっ、ゆっくり休めよ」
「スラ、おやすみ」
「おやすみなさい」
ユルユルなスラに力が抜けた。
+
私はモフモフ狼のブランに寄りかかり私は眠る。ブランも交替まで眠るのかと思ったのだけど、ロンと何かしゃべっているようだ。
「明日、一応ヒーラギを城に連れて行こうとは思ってるけど……俺が家族から嫌われているとわかると、ヒーラギはどう思うかな?」
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