85 / 113
旅行編
挑戦 ※
しおりを挟む「抱いて欲しいのか?」
言われた言葉に熱が籠り、耳朶を軽く噛まれる。
「っ……はい…」
今までこの台詞を口にしたことはない。
いつもは何も言わなくても当たり前のように抱かれていたが、今日は食後にワインを飲んだせいか、ウィルソンに触られたせいなのか、身体がふわふわしてまともに考えられない。
耳元で囁かれる言葉に、身体がもっと熱くなる。
腰に回っていた手が臀部を撫で、乳房を撫でていた手は敏感な先端を捕らえる。
「あっ!……んっ、……んん」
焦れったいくらいのピリピリとした刺激に、身体を震わせる。
いくら部屋に二人きりでも外には給仕の人間や侍女も控えている。
聞こえないとは思うが、この場で大きな声をあげるわけにはいかない。
ウィルソンはルーシェを軽々と抱え上げ、すたすたと歩き出す。
「あの、ウィル様…歩けます」
「私がこうしたいんだ」
愛おしそうに見つめられ、言葉に詰まる。
扉が開き、入口付近にいた先ほどの侍女が顔を赤く染め驚いたような顔でこちらを見ている。
(は、恥ずかしい……)
ウィルソンは気にすることもなく、その場を後にする。
少し歩き、同じ階の別室の前に来ると、そっと降ろされた。
「ウィル様……ここは?」
かなり広い扉で、昼間に入った寝室とはまた別の部屋のようだ。
扉を開くと、中も比べ物にならないほど広く豪華だ。
調度品のような家具が並び、寝台も驚く程大きい。
背中を押され促されるように入るが、何だか緊張してしまう。
最高級のスイートルームのような部屋に怖じ気づく。
「この部屋は夫婦の寝室だ。私達が使う部屋になる」
「夫婦……」
後ろから抱きしめられ、身体がビクッと跳ねる。その言葉の意味を理解し、胸のドキドキが止まらなくなる。
(そっか……結婚したら、そうなるんだよね……何か実感がないな………)
まだ現実味を帯びない話だけに、どこか他人事のように感じてしまう。
自分に結婚というものをする日が来るなんて、未だに信じられない。
「気に入らないなら、変えさせるが?」
「え?そんな!変える必要などないです!凄く素敵な部屋だったので、驚いて言葉が出ませんでした……」
ルーシェの言葉に満足したのか、ウィルソンは項や肩口に次々と痕を付けていく。
「んっ、ぁ……痕はダメです……ふっ……あ」
「それはできない相談だ…これは、君が私のものだという印だからな」
ウィルソンは抗議などそっちのけで痕を付けていく。
ルーシェだって嫌なわけではない。この痕を見る度に自分がウィルソンに愛されていると確認でき、ちょっとした満足感を得られる。
だが、人に見られるのはとても恥ずかしいのだ。
手慣れたように痕を付けながら、次々とドレスを脱がしていくので、ちょっと焦る。
「あっ、ぁ……ウィル様、待って下さい……今日は…私がします……」
その言葉にウィルソンの手がピタッと止まる。ほとんど脱がされてしまっているが、どうにか食い止められた。
「君がするというのは…私に奉仕するという意味か?」
後ろから胸元を抱きしめられ、ウィルソンは肩口に顔を埋める。
「は…い……」
改めて言われるとかなり恥ずかしい。
「今日は随分積極的だな。君から施しを受ける日が来ようとは……」
しみじみと話すウィルソンは、ルーシェを抱えると、ベッドまで移動し靴を脱がせる。
「お嫌でしたら…」
「嫌な訳がないだろう。君は房事に対し苦手意識があると思っていたが…私の杞憂だったようだ」
嬉しそうに言いながら、身に付けていたものを全て剥ぎ取られ、結局裸にされる。
今日は髪も結い上げてあるので、隠すものもないので、頬を染めながら両手で身体を隠す。
「苦手というか…慣れないだけです……」
ウィルソンが上着を脱いでいる隙に頭の飾りを外し、髪を下ろすと引っ張っられていた感覚が解放され頭が楽になる。
「毎日のように抱いているのにまだ慣れないとは、回数が足りないのか?」
ベッドに上がってきたウィルソンが不穏なことを話している。
「いえ!十分足りてます!これは私自身の問題なので、気にしないで下さい」
少し青ざめながら必死に言い返す。完全な失言だった。
足りないどころか多すぎだと思う。これ以上増えたら身体がもたない。
この会話は危険だ。早く違う話題に変えよう。
ウィルソンに近づくと、ギュッと抱きつき自分から口付けをする。
深い口付けは得意じゃないので、唇を何度も軽く触れ合わせていると、ウィルソンがルーシェの頭に手を添え舌を入れる。
「ぅ……ん、んっ……」
絡んでくる舌が気持ち良くて陶酔していると、ウィルソンの手がルーシェの乳房に触れる。
「んっ!」
大きな手で揉みながら先端の尖りをきゅっと摘ままれると、甘い快楽に身体がビクリと跳ねる。
「あん!……やっ、ウィル様、待って……」
唇を離し、ウィルソンの手を止める。
「なんだ?」
「今日は私がしますから、ウィル様は触っちゃダメです」
「私が触るのは駄目なのか?」
不服そうに言われるが、ウィルソンに触られると直ぐに感じてしまい、奉仕どころではなくなってしまう。
「はい。手出し無用でお願いします」
「これは手厳しい」
クスリと笑って身体を離してくれる。
ルーシェは息を整えると、ドキドキしながらウィルソンのシャツに手をかけボタンを外していく。
「君のお手並み拝見といこう」
「うぅ……そんなプレッシャーかけないで下さい……初めてなので、上手く出来ないと思いますよ」
何が愉しいのか、ウィルソンは嬉しそうにルーシェを見守っている。
ボタンを全部外すとウィルソンの逞しい胸元が露になる。
ウィルソンの肉体美に思わず見惚れてしまう。
だが、見入っている場合ではない。
今日は自分が触っていかないと進まないのだ。
シャツを脱がすとウィルソンの胸元に唇を寄せ、いつもしてもらっているようにキスマークをつける。
強く吸ってから見て見るが、なかなか上手く付いてくれない。
(難しい……何でつかないの?)
もう一度唇を寄せもっと強めに吸ってみると、今度はうっすらと痕がついた。
それを見て何だか凄く嬉しくなる。ウィルソンの身体に自分が付けた痕が残るという、独占欲にも似た優越感が湧いてくる。
ウィルソンがルーシェの身体に痕を付けたがる理由がわかった気がする。
付ける側と付けられる側ではまた意味合いが全然違う。
もっともっと付けたくて夢中になってウィルソンの滑らかな身体に吸い付いていると、ウィルソンは更に難題を吹っ掛けてくる。
「ルー、こっちも触ってくれ」
自分の手を取られ、ウィルソンの昂りへと導く。
「あっ……」
ウィルソンの布越しの昂りはすでに固く屹立している。ルーシェの頭にカァーと血が昇る。
「君が可愛くて我慢の限界だ……私も触っていいか?」
「あっ…まだダメです……」
裸の背中を大きな手で撫でられ、ビクッと震える。
本当は触って欲しい。でも、今日は自分がやると決めたから、最後までちゃんとしたい。
意を決してウィルソンのトラウザースを脱がせる。
下着からウィルソンの猛ったものを取り出すと、そそり立つ剛直が目の前に飛び出てマジマジと見つめる。
太くてドクドクと脈打つそれに、ルーシェはゴクリと唾を飲み込む。
(こんなおっきいのが、自分の中に入るなんて……信じられない………)
こんなに改めて見たことがなかった。ルーシェはじっくり見ながら頬を染めて感心していた。
「ルー…」
「は、はい!」
「このままだと辛いんだが……」
握ったまま観察していたせいか、ウィルソンには生殺しのようだった。
ルーシェは経験は全くないが、知識だけならある。知人から聞いた話や漫画や小説、ネットから得た知識を総動員して、ウィルソンの昂りに口を近づける。
28
あなたにおすすめの小説
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
結婚式に結婚相手の不貞が発覚した花嫁は、義父になるはずだった公爵当主と結ばれる
狭山雪菜
恋愛
アリス・マーフィーは、社交界デビューの時にベネット公爵家から結婚の打診を受けた。
しかし、結婚相手は女にだらしないと有名な次期当主で………
こちらの作品は、「小説家になろう」にも掲載してます。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる