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二
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どうしてそんな大声をあげたのですか? と皆さん? あちゃー、やっちゃったみたいな顔をされてますわ。
カルザード様は天を仰ぎ。
マサク様は捨てられた子犬のよう。
タイガー様は耳が下がったわ。
「一応聞くけど。そのサンドイッチってまさか、ルリアちゃんの手作り?」
「はい、そうですわ」
あらあら、また目が点になってますわね。ふふっ、私には前世の記憶があった。
その記憶の中の私は毎日料理を作り、掃除に洗濯。歳は二十代後半で夫に子供までいたみたいですわ。
そして、家事の間にこのゲームをしていた。誰を推していたかは分からないのだけど、好きなゲームだと記憶には残っている。
その記憶に料理の腕前が欲しかった。
一言で言ったら色々と不器用になっていた。練習を始めれば自然と体が思い出す? ことに期待したのですが、無理だと判明いたしまた。
だから、今は婚約破棄後にいるだろうと、もう一度初めから始めてみたのですわ。
「食べてみたい、ルリアさん」
まあ、タイガー様にこれを? 困りましたわ。私は美味しいと思っておりますけど。人の味覚は人それぞれだと知っております。
下手だとわかっていながら、人様に食べていただくなんて、それは難易度が高いですわね。
「いただき!」
「あ、カルザード様⁉︎ ダメですわ」
止める前に、一口で食べてしまいましたわ。もしお腹でも壊されたら? 子爵家の方に申し訳が立ちません。
「カルザード、ずるいぞ」
「これは、ピクルスがアクセントでうまい! もう一つ」
ほんと? 刻んだピクルス卵を混ぜて、マヨネーズと塩胡椒で味を付けたサンドイッチ。私が好きなサンドイッチ美味しい?
「うん、パンに塗ったマスタードもいい」
えぇ⁉︎ いつのまにかタイガー様まで、お召し上がりになったの?
「ほんとうまいや」
マサク様も⁉︎
(あぁ、嬉しいわ)
料理を作って美味しいと言われると、こんなにも、心がうきうきしてくるものなのですね。
「ルリアちゃん、あーん」
「あーん?」
カルザード様がくれたのは食堂オリジナル。学生に大人気のローストビーフのサンドイッチ! お肉が柔らかくて美味しいですわ。
「ルリア、食べて」
マサク様がくれたのはこれまた人気のカレーパン。一度、食べてみたいと思っていたサクサクふわふわ、ピリリとスパイスが香るカレーパン。
さすがは王族が運営する学園のシェフ。
「おじまする」
そう言って、タイガー様は私の膝の上にゴロンと寝転びお昼寝を始めた。
こ、これは⁉︎
近くにもふもふの耳……触りたいけど、ルリア、わかったるわねダメですわよ。
「いいぞ」
今なんとおっしゃったの? いいぞ?
触ってもいいですって⁉︎
ヒロインさんの特権を、私にくださるというのですか?
この、悪役令嬢の私に!
「ルリアさんなら触っていい。サンドイッチのお礼」
お礼なら仕方ありませんわ。
タイガー様の耳をそっと触った。もふもふ、もふもふ……んーっ、いい。タイガー様は獣人化したらもっと、もふもふですよね。
「くっくっ」
「くすぐったいのですか」
「ああ、こんな感じにな」
タイガー様の手が伸びて、私の髪をかき分けて耳をさわさわした。
んん⁉︎
自分で触ってもなんともない耳なのだけど……これは、ダメな方ですわ⁉︎
くすぐったい?
いいえ違うだわ。ぞわぞわする方。タイガー様の長い指先がぁぁ、あ、離れていきましたわ。
「なっ、わかっ……た」
「えぇ、わかりました」
目を瞑って、ぞわぞわは耐え凌いだのですが、頬には熱が籠ってしまい、頬が赤くなっているかも。
「タイガー様、ルリアちゃんを独り占めはダメだよ」
「そうだ、ずるいやタイガー様」
みんな私の周りにゴロンと寝転んだ。あらあら、周りには彼らの敏腕の従者以外、人がいないからみられることはないかしら?
ふふっ、皆さん。ここに寝たということは触ってもいいのね。
まあ、茶色い髪のマサク様は猫っ毛。赤い髪のカルザード様はさ、さらっさら……お二人ともに、私の髪よりもさらっさら、ふわっふわですわ。
その髪質に嫉妬してしまいますわね。
お使いの髪用の石鹸? がいいのかしら? むふっ、これでも毎日メイドがですが、お手入れ頑張ってますのに……。
皆さん、気持ちよさそう。このまま起こさなくて済むから、午後は授業がなくてよかった。
(ふわぁ、私も眠くなってきました)
他の方はサロンを開いたり、お茶会、テラスでケーキを食べながらおしゃべりなどなど。夜には晩餐会、舞踏会。
私はこのあと、カルザード様とパンケーキが楽しみなのですわ。
生クリームたっぷりのパンケーキを食べる予定です。
カルザード様は天を仰ぎ。
マサク様は捨てられた子犬のよう。
タイガー様は耳が下がったわ。
「一応聞くけど。そのサンドイッチってまさか、ルリアちゃんの手作り?」
「はい、そうですわ」
あらあら、また目が点になってますわね。ふふっ、私には前世の記憶があった。
その記憶の中の私は毎日料理を作り、掃除に洗濯。歳は二十代後半で夫に子供までいたみたいですわ。
そして、家事の間にこのゲームをしていた。誰を推していたかは分からないのだけど、好きなゲームだと記憶には残っている。
その記憶に料理の腕前が欲しかった。
一言で言ったら色々と不器用になっていた。練習を始めれば自然と体が思い出す? ことに期待したのですが、無理だと判明いたしまた。
だから、今は婚約破棄後にいるだろうと、もう一度初めから始めてみたのですわ。
「食べてみたい、ルリアさん」
まあ、タイガー様にこれを? 困りましたわ。私は美味しいと思っておりますけど。人の味覚は人それぞれだと知っております。
下手だとわかっていながら、人様に食べていただくなんて、それは難易度が高いですわね。
「いただき!」
「あ、カルザード様⁉︎ ダメですわ」
止める前に、一口で食べてしまいましたわ。もしお腹でも壊されたら? 子爵家の方に申し訳が立ちません。
「カルザード、ずるいぞ」
「これは、ピクルスがアクセントでうまい! もう一つ」
ほんと? 刻んだピクルス卵を混ぜて、マヨネーズと塩胡椒で味を付けたサンドイッチ。私が好きなサンドイッチ美味しい?
「うん、パンに塗ったマスタードもいい」
えぇ⁉︎ いつのまにかタイガー様まで、お召し上がりになったの?
「ほんとうまいや」
マサク様も⁉︎
(あぁ、嬉しいわ)
料理を作って美味しいと言われると、こんなにも、心がうきうきしてくるものなのですね。
「ルリアちゃん、あーん」
「あーん?」
カルザード様がくれたのは食堂オリジナル。学生に大人気のローストビーフのサンドイッチ! お肉が柔らかくて美味しいですわ。
「ルリア、食べて」
マサク様がくれたのはこれまた人気のカレーパン。一度、食べてみたいと思っていたサクサクふわふわ、ピリリとスパイスが香るカレーパン。
さすがは王族が運営する学園のシェフ。
「おじまする」
そう言って、タイガー様は私の膝の上にゴロンと寝転びお昼寝を始めた。
こ、これは⁉︎
近くにもふもふの耳……触りたいけど、ルリア、わかったるわねダメですわよ。
「いいぞ」
今なんとおっしゃったの? いいぞ?
触ってもいいですって⁉︎
ヒロインさんの特権を、私にくださるというのですか?
この、悪役令嬢の私に!
「ルリアさんなら触っていい。サンドイッチのお礼」
お礼なら仕方ありませんわ。
タイガー様の耳をそっと触った。もふもふ、もふもふ……んーっ、いい。タイガー様は獣人化したらもっと、もふもふですよね。
「くっくっ」
「くすぐったいのですか」
「ああ、こんな感じにな」
タイガー様の手が伸びて、私の髪をかき分けて耳をさわさわした。
んん⁉︎
自分で触ってもなんともない耳なのだけど……これは、ダメな方ですわ⁉︎
くすぐったい?
いいえ違うだわ。ぞわぞわする方。タイガー様の長い指先がぁぁ、あ、離れていきましたわ。
「なっ、わかっ……た」
「えぇ、わかりました」
目を瞑って、ぞわぞわは耐え凌いだのですが、頬には熱が籠ってしまい、頬が赤くなっているかも。
「タイガー様、ルリアちゃんを独り占めはダメだよ」
「そうだ、ずるいやタイガー様」
みんな私の周りにゴロンと寝転んだ。あらあら、周りには彼らの敏腕の従者以外、人がいないからみられることはないかしら?
ふふっ、皆さん。ここに寝たということは触ってもいいのね。
まあ、茶色い髪のマサク様は猫っ毛。赤い髪のカルザード様はさ、さらっさら……お二人ともに、私の髪よりもさらっさら、ふわっふわですわ。
その髪質に嫉妬してしまいますわね。
お使いの髪用の石鹸? がいいのかしら? むふっ、これでも毎日メイドがですが、お手入れ頑張ってますのに……。
皆さん、気持ちよさそう。このまま起こさなくて済むから、午後は授業がなくてよかった。
(ふわぁ、私も眠くなってきました)
他の方はサロンを開いたり、お茶会、テラスでケーキを食べながらおしゃべりなどなど。夜には晩餐会、舞踏会。
私はこのあと、カルザード様とパンケーキが楽しみなのですわ。
生クリームたっぷりのパンケーキを食べる予定です。
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