6 / 9
06
しおりを挟む
俺は地図を広げた。
コンパスを使って基地からの距離を測る。
航続距離の半径内に、日本の千歳空港がある。
そうだ! 日本へ行こう!
こんな国とはおさらばだ。
腐った組織、クソみたいな上官、飲んだくれの同僚、監視してくるKGB、そして、喧嘩の絶えない妻、そのすべてから逃れてやる!!
俺はこの戦闘機で、自由の地へと飛び立つのだ!
とは言っても、そう簡単にはいかないだろう。
戦闘機は常に2機以上で行動する。
機体の位置はレーダーで把握されている。
逃げ出せば追跡され、同僚機のミサイルによって撃墜されてしまう。
しかし……
俺には妙案があった。
自由の国への脱出。
必ず成功させる!!
* * * * *
作戦決行日。
パイロットは離陸前に必ず、医師の診断を受けることになっている。
俺はいつもより血圧が高いと指摘された。
緊張しているのだろう。
「朝、ジョギングをしていたので」
と、ごまかす。
軍医は特に疑うこともなく、搭乗の許可を出した。
今日の訓練は3機で行う。
俺たちは、訓練空域に向けて飛行した。
緊張が高まる……
* * * * *
作戦決行!!
俺は減速し、高度を下げた。
墜落をよそおうのだ。
俺は墜落信号を発信する。
海面ぎりぎりまで降下したところで、俺は操縦桿を引く。
そこから海面すれすれの低空飛行を続けた。
低空飛行なら、レーダーに捕捉されることはないはず。
当然のように、僚機や基地から無線の連絡が入ってくる。
俺は無線機を切った。
そして、機首を北海道へと向けた。
日本の防空識別圏に入れば、自衛隊はスクランブルをかけてくるだろう。
あれ……?
すでに、俺は日本の防空識別圏に侵入している。
にも関わらず、日本の戦闘機の姿が見えない……
これはいったいどういうことだ?
日本の領空に入った。
俺は今、領空侵犯をしている。
ソ連では、領空侵犯機は撃墜するきまりだ。
しかし、日本の自衛隊はそんなことはしてこないと聞いている。
無線で警告したり、威嚇射撃をしたりするのが関の山だ。
それを無視し続ければ、強制着陸させるための誘導を行うはず。
で、自衛隊機はどこにいるんだ?
まったく姿が見えない。
無線機を切っているので、自衛隊機が警告を出しているのかどうかも分からない。
俺はそのまま、日本の領空を飛行する。
まずい。燃料がない……
超低空飛行は予想以上に燃料を消費していた。
雲がかかっており、どこが千歳空港なのかも分からない。
自衛隊機、早く俺を見つけて、強制着陸のための誘導をしてくれ……
コンパスを使って基地からの距離を測る。
航続距離の半径内に、日本の千歳空港がある。
そうだ! 日本へ行こう!
こんな国とはおさらばだ。
腐った組織、クソみたいな上官、飲んだくれの同僚、監視してくるKGB、そして、喧嘩の絶えない妻、そのすべてから逃れてやる!!
俺はこの戦闘機で、自由の地へと飛び立つのだ!
とは言っても、そう簡単にはいかないだろう。
戦闘機は常に2機以上で行動する。
機体の位置はレーダーで把握されている。
逃げ出せば追跡され、同僚機のミサイルによって撃墜されてしまう。
しかし……
俺には妙案があった。
自由の国への脱出。
必ず成功させる!!
* * * * *
作戦決行日。
パイロットは離陸前に必ず、医師の診断を受けることになっている。
俺はいつもより血圧が高いと指摘された。
緊張しているのだろう。
「朝、ジョギングをしていたので」
と、ごまかす。
軍医は特に疑うこともなく、搭乗の許可を出した。
今日の訓練は3機で行う。
俺たちは、訓練空域に向けて飛行した。
緊張が高まる……
* * * * *
作戦決行!!
俺は減速し、高度を下げた。
墜落をよそおうのだ。
俺は墜落信号を発信する。
海面ぎりぎりまで降下したところで、俺は操縦桿を引く。
そこから海面すれすれの低空飛行を続けた。
低空飛行なら、レーダーに捕捉されることはないはず。
当然のように、僚機や基地から無線の連絡が入ってくる。
俺は無線機を切った。
そして、機首を北海道へと向けた。
日本の防空識別圏に入れば、自衛隊はスクランブルをかけてくるだろう。
あれ……?
すでに、俺は日本の防空識別圏に侵入している。
にも関わらず、日本の戦闘機の姿が見えない……
これはいったいどういうことだ?
日本の領空に入った。
俺は今、領空侵犯をしている。
ソ連では、領空侵犯機は撃墜するきまりだ。
しかし、日本の自衛隊はそんなことはしてこないと聞いている。
無線で警告したり、威嚇射撃をしたりするのが関の山だ。
それを無視し続ければ、強制着陸させるための誘導を行うはず。
で、自衛隊機はどこにいるんだ?
まったく姿が見えない。
無線機を切っているので、自衛隊機が警告を出しているのかどうかも分からない。
俺はそのまま、日本の領空を飛行する。
まずい。燃料がない……
超低空飛行は予想以上に燃料を消費していた。
雲がかかっており、どこが千歳空港なのかも分からない。
自衛隊機、早く俺を見つけて、強制着陸のための誘導をしてくれ……
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる