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二十
目覚めると毛布がかけられていた。ブランはいつの間にか人型に戻り火の番をしていて、スラは昨日のお片付け中でロンがいなかった。
「おはよう、ブラン、スラ。ロンさんは?」
「おはようヒーラギ。師匠は人間の国を見てくるって、一時間前に出て行ったよ」
人間の国?
「ニュ!」
"おはよう"と、ハイタッチして、何やら作業中のブランの横に座った。
「ブランは何を作ってるの?」
覗き込むとブランの手にフライパンの様な鉄板を二枚、上下に合わせた物を薪で焼いていた。
「いま作っているのはホットサンドだ、熱々で美味いぞ」
「ほんと、楽しみ」
ブランの横でホットサンドが焼けるまで待っていた。
蓋を開けて中身を確かめて。
「よし、できた」
火から鉄板を出して開き、焼き上がり両面がカリカリな、ホットサンドをまな板の上で半分にサクッとナイフで切り、木の皿に乗せてブランは私に渡した。
「熱々が旨いが、火傷に気を付けて食べて」
「ありがとう、半分はブランも食べなよ」
「そうか? じゃ、遠慮なくいただきます」
熱々のホットサンドをフーフー冷ましながら、手に持ちサクッと食べると、中からトロトロのチーズと分厚く切ったハムが顔を出す。
「んんっ、食パンがサクサクで熱々のチーズと、厚切りのハムが最高に美味しい。ブラン、このピリッとするのは何?」
「それは粒マスタードだな、アクセントにいいだろう? このマスタードはソーセージにつけても美味いぞ」
と言い。マジックバッグから分厚いソーセージを出して、片面で焼き、もう片面でコッペパンを焼いていた。
ガザガザ、草を踏む音が聞こえて、見上げると人間の国に行ったと言っていたロンがいた。
「ただいま、美味しい匂いだね」
「お帰りなさい、師匠」
彼は私たちの反対側に座ると、ブランのマジックバッグからトマトを取り出し魔法でさっと洗いかじった。
トマトを美味しそうにかじるロンに、ブランが話しかける。
「師匠、どうだった?」
「どうもこうも酷い有様だったよ。新聖女は祈りも捧げず部屋に引きこもって、役に立っていないみたいだし。魔物の叫び声が聞こえて、焦った王子は人を雇い必死にブラン嫁を探しているみたい。王妃はこの状況のなか、国王を置いて若い男と逃亡したよ」
「聖女が引きこもって、王妃様が逃亡……殿下が私を探してる?」
私がいなくなった一日で、こうも様変わりしたんだ。
「後一時間もしないうちに結界は弱くなる。近隣の森まで攻めてきている魔王軍は、いま騎士団と睨み合っている。結界が消えて魔王軍が攻め込んだら、聖女なしの騎士団は壊滅するね」
騎士団が壊滅?
「それはおかしい、私は王城をでてくる前に、上級と普通のポーションを作れるだけつくってきたわ、それも使ってしまったの?」
どちらも百本くらいはあったはず。魔物、魔王軍と戦い怪我をしても、そう簡単にポーションは使いきれない。
「それがね……ブラン嫁に言いにくいんだけど、王妃が出て行くときに、数本盗んで持っていってしまったらしいんだ。残りは王子が金欲しさにポーションを全部、商人に売ったと聞いたよ」
「呆れた、王妃が盗み、殿下がポーションを全て売った? アレだけの量を作るのにどれだけかかってると思うの。他にも聖職者達、騎士団の救護係にポーションの作り方を書いた、メモを置いてきたのに誰も作っていない……」
誰も何もしていない、頭が痛くなる……どんなに頑張っても、いつも周りが足を引っ張る。
「奴らは馬鹿ばっかりなんだ、落ち込まなくていい。俺でさえ薬草を集め、煮詰めて自分で作っているのに。ほんと上の連中は下っ端ばかり使って何もしない……俺達は使い捨てじゃないんだ!」
ブランは怒りをあらわにした。
昨夜、ロンに認めてもらえないって、話をしていたけど。どれだけ努力しても力を使っても、認めてもらえなかった私と同じなのかな。
「おはよう、ブラン、スラ。ロンさんは?」
「おはようヒーラギ。師匠は人間の国を見てくるって、一時間前に出て行ったよ」
人間の国?
「ニュ!」
"おはよう"と、ハイタッチして、何やら作業中のブランの横に座った。
「ブランは何を作ってるの?」
覗き込むとブランの手にフライパンの様な鉄板を二枚、上下に合わせた物を薪で焼いていた。
「いま作っているのはホットサンドだ、熱々で美味いぞ」
「ほんと、楽しみ」
ブランの横でホットサンドが焼けるまで待っていた。
蓋を開けて中身を確かめて。
「よし、できた」
火から鉄板を出して開き、焼き上がり両面がカリカリな、ホットサンドをまな板の上で半分にサクッとナイフで切り、木の皿に乗せてブランは私に渡した。
「熱々が旨いが、火傷に気を付けて食べて」
「ありがとう、半分はブランも食べなよ」
「そうか? じゃ、遠慮なくいただきます」
熱々のホットサンドをフーフー冷ましながら、手に持ちサクッと食べると、中からトロトロのチーズと分厚く切ったハムが顔を出す。
「んんっ、食パンがサクサクで熱々のチーズと、厚切りのハムが最高に美味しい。ブラン、このピリッとするのは何?」
「それは粒マスタードだな、アクセントにいいだろう? このマスタードはソーセージにつけても美味いぞ」
と言い。マジックバッグから分厚いソーセージを出して、片面で焼き、もう片面でコッペパンを焼いていた。
ガザガザ、草を踏む音が聞こえて、見上げると人間の国に行ったと言っていたロンがいた。
「ただいま、美味しい匂いだね」
「お帰りなさい、師匠」
彼は私たちの反対側に座ると、ブランのマジックバッグからトマトを取り出し魔法でさっと洗いかじった。
トマトを美味しそうにかじるロンに、ブランが話しかける。
「師匠、どうだった?」
「どうもこうも酷い有様だったよ。新聖女は祈りも捧げず部屋に引きこもって、役に立っていないみたいだし。魔物の叫び声が聞こえて、焦った王子は人を雇い必死にブラン嫁を探しているみたい。王妃はこの状況のなか、国王を置いて若い男と逃亡したよ」
「聖女が引きこもって、王妃様が逃亡……殿下が私を探してる?」
私がいなくなった一日で、こうも様変わりしたんだ。
「後一時間もしないうちに結界は弱くなる。近隣の森まで攻めてきている魔王軍は、いま騎士団と睨み合っている。結界が消えて魔王軍が攻め込んだら、聖女なしの騎士団は壊滅するね」
騎士団が壊滅?
「それはおかしい、私は王城をでてくる前に、上級と普通のポーションを作れるだけつくってきたわ、それも使ってしまったの?」
どちらも百本くらいはあったはず。魔物、魔王軍と戦い怪我をしても、そう簡単にポーションは使いきれない。
「それがね……ブラン嫁に言いにくいんだけど、王妃が出て行くときに、数本盗んで持っていってしまったらしいんだ。残りは王子が金欲しさにポーションを全部、商人に売ったと聞いたよ」
「呆れた、王妃が盗み、殿下がポーションを全て売った? アレだけの量を作るのにどれだけかかってると思うの。他にも聖職者達、騎士団の救護係にポーションの作り方を書いた、メモを置いてきたのに誰も作っていない……」
誰も何もしていない、頭が痛くなる……どんなに頑張っても、いつも周りが足を引っ張る。
「奴らは馬鹿ばっかりなんだ、落ち込まなくていい。俺でさえ薬草を集め、煮詰めて自分で作っているのに。ほんと上の連中は下っ端ばかり使って何もしない……俺達は使い捨てじゃないんだ!」
ブランは怒りをあらわにした。
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