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二十六
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「よかったね、ブラン。リコさんの瞳が治って……」
「ああ、よかった。ありがとう、ヒーラギ」
「でね、 ブラン……いまの私ならできると思うの」
「なにをだ?」
「ある回復魔法を使ってみたいの」
ブランの家に着くまでに怪我をしたり、大怪我の人を村の中で何人も見た。この魔法を使うのなら、とてつもない魔力量は必要だけど"広域回復魔法"を使えば、一気に村のみんなの怪我を治せるんじゃないかと思った。
使ったあと、私はしばらく動けなくなるかもしれないけど、いまならブランのご飯も食べて元気だから……絶対にいけるはず。
「それは、何の魔法だ」
「広域回復魔法なんだけど……」
「広域回復魔法? ……ヒーラギが広域魔法を使うのはいいが、魔力切れを起こすんじゃないか?」
コクリと頷く。
「ええ魔力切れを起こすと思うわ。だから、横で手を繋いで私を見守っていて欲しいの」
魔力切れは一歩間違えれば、命に関わるから渋い顔をするブラン。でも私の顔を見つめて、ため息をついた。
「無理なときにはやめろよ」
「うん、わかった。……始めるね」
ブランと手を繋ぎ、片方の手は胸にすえた。目を瞑り魔力を高めて高めきったら、それを全て出し切るように私は唱えた。
「広域回復魔法【ワイドエリアヒーリング】」
私の足元に癒しの魔法陣が広がり、この村を覆い尽くす。魔法陣が消えると同時に"癒しの雫"が、雨のようにキラキラと村全体に降り注いだ。
このとき、ちょうど村に戻ってきていたのだろう。
魔力を感じたロンとスラが、コッチに向かって走ってくる姿が見える。
「ブラン、とてつもない魔力量を感じたけど……もしかして、ブラン嫁がやったの?」
問いに私ではなく、ブランが答えてくれた。
「そうだよ、いまヒーラギが"広域回復魔法"を使ったんだ」
「広域回復魔法か……すごいな。癒しの光りを浴びたら、治らなかった胸の古傷が治ったよ」
「ほんとか? いろんな癒しを試してもダメだった、ロン師匠の……奴隷焼印の痕を治したのか?」
"そうだと"嬉しそうにロンは頷いた。
「ニュ!」
「スラも喜んでくれるか」
「ニューー!!」
「嫌いな奴隷の火傷アトが消えた、こんなに嬉しいことはない!」
二人は手を繋ぎ、喜び、しまいには踊りだした。
そこに大きな白い狼がマントを付けて現れ、私のそばまで来ると、真っ白な耳と尻尾、長い髪が印象的な女性に姿を変えた。
その女性の登場にロンとスラは踊りをやめて、一歩下がり頭を下げた。
その畏まる姿に。
「もう、ロン、スラ、かしこまらないの。いま、とても懐かしい癒しの力を感じたわ、あなたがこの回復魔法を使ったの?」
「は、はい、そうですけど……」
そう答えると女性はニッコリ笑い、隣のブランに話しかける。
「ねえブラン……この子が子供のブランを助けてくれた、前からずっと好きな子?」
「そうだよ、母さん」
母さん?
ブランのお母様?
「……は、初めましてヒーラギと言います。ブラン君には大変お世話になっております」
私はスカートを掴んで会釈した。
ブランのお母様はニコッと微笑んで、
「ふふっ、可愛い子ね。私、次に女の子が欲しかったの……こんなに可愛い娘が出来るなんてお母さん嬉しいわ。ブランとの挙式はいつ? 子供は何人産むの?」
ニコニコと近付き、ガシッと私の両手を掴んだ。
「えっ、ええ」
「待って母さん。ヒーラギが可愛いのはわかるけど、結婚とか子供は気がはやいよ」
「そうなの? ヒーラギちゃん、ウチのブランはよく働くし、いい子よ、ぜひお婿さんに貰ってやって。ずーっとウチの子、ヒーラギちゃんが"好きで好きで大好き"だから、移り気の気がかりはいらないわよ。ウチの旦那の様に愛は重いかもしれないけど……」
「母さん!」
誰も喋り出した、ブランのお母様を止められなかった。
「ああ、よかった。ありがとう、ヒーラギ」
「でね、 ブラン……いまの私ならできると思うの」
「なにをだ?」
「ある回復魔法を使ってみたいの」
ブランの家に着くまでに怪我をしたり、大怪我の人を村の中で何人も見た。この魔法を使うのなら、とてつもない魔力量は必要だけど"広域回復魔法"を使えば、一気に村のみんなの怪我を治せるんじゃないかと思った。
使ったあと、私はしばらく動けなくなるかもしれないけど、いまならブランのご飯も食べて元気だから……絶対にいけるはず。
「それは、何の魔法だ」
「広域回復魔法なんだけど……」
「広域回復魔法? ……ヒーラギが広域魔法を使うのはいいが、魔力切れを起こすんじゃないか?」
コクリと頷く。
「ええ魔力切れを起こすと思うわ。だから、横で手を繋いで私を見守っていて欲しいの」
魔力切れは一歩間違えれば、命に関わるから渋い顔をするブラン。でも私の顔を見つめて、ため息をついた。
「無理なときにはやめろよ」
「うん、わかった。……始めるね」
ブランと手を繋ぎ、片方の手は胸にすえた。目を瞑り魔力を高めて高めきったら、それを全て出し切るように私は唱えた。
「広域回復魔法【ワイドエリアヒーリング】」
私の足元に癒しの魔法陣が広がり、この村を覆い尽くす。魔法陣が消えると同時に"癒しの雫"が、雨のようにキラキラと村全体に降り注いだ。
このとき、ちょうど村に戻ってきていたのだろう。
魔力を感じたロンとスラが、コッチに向かって走ってくる姿が見える。
「ブラン、とてつもない魔力量を感じたけど……もしかして、ブラン嫁がやったの?」
問いに私ではなく、ブランが答えてくれた。
「そうだよ、いまヒーラギが"広域回復魔法"を使ったんだ」
「広域回復魔法か……すごいな。癒しの光りを浴びたら、治らなかった胸の古傷が治ったよ」
「ほんとか? いろんな癒しを試してもダメだった、ロン師匠の……奴隷焼印の痕を治したのか?」
"そうだと"嬉しそうにロンは頷いた。
「ニュ!」
「スラも喜んでくれるか」
「ニューー!!」
「嫌いな奴隷の火傷アトが消えた、こんなに嬉しいことはない!」
二人は手を繋ぎ、喜び、しまいには踊りだした。
そこに大きな白い狼がマントを付けて現れ、私のそばまで来ると、真っ白な耳と尻尾、長い髪が印象的な女性に姿を変えた。
その女性の登場にロンとスラは踊りをやめて、一歩下がり頭を下げた。
その畏まる姿に。
「もう、ロン、スラ、かしこまらないの。いま、とても懐かしい癒しの力を感じたわ、あなたがこの回復魔法を使ったの?」
「は、はい、そうですけど……」
そう答えると女性はニッコリ笑い、隣のブランに話しかける。
「ねえブラン……この子が子供のブランを助けてくれた、前からずっと好きな子?」
「そうだよ、母さん」
母さん?
ブランのお母様?
「……は、初めましてヒーラギと言います。ブラン君には大変お世話になっております」
私はスカートを掴んで会釈した。
ブランのお母様はニコッと微笑んで、
「ふふっ、可愛い子ね。私、次に女の子が欲しかったの……こんなに可愛い娘が出来るなんてお母さん嬉しいわ。ブランとの挙式はいつ? 子供は何人産むの?」
ニコニコと近付き、ガシッと私の両手を掴んだ。
「えっ、ええ」
「待って母さん。ヒーラギが可愛いのはわかるけど、結婚とか子供は気がはやいよ」
「そうなの? ヒーラギちゃん、ウチのブランはよく働くし、いい子よ、ぜひお婿さんに貰ってやって。ずーっとウチの子、ヒーラギちゃんが"好きで好きで大好き"だから、移り気の気がかりはいらないわよ。ウチの旦那の様に愛は重いかもしれないけど……」
「母さん!」
誰も喋り出した、ブランのお母様を止められなかった。
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