1 / 6
01
しおりを挟む
私はコールセンターで働いている。
私の仕事は、童話の登場人物たちからのお悩み相談を受けることだ。
プルルルル……
おっと、さっそく電話がかかってきた。
「はい、こちら、童話お悩み相談室です」
「あの~、わたし、車持皇子と申すものですが……」
「なんと、皇子様ではありませんか! どうなさいましたか?」
「騙されました……」
「はい、どのように騙されたのでしょう?」
「蓬来山の珠の枝を持ってきたら結婚してくれるって言うから持ってきたのに、結婚してくれないんです。これって、結婚詐欺ですよね?」
「……え~っと、車持皇子さん、実はあなたが雇っていた職人さんからあなたに騙されたとのお電話いただいておりまして……珠の枝の模造品を作ったのに代金を払ってくれないと。で、これは詐欺なんじゃないかって……」
ブツッ……ツーツーツー……
あ、切られた。
代金支払わない方が悪いのに、自分が被害者面するなんて、まったくひどい皇子様だ。
かぐや姫様も、こんな人をふって正解でしたね。
プルルルル……
おっと、次の電話だ。
今度は、どの物語の登場人物かな?
私の仕事は、童話の登場人物たちからのお悩み相談を受けることだ。
プルルルル……
おっと、さっそく電話がかかってきた。
「はい、こちら、童話お悩み相談室です」
「あの~、わたし、車持皇子と申すものですが……」
「なんと、皇子様ではありませんか! どうなさいましたか?」
「騙されました……」
「はい、どのように騙されたのでしょう?」
「蓬来山の珠の枝を持ってきたら結婚してくれるって言うから持ってきたのに、結婚してくれないんです。これって、結婚詐欺ですよね?」
「……え~っと、車持皇子さん、実はあなたが雇っていた職人さんからあなたに騙されたとのお電話いただいておりまして……珠の枝の模造品を作ったのに代金を払ってくれないと。で、これは詐欺なんじゃないかって……」
ブツッ……ツーツーツー……
あ、切られた。
代金支払わない方が悪いのに、自分が被害者面するなんて、まったくひどい皇子様だ。
かぐや姫様も、こんな人をふって正解でしたね。
プルルルル……
おっと、次の電話だ。
今度は、どの物語の登場人物かな?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる