ルーシアと人工知能

神楽堂

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脱出ポッドが出発しない……

そうか、ボナパルトが発射装置を制御して、動かないようにしているのか……

もうすぐ、この宇宙ステーションは爆発する。
こんな訳の分からない形で、私の人生が終わってしまうだなんて……


すると、シスタンは脱出ポッドから降りてしまった。

「シスタン、どこに行くの? 一緒に地球に行かないの?」

シスタンは言った。

「コノ ポッドヲ 外カラ 押シテ 出発サセマス」

「シスタン、私と一緒に行かないの?」

「誰カガ 外カラ 押サナイト コノ ポッドハ 出発デキマセン。
 機械ハ 人間ノタメニ 作ラレタモノデス。
 ボクハ ルーシアヲ 助ケマス。
 ボクハ 機械デス。
 恋愛モ デキマセン。
 命モ アリマセン」

シスタンは、そう言うと、ポッドのドアを外側から閉めた。
そして、力任せに、ポッドを宇宙ステーションの外に押し出した。


私一人を乗せたポッドは、地球に向かって落下していく……



数分後、宇宙ステーションは大爆発を起こした。



< 了 >

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